第一刻、サダメの事故
初めての投稿…。不定期更新で放置もあるかもですが、よろしくお願いします。
<脩視点>
夢を見ていた…すごく嫌な夢だ。何故嫌なのかは解らないが兎にも角にも見たことのない夢だ。その夢から覚ましてくれたのは俺のフサフサした友達、犬のブレイだった。子供の頃から育てて今や体も大きく頭もいい頼もしいパートナー。外はまだ暗いから深夜の3時といったところだろうか…ブレイはきっと俺が夢でうなされていたから起こしてくれたのだろう。普段通り頭が回り始めると、ある音が聞こえた。今まで聞こえなかった方が可笑しい様な大きな音が…しかもだいぶ近くから聞こえる。家の前の道路からか?サイレン音が…ってかブレイはこれが理由で俺を!まぁいい、見に行くとしますかね。
道路にはボコボコになったトラックが横転していて、そのすぐ前では追突されたのか可哀想に血塗れペチャンコのワゴン車があった。トラックの荷台からは多量の緑色をした液体が流れている。あれは一体なんなんだろうか?何かの薬品…か?トラックの運転手が飛び出してきて警察に何かわめいている。話の内容が断片的に耳に入った。ウイルス、ゾンビ化?何の話だ…俺には理解不能だ。だがあの液体…妙に気にかかる。胸騒ぎと言うか何と言うか。まぁ多分気のせいだろうな。俺は事故の一部始終を見て、どうしたことか凄まじい眠気に駆られて寝てしまった。暗闇の中残された犬は止まらない震えを必死で抑え続けた。
-翌朝6時-
まだ夢の中にいた俺を起こしたのは携帯の目覚ましだった。ブレイは部屋の隅で何かに怯えているかのように震えていた…。まだ寝ぼけた頭を振り起してテレビをつけるとニュースをしていた。昨日の事故が何故か取り上げられている…なんだろう?様子がおかしい、ただの事故じゃない…だと?どういうことだ。
[昨日の夜起こった事故ですがトラックの運転手が何か奇妙なことを口にしているようです…情報によるとあの有名製薬会社であるタクニシが薬品開発途中にウイルスを作ってしまったと言っているもようです。え~運転手はタクニシの社員であり、闇ルートからウイルスを売買する途中だったようで、感染から3ヵ月でゾンビ化してしまうと騒いでいるようですがタクニシ側は一切の取材を受け付けず口を固く結んでおります。運転手は会社にワクチンがあると言っていますが…こんな馬鹿げた事を信じる人はいるのでしょうか?あっいえ、失礼いたしました。その他にも、このままでは遺伝子上ウイルスに抗体を持った人しか生き残れないなどと言っているようです。では次の話題です…三重県鈴鹿市の大木中学校を放火しようとした生徒が……]
間違いないな、昨日のと言うか深夜の3時に家の前の道路で事故った運転手が言ってたのはこれだ…頭がどこか変なのかそれとも真実を喋っただけか。いずれにせよ信じる奴は数少ないかもな、俺だって信じてないし…。いや、本当でもどうしようもないし?
ふぅ、つかれたぜ。