第六刻、Dvsブレイ
<ブレイ視点>
いきなりだけどDってのはドーベルマンのDね。まぁ格好をつけたわけだよ。
№2「ギャヴ…」
僕は№2に飛び掛かると背中に鋭い爪を立てた。Dの腐った肉は脆く、ズブズブと爪がめり込んで行く。あまりの気持ち悪さに爪を引き抜き遠退いてしまう…。
№1「ヴゥアアア!!!!」
№1が後ろから噛みつこうと走ってくる。それも全力で…僕は内心笑いながら左に避けて見せる。すると№1は勢い余って怒り狂った№2に衝突。2人…いや、2匹は急に丸くなったかと思うと体を震わせ出した。は?どうなってんだよ?奴ら尻尾が…。尻尾が紅に染まり分裂していく。そして№1、№2…共にそれをお互いの尻尾に結び付けていく…。犬の姿は見る見るうちに変り果て、1つの大きな塊となった色は赤と黒の2色。僕は思った…。ただの肉片なんじゃね?うん、取り敢えず離れてみる。
肉片「ゴヴァァァ・・・ゴヴァァ・・・ゴヴァァ・・・・・・ヴァァァアアアア!!!!」
うわぁあ…気持ち悪い。肉片君は自分の体の欠片(肉)を飛ばすというわけのわからん攻撃を仕掛けてきた。僕は辛うじてかわし、肉片君の周りをクルクルと走り出す。奴の肉飛ばし攻撃…見切った!速い者には当たらん。肉片君が肉を飛ばしすぎて最早塊じゃなくなった時、僕は勝ったと思った。でも少々無理があったようで…。残念ながら。
ブレイ「………。」
肉片「グジュヴァァァア!!」
飛ばされた肉が徐々にではあるが1ヵ所に集まってゆっくりと肉片君を形作っていく…。ちょっとマズいね。このままでは澄礼さんたちが…コンビニから離れるか。そのまま走ってもきっとこいつはついてこないから、何かいい手を見つけないと…。僕は思った。僕の隣でクネクネしてる誰かさんの肉の欠片を持って逃げたら…あるいは。
肉片「ジュグゥゥゥゥ…」
僕は瞬時に肉を咥えて走った。すると肉片君…とんでもないスピードで追いかけて来るではないか!?あの体で…?有り得ん、僕と互角…いやそれ以上!そうか…元がDだから筋肉が多いのか?全力で走ってはいるが、追い付かれるのも時間の問題。と、いま目の端に写ったのは?おぉ!御主人!!ゾンビ倒したんですね!?まぁそういうことでゾンビ楽々倒した少年のもとへ走る。
脩「えっ何ブレイ!?そいつ…俺に倒せと?」
うん、だってこいつ犬じゃないし。開始早々肉片君になったし…。
脩「仕方ねぇ、ブレイ!俺の股を潜り抜けるようにまっすぐ走って来い!!」
言われたとおりに走って股を潜り抜けると。