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十七話

 兵士の皆さんから2日ほど走り続けた結果…


「ひゃっほー つきました!」


 岩の壁のような高い塀の向こうに見える町並みと、その奥に更に高い塀と王城。

 私はフィン王都に予定通り一ヶ月以内に到着したのです。

 まあ、実のところ王都から1日くらい離れたあたりから簡単な柵と穀倉地帯が広がっていたので王都に入っていたのかもしれませんが。


 さてそんな感じで王都の北門前で喜びを表していた所、門番に怪しい目で見られてしまったのでとっとと入ります。

 ついでにこの書状をどこに持ってくか聞いてみましょう。


               ◆


「まっすぐ中央街に入って右手の三階立ての建物…ここですね」


 門の兵隊にケースを見せると微妙な顔つきでここを教えてくれました。

 そういえば、道中で会った兵隊の方も同じ顔していました。何故でしょう。

 おっと、それより書状を提出してしまいましょう。入り口付近の適当な役人ぽい人でいいですよね。


「すんませーん。アルメッテ男爵より書状あずかってきただが…検めてもらえねが」

「…ん?王国印付きの書状?坊主、これどうしたんだ?」

「坊主でなか。要請に従い馳せ参じたで、照合してけろ」

「ふん、じゃあそこに名前サインしてちょっと待ってろ」


 照合とは筆跡照合です。

 筆跡照合を行い、中の書類に書かれた私の名前と今書いた私の名前を照合します。

 途中で書状を奪われたりした場合の用心として、私が記入者本人であるかの確認用ですね。

 魔力付きのインクで記述するとその文字にその人の魔力波まで記述されるとか。それを魔具で重ね、反応を見ることによって同一人物が記述したものかを判断するそうです。

 …と、エリシアさんが言ってました。今から400年くらい前にゴブリンが開発したそうです。


「…滲んで読めん…坊主、中身が何の要請だか分かるか?」


 役人さんがなんか奥で言ってますね。内容の照合も行うのでしょうか。

 内容は、あーっと…。

 礼儀作法って王国語でなんて言うんでしょう?


「ええと…礼…王の人に相応しい教育を…得る…国府からの要請だ」

「王人に相応しい王国府の教育…ああ、アレか。期限ギリギリだったな」

「ま、間に合わなかっただか?」


 役人さんはニヤリと笑うと書状にドンっと印を落としました。


「ギリギリでセーフだ。今、案内状を書くからそれを持ってけ」


 よ、よかったぁ~!

 おおよそ一ヶ月以内なんで短縮した日程でも厳しいかと思ってましたが、本当にギリギリだったのですね。


「ほら、案内状。集合場所は王城横の兵舎だ。」

「あ、ありがどございますー」

「貴族らしくねえなぁ。じゃ、訓練がんばれよ」


 貴族じゃありません。

 と、言いたいところですが今の私の名前はロカ・アルメッテ。

 家名欄を空欄にしていたらアルメッテ様がこうかけと言われたのです。

 アルメッテ様のサインもあるので、血統だと思われたんでしょうね。



 案内状を読みながら王城横へ向かいます。

 なになに…ふむふむ…。


 今回の礼儀作法の講習なんですが『プリンセスガード』というらしいです。

 王女のようにエレガントたれ、という事でしょうか。

 ハイカラですね。

ゴブリンもコボルトも言葉の違いだけで同じものらしいですね。

馴染み深いイメージだと ゴブリン=小鬼 コボルト=犬の半獣 みたいな感じですが。

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