本当の幸せ
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家に帰ると夕飯ができていた。唐揚げを乗せたカレーライスだった。俺の大好物だ。久しぶりに食うがやはりこれは美味い。唐揚げとカレー、一見合わなそうに見える2つだが、食べてみるとものすごく合うのであった。
「大活躍だったわね」
「たいしたことしてないよ」
「そんなことないわよ」
「いやそんなことあるって」
「グレイコールが巻き起こっていたじゃない、みんなあなたに感謝してるのよ」
母の優しさが身に染みる。
「明日は何するの?」
俺はひげじいとの一件を話した。
「友達探し?いいじゃない、出来たら私に会わせてね。」
「わかったよ」
「友達探しになら朝は広場、夜は酒場に行くと良いと思うわよ」
なるほど…確かに人がたくさん集まりそうだ。酒場とか行ったことないけど大丈夫かなぁ。
ま、いっか。明日のことは明日考えれば良い。なにせ俺は国王からの優遇で働かなくても金は入ってくるしいくらでも時間がかかるしな。
「ごちそうさまでした」
俺は食器を片付けて風呂に入り、今日のところはさっさと寝てしまった。なんだかんだ言って1日中経っていて疲れていたんだ。
朝起きると、目の前にあの占い師がたっていた。
「目標に1歩近づいたようだな」
どうやって入ってきたのか聞こうとしたが好奇心が勝ってしまった。
「目標って?」
「何を言っている、幸せになることじゃろ?」
「もう幸せだよ」
「何を言うか、本当にお前は幸せか?」
痛いところをつかれた。本当に幸せか?それは俺自身も旅をしていた頃からずっと問いかけてきた疑問だった。あの頃は旅が終われば幸せになれると思っていた。あの頃の俺をぶん殴ってやりたい。平和イコール幸せだと思うなよ。
「いや、違います。俺は幸せなんかじゃない!」
返事がない。顔を上げる子には誰もいなかった。
その時目が覚めた。
夢だったようだ。
やけに現実味のある夢だ。そんなことを考えながら俺は着替えて、母に挨拶をして朝ごはんを食べ始めた。今日はコッペパンだった。母の手作りパンは美味い。
今日は何をするんだったか。友達探しだっけ?そうだ、広場に行くと良いって言われたんだった。
母に断りを入れて外に出る。おぉ、広場にはなんとまぁたくさんの人がいるではないか。辺りを見渡してみると、1人見たことがある顔があん。あれ?あいつは…
声をかけてみる。そいつは、俺のパーティの魔法使いだった男だった。
これからも頑張ります!