部屋の外の世界と母との再会
2作目です!ご愛読ありがとうございます!
服を着たあと俺はまだ家で暮らしていた頃のことを
思い出し始めた。
朝起きて着替えたら何をしていたっけ?とりあえず 自分の部屋を出て家族に挨拶をしていた気がする。 家族? そうだ。 すっかり忘れていた。 もう家族のことを考えていいんだ、まだ母親に「ただいま」も言えていない。
昨日帰ってきてまず会いに行ったのはそう言えば王様だった。 その後盛大に宴会が始まって気づいたら 寝ていたっけ。 この家への道の景色の記憶も途切れ 途切れにしかない。 その記憶も、誰かの背中の上か ら見た景色なのだが... 城の兵士が運んでくれたのだ ろうか。悪いことをした。 が、まぁ仕方ない。 こっちも長旅で疲れていたんだ。 今度お礼に金でもくれてやるか。
一腹が減ったなぁ
考えていたら脳にふとそんな言葉がよぎった。 そうだ。 飯だ。腹を満たさないと。 どうしてこんな1番 必要で簡単なことに気づかなかったんだろう。 壁が無言で俺を見つめてくる。
飯を食いたいが俺はどこにいけばいいのだろう。
部屋を見渡す限り俺が脱いだ服と服の入っていたク
ローゼット、俺の寝ていたベッドしかない。
ー外に出てみるか
見ると俺の右側に赤色のドアがあった。
ドアを開けて外に出てみるとそこには見慣れた俺の家の景色があった。なるほど。確かに窓の位置といいドアの場所といい小さい頃住んでいた俺の部屋の記憶と一緒だ。なんで気づけなかったんだろう?俺の頭の愚かさを実感した。
しかし俺はすぐにもっと大事なことに気づいた。
ー母がいるのか?
ずっと会いたかった母親が?俺の心臓が高鳴るのを感じる。
「母に会いたい」
旅の間、俺の心の1部をずっと支配していた感情である。旅の邪魔にならないよう、自分を殺してずっと気づかないふりをしてきたが、ついにその思いを爆発させられるのだ。そう思うと、たまらない。
俺は待ちきれず奥の部屋のドアを開けた。
「あら起きたの。おはよう。」
懐かしいその人の声が聞こえた。空腹など一瞬で吹き飛んだ。
「ただいま」
口が勝手に動く。
声の聞こえたところを向く。するとそこにはあの日のままの母の姿があった。
これは夢ではないだろうか?そう思いこっそり耳を引っ張ってみる。ちゃんと痛かった。
世間的にはこういうのをマザコンというのだろう。しかし、そう言うやつに行ってやりたい。
「もしお前が13歳で親と別れさせられ、命懸けの戦いの末に再開したらどうする?」
答えは聞くまでもない。
「お腹空いてるでしょう?ご飯できてるわよ」
その言葉でやっと俺は空腹を思い出す。
ふとみると、母の趣味で植えている花が太陽の光を浴びてさんさんと輝いていた。
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