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外の散歩

第3話です!ご覧いただきありがとうございます!

「美味い、美味すぎる」

久しぶりの母の味についそんな言葉がこぼれ落ちる。

こんなに美味かったのか。小さい頃は飯のありがたさがわかってなかったけど今だからわかる。

母はこの味をつくるのにどれだけの時間と努力を重ねてきたのだろう。そう思うとなんだか涙が出た。

その朝ごはんはフレンチトーストだった。フレンチトーストで涙するか?と思うかもしれない。でも食べてみてほしい。本当に素晴らしい味なのだ。

戦争で散った父のことを思う。俺が物心つく前に逝ったから父のことはよく知らないが、こんな人と結婚できてたいそう幸せだっただろう。

そんなことを考えながら瞬く間にフレンチトーストを食べ尽くした。もちろんおかわりも食べた。


朝ごはんは終わった。時計を見ると午前9時。


午前9時?


あと1日は15時間あるのか?


こんな長かったか?


「外にでも出てくれば?みんな喜ぶわよ」

母のそんな言葉でつられて外に出てみた。

あの日のままの光景がそこにはあった。

酒場の看板の大きな看板。

兵士募集のポスター。

家の向かいにある散髪屋。

何もかも変わっていない。

懐かしさを感じて、少し散歩することにした。こんなにこの街が美しかったなんて。

公園のそばを歩いていたら、5歳くらいであろうか?女の子がこちらを指さして

「勇者様だー!」と言う。

なるほど。俺はやはり有名人なようだ。笑顔で手を振ると、恥ずかしがって逃げてしまった。そしてまた俺は散歩を継続する。

道ゆく人々に声をかけられる。

「平和な世界をありがとう!」

そんな言葉もいただいた。平和もいいことだけじゃないんだぜ?と心の中で唱える。平和を作り出した勇者がそれを言うのは傲慢であるし、また俺はみんなの憧れでなければならない。そんな弱音を吐けるはずがない。

暇だ。本当に暇だ。


「お主、なにか悩んでおるな?」

不意にそんな言葉が聞こえた。見ると後ろに80歳くらいの占い師であろうお婆さんが立っている。いつの間にいたのだろうか。

「占ってやろうか?」

「お願いします」

占いなど信じないが暇で暇でしょうがない。ちょっと付き合ってやるか。

「お主この世に退屈しておるな?」

ぎくっ

体のどこからか音が聞こえた。図星である。

「出会いを求めろ。素敵な出会いが待っている」

なるほど。出会いを求めるのか。誰を?恋人か?友達か?

聞こうとしたら老婆は消えていた。不思議なこともあるもんだ。

暗くなったので空を見上げると雲が太陽に覆い被さっている。

他にすることもない。出会いを求めに王宮に行くことにした。王宮に行けば陽気な男も、絶世の美女もいるだろう。

巣があるのだろうか?空には燕が飛び交っていた。

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