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なりたいものになるための道  作者: あきらふぁ
1章
3/22

その日から

書いてるとわかるんですが、漫画化させてる人とかすごいですね。あそこまで長いのを書けるとは。尊敬します。

その日から、セイスは午前中は勉強をし、午後からは剣を磨くという生活を始めた。

勉強を始めて様々なことが知れた。


過去に神になろうとした馬鹿な男がいたこと。


神が遊戯のために新たな魔物、迷宮を作り出したこと。


この国━━━エスフェルができた時の話。


魔王が人間を侵略したこと。


そんな様々なことが知れた。

剣の方にもいろんな気づきがあった。


体の効率的な動かし方。


剣の一番切れるタイミング。


そんな生活が始まり半年たったころ、とうとうセイスは大人にも勝てるようになっていた。勝てるようになって再びセイスはセトに頼み込んだ。


「父さん、森に、狩りに行きたいんだ。」


セトは考える様子を見て、決心したように口を開いた。


「初めてお前が森に行きたいと言ってから半年か。村の戦士たちにも勝てるようになってきたしそろそろいいかもな。」


「ほ、ほんと!?やったぁ!」


「最初は何人か連れて行きなさい。」


「わかったよ。ありがとう父さん!」


「あぁ、わかったから今日は寝なさい。」


「じゃあ、おやすみ!」


その日はうれしい気持ちでぐっすりと眠った。


次の日からセイスは森に入った。


「セイス、あまり前に出すぎるなよ!」


「わかってるよ」


今日はセイスといつも村の門番をしているデルクと共に森に入った。

デルクはいろんなことを教えてくれた。

隠れる方法や仕留めた獲物の捌き方、罠の仕掛け方などをその日1日で学んだ。

初日は魔物に会うことは叶わなかった。

次の日もデルクと森に行き、昨日学んだことの復習や魔物の行動パターン、さらには使えると便利だからと言って弓の使い方まで教えてくれた。

セイスはこれが騎士になるために必要ないと思っていたが、教えられることをすぐに吸収していった。


3日目にして初めて魔物と相対した。

鈍色の毛並みをしたセイスの身長ほどもあろうかという狼━━ガレフだった。

最初はデルクが魔物との戦い方を見せてくれた。

それを真似するようにセイスはガレフとたたかった。

ガレフの動きにもすこしづつ慣れてきたころ、セイスはガレフに仕留めようと大きく踏み出した。


「まてっ!セイス!」


途端にデルクが制止させようと声を上げるが、セイスは止まらない、止まれなかった。

ガレフはセイスが飛び出すのを待っていたように、腕に食らいついた。

それと同時にセイスがガレフに剣を突き刺した。が、鈍色の毛によって止められた。


「うぐぅ」


セイスの腕から血が流れだした。そしてそのまま腕を抑えるように地面に倒れこんだ。

ガレフはセイスを仕留めようと動くがデルクに仕留められた。

「セイスッ!大丈夫か!」


デルクが声をかけながらあまりないポーションをセイスの腕に掛けた。傷は骨に届いているようで傷の治りが遅かった。

それでも10分もあれば傷は治っていた。

その日は村に帰っていった。


その日の夜セイスはベッドの中で自分の力のことを考えていた。

(大人に勝てるようになったとはいえ、それはこの村の大人だけだ。領主様の騎士はガレフぐらい簡単に狩れるだろうな・・・いや、僕はなんでこんな卑屈になっているんだ。しっかりしろセイス!お前は騎士になるんだろう!)


そんなことを考えながら意識を沼に沈めていった。






セイスが森に入り始めてから1週間したころにはセイスは1人で森に入っていた。

毎日魔物を狩って帰ってきた。

セイスはガレフに負けた日からどんどん成長していった。

今ではこの村でセイスに勝てるものがいないほど。

そんななかいつも通り魔物を狩り、家に着くと見慣れない馬がいた。

誰だろう、と思いながらも「ただいま」と言いながら家に入ると知らない騎士の格好をした50歳ぐらいの男がいた。


「どちら様でしょうか?」


そんなことを聞くと、


「セイス!失礼なことをしないの!すみません、ジャミル様。ほらセイス、この方にあいさつして!」


シリスにしかられた。


「は、はじめまして。セイスと申します。」


シリスにしかられて動揺しながらも挨拶をした。

男は、


「あぁ、初めまして。私の名前はジャミルだ。普段はお嬢様の護衛をしているものだ。ご主人様の命によりこの村に来た。して、セイスよ、おぬしは年はいくつだ?」


セイスはなぜそんなことを聞くのかと思いながら答えた。


「6でございます」


「そうか6か。その年で魔物を一人で狩れるのは驚いたぞ。お嬢様より1つ下だというのもな。」


ジャミルは少し考えるそぶりをみせ、おもむろに口を開いた。


「セイスよ、おぬし我が伯爵家の騎士にならないか?」


「!?」


「もちろん、無理にとは言わない。何なら成人、15歳になってからでもよいのだが」


セイスは考えると同時に戸惑いを覚えていた。


(僕が騎士に・・・?近道じゃないか。でも僕はなんでこんなに悩んでいるんだ・・・?)


そう、セイスは騎士を目指していたのに自分でも訳も分からず悩んでいたのだ。

どうしたらいいかわからずちらちらとセトの方を見ていた。

そんなセイスの様子を見てセトが、


「セイス、これはお前の人生だ。どうするかは自分で決めるんだ。」


その言葉は6歳の子に向けるような言葉ではない。

だがその言葉を聞きセイスは心が決まったように言った。


「ジャミル様、私は騎士になりたいと思います。ですが、騎士になるのは来年の春まで待ってもらえませんか?私はまだまだ未熟なのでもっと強くなりたいと考えているのです。」


「そうか。騎士になると決めたのだな。ではセイスの言う通り来年の春にまたここに来るとしよう。私はこれより帰還する。それでは、また。」


「「「ご活躍をお祈りしています。」」」


そうして騎士ジャミルは村を去っていった。

書籍化することを願ってしばらく書いていきます。それにどんどん1話ごとを長くしていけるよう頑張ります。言葉遣いとか直した方がいいところの指摘もよろしくお願いします。

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