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二十二話

 本日は入校式です。

 え、一日抜けたって?

 図書室は貴重な文献がなんたらで入るのに色々が許可がいるそうです。

 つまりは入れなかったということで。一日部屋で自主鍛錬をしていました。

 こんなにやる事が無かった日は産まれて初めてだったかもしれません。



「…、…。……であるからして、心身を鍛え名実共にガードの名に相応しい人間となってもらいたい。以上だ」


 ぁふ…。

 長々としたお話が終わりました。半分も理解できませんでしたが、ようするに健全な精神は健全な肉体に宿るってことですよね。

 まあ、そんなことより周りに目を向けてみますと、30人くらいの人数が集まってますが女性が私ともう一人しかいません。

 おかしいですね。それとも一般的な礼儀ができてない女性は30人に2人くらいしかいないということなんでしょうか。

 …

 …その考えに少しだけ賛同してしまった自分にショックです。


               ◆


「さて、さっそくであるが教練に入る…の前に、順番に自己紹介を行ってもらう。まず私から、ハーケン・キルヒナーだ。普段は国軍の教導隊長もやっているが、今回は君達の訓練を見ることになった。魔術適性は土の上級術。少し手厳しく訓練するから一人欠けることなくついてくるように」


 ニコ、というよりニヤリといったほうが良い笑みを浮かべるハーケン隊長。

 何人か引いてますよ。

 自己紹介の順番は並び順のようですが、この並びは部屋と同じでここへの到着順のようですね。私の前にランディさんがいて私が最後。

 トリが私っていいのかな。

 そして、ハナが誰かといえば…


「ボッシュ・ザン・アレニウスだ。皆アレニウスは知っていることだろうが覚えておくように。魔術適性は火と土で上級術である」


 ボッシュさんを先頭にお友達二人と仲良く並んでいます。

 最初に到着されたんですね。

 何故かまだ兵舎が開放される前に到着し、明け方から三人で並んで待っている姿が思い浮かんでしまいました。


「ヤロー、性格は悪いが魔術は悪くないんだな。ここに来ないで宮廷魔術団にでも行けってんだ」


 一番離れているせいか、ランディさんが堂々と後ろの私に声をかけてきます。

 それには曖昧に笑っておきますが、ランディさんが言うのももっともです。

 魔術は大まかに初級中級上級とあります。それぞれ点・線・面の魔法となっており、

 順番に使用魔力と破壊力が増します。

 上級が二つ使えるっていうのはよほど魔力が高いのでしょう。

 大したものなんですよ?アルメッテ周辺では魔法が得意なゴブリン族だけしか上級は使えませんでしたから。


「フェリクス・オン・ベルンハルト。魔術は風以外の中級。以上」


 どこからともなく、おおっと驚きの声が聞こえます。

 私以外の女性である方の簡単すぎる自己紹介に驚かれたようですね。

 でもなんで?中級は珍しくないかと思うのですが。


「あれが王女の盾のフェリクスだ。国内で10人しかいないトライスペル持ちだぜ」


 説明ありがとうランディさん。

 トライスペルが良くわかりませんが、恐らく3つの属性魔術を扱えるということでしょう。

 それが国内10人って…え?そんなに少ないんですか?3つ使える人。

 うわぁ…マズいこと知っちゃった。


「自分はランディ・バッヘムです。魔術適性は風の中級。これからよろしくお願いします」


 ランディさんの真直ぐな自己紹介にも何人か声を上げます。

 そういえば、風の魔術使える人が他にいなかったような…適性とやらが合う人が極端に少ないのでしょうか。

 ますます私が言い辛くなってきました。

 ええっと。私の番なんですが…言っちゃっていいのかな。

 誤魔化すのは後々マズそうですよね。



「あぅ…わ、わだすロカ・アルメッテ言います。魔術は……全属性初級だす。よろすぐ」


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