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前世は大工女子の異世界生活  作者: 森林木林森
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異世界ヒャッハーってやつですね。

「それじゃ始めます、今日はとりあえず一本だけやりますね。まず根っこの皮を剥いてこのくらいのサイズまで小さく切ってもらいたいの、そうしたらこの大鍋に入れて、沸騰したお湯で30分煮てもらいます、この時上に白い泡が浮き上がるからそれは全部捨ててね」


 灰汁を取らないと仕上がりが茶色くなって雑味が出るとマーチに聞いていた、まぁ大概どんな料理でも灰汁は敵、しっかり取り除いておかないとね。


「30分煮るとこんな風にドロドロになるからこれをザルで漉す、また30分煮て同じ事を二回繰り返します。」


 説明の途中に夕食の準備が出来たので食事となった、メニューはやはりパンと干し肉と塩スープ、今日はスープに豆が入っていた、あぁこれ献立はデフォなんだパン、干し肉、スープ、私には無理だなぁ。


 食事を終えてまたザルに漉す、二回目が終わった頃には半透明の液体が残っていた、試しに一掬いしてお湯で割った物をダンゴとメルティに飲ませた。


「甘い、これ甘いよ嘘でしょ?信じらんない」


「本当に甘いですな、このままでもお茶に入れて飲みたいです、まさかあの根っこにこんな……」


 ガトーが二人の様子を見てメルティの飲みかけを奪って飲んだ、ガチな強さでガトーにローキックするメルティ、悲しいかなその攻撃は全く効いてないようだ。


「甘ぇな、昔食った青臭い根っこの味とは大違いだ、こりゃやべぇな。」


 そこから更に煮詰めると水分が抜け粉末状になってきた、ここからは弱火にして焦げ付かない様に注意しながらかき混ぜる、そうして出来上がり。


「ちょっとしっとりしてるけど、あとは自然乾燥させれば出来上がりね、どう?流行りそう?」


「「「「流行る!!」」」」


「ヨーコ様、この知識もこのダンゴが扱ってよろしいでしょうか?ワタクシはこの砂糖の加工工場を作るため各大店に声を掛け出資をするよう働きがけます、この件に関しましてはワタクシ一人で儲けを取るよりティンダーの新しい名産として表に出して行きたいのです。」


 まぁ私自体は何にも問題ない、食生活が向上すれば次は文化娯楽が発展するだろうし、そうなったら私の異世界生活が今よりは有意義になるはず、全てダンゴに丸投げいたします。


「えぇ、その方向で構いませんよ、本当なら錬金術を使えば簡単にできるのでしょうけど、人の手で作業すれば雇用が生まれますから多くの人が幸せになるでしょう、因みに帝国でもこの製法を知る人はほぼ居ないですから」


 マーチが大昔に滅んだ小さな部族しか知らない製法だと言っていたし、メイちゃんもグレイシアは生命力の強い植物だからどんな環境にも対応出来るって言ってたからね。


「まさかグレイシアにこんな使い方があるなんてな、これっからぁグレイシアの依頼が増えそうだ、若い連中も喜ぶぜぇ」


「甘いお菓子が手に入りやすくなるのねっ!ヨーコ糖は飲み物にも入れれるし甘いは正義だわ」


 ヨーコ糖って止めて恥ずかしいから、せめてティンダー糖とかにしなよ。


「これはティンダー糖にしましょ、ティンダー発祥にするんだからどうかしらダンゴさん。」


「ワタクシもヨーコ様の意見に賛成でございます、最初のうちはこの製法を秘匿しティンダー産の砂糖を広め、10年、いや20年ほどして製法が確立出来たらレシピを広げて行きましょう」


 せっかくなのでこの砂糖を使ってクッキングタイム、今あるパンを小さく切ってバターを使って焼き上げる、バターってあんのかな、無きゃ自家製を出すか、また騒がれなきゃいいな。


「ほう、そちらはバーガリンですな、また希少な物を、確か魔牛の乳を加工して作るのでしたか、パンに塗るのは貴族だけと聞いた事がございます。」


 マーガリンは油ですよ、バターは乳製品、んじゃバーガリンとは?まぁいいや時計や砂糖ほど騒がれないから流通はある程度してるんだね。


「仕上げに砂糖をまぶして、お手軽パンラスクの出来上がり、さぁどうぞ。」


 まずはメルティが手を伸ばして来たがガトーにパチンと叩き落とされた、あ~なるほどダンゴが依頼者だから最優先がダンゴなんだね、もうメルティったら。


「サクッ」


 口に入れた時の音から美味しそう、この世界のパンは硬いんだよね、みんなスープに浸してから口にして、まぁガトーはガリガリ食べてたけど、ダンゴの許しが出たので使用人のヨリン、ハナンと渡りリク君へ、でもリク君はすぐにメルティに渡して「私は最年少ですから最後で結構です」だって、メルティ見習いなよ?まぁそんなのお構い無しに食べるのが彼女なんだけど、そんなリク君はダンゴにお茶を注いでいた。


「簡単に作っていましたが、パンとバーガリンと砂糖でこれ程変わるなら今後バーガリンも仕入れに入れなければですな、野営先でこれ程舌と心が満たされたのは始めてでございます。」


「いつものパンが、これお菓子だねパンじゃないよ?お菓子だよ?汗水垂らして根っこ掘ったのが報われるわぁ」


「途中までですけどね…」


 おっ!良いぞリク君もっとやれ。


「リクうるさい、ほら口開けなさい、お礼にお姉さんが食べさせてあ・げ・る、あれ?嫌なのそれとも口移しが良いとか?はい、ん~」


 メルティが口にラスクを咥えてリク君に近寄る、リク君はまた真っ赤になって顔を背けた思春期だね~、強がっても大体返り討ちにあってるね、今のところメルティが一枚上手かな。


「メルティ意地悪しないの、リク君も食べて感想教えてくれる?」


 やっと素直にリク君が食べてくれた。


「凄いです、口に入れた瞬間砂糖の甘みで幸せになり噛むと中からバーガリンの風味がフワッと鼻を抜けていき、パンも小さくカリカリに焼いているので歯応えが良い、紅茶で口をリセットしたら何度もこの幸せが訪れるのでしょうね、素晴らしいと思います。」


 おいおい、一番しっかり感想くれたよ、確かにラスクは飲み物が必須、食べる、飲むを繰り返してる間に無くなっちゃうんだよね。


「うっわ少し引くわ~」


 メルティがリク君をまた揶揄ってる、貴女もそのくらい言わないと大人でしょ?


 そんな楽しい時間をぶち壊す警笛が鳴る。


『ヨーコ、東から何か来る、1、2、……全部で6悪意がある!』


 マーチが叫ぶ、私はすぐに「ガトー東っ!」と叫んだ。


「おうっ!今察知した、メルティ詠唱をドムは旦那と嬢ちゃんを守れ」


「ドムさん、私は平気だからダンゴさんとリク君を!」


 私は取っておきの武器をヒップバッグから取り出して構える。


「全員赤だ、警戒しろ!ヨーコ嬢ちゃん礼をする、俺じゃ意識しなきゃ気づかなかった、準備出来ずに奇襲されて終わりだったぜ。」


 色を叫ぶガトー、メルティの顔が一瞬殺意に満ちた顔つきになった。


「おやおや、気づかれましたか、しかも戦闘準備まで整って、やれやれですねぇ、簡単じゃなくなりました、まぁ抵抗するなら皆殺しにします、荷物を置いて立ち去るなら命だけは助けましょう」


「旦那!どうするっ、野盗の言う事素直に聞いたってろくなこたぁねぇ!オレァ1人で3人は道連れにしてやらァ」


 ガトーが歯を剥き出しにして声をあげる。


「獣人の出来損ないが吠えるじゃないか、足りない頭使ってよく考えた方が利口で「パスッパスパスッ!」うぎゃぁぁ!肩が!足がぁ足がぁぁ」


「ガトー援護するよ、こんな腐った野郎の能書きなんか聞く必要ないでしょ、殲滅よ。」


「嬢ちゃんが何したか知らねぇが助かるぜ!やれっメルティっ!」


「わかった!ファイアウォール!」


 メルティの魔法が炸裂、炎の壁が野盗の2人を包んだ。


「2人西に動いたよ、もう1人は北側、私が北をやるからガトー達は西をお願い!」


 精霊達から聞いていた、魔物も怖いけど一番は同族だと、もちろん殺す事は出来ないだろう、それでも無力化するならやり方はいくらでもある。


 ヒップバッグに手を入れて物を取り出し北に向かって投げる、マーチが風で補正してくれた、野盗の足元に落ちたそれは激しい光を放ち野盗の目を潰す。


「ぐぁっ、なんだこりゃぁ」


 視界が奪われた野党は右往左往しながら剣を振り回している、私はその両足めがけて「パスパスッ!」


「あぎゃぁ、足、足がぁ」


 振り回していた剣も放り投げ足を押さえる野盗、私はその顔面を蹴りあげ気絶させて終了、手足を縛りガトー達の助っ人に行くが視線の先で炎の玉が爆発した、それと同時に2つの何かが飛び散った。


「嬢ちゃん大丈夫か?うん、大丈夫そうだな、そいつは生きてんのか?死んでんのか?」


「生かしてあるよ、私殺しは苦手なんだ、だから無力化した、足の怪我をほっとけば死ぬかもだけどね。メルティの魔法さすがだね、ちょっと見直した。」


「なーにぃヨーコはこの大魔法使いメルティちゃんをどんな目で見てたのかなぁ~」


「ポンコ……いやぁ話変わるけどさっき私めっちゃ怖かったから先に撃っちゃったけど大丈夫だった?」


「ポンコ何かなぁ?よく聞こえなかったなぁ、ちょっと裏で詳しく聞こうか。」


 聞こえてんじゃん、昭和の不良かよっ!裏ってどこの裏だよ!だって貴女今まで見てきたけど結構上位のポンコツちゃんだよ?


「メルティがポンコツなのは今始まった事じゃねーだろ、さっきは相手の隙を伺ってたが嬢ちゃんの一発で勝ち筋が見えたから助かった、でもよなんだあの武器、あっつー間に両足ぶち抜いてたろ、あと肩も一瞬目を疑ったぜ、何はともあれ誰も死なずに済んだ。」


「そうそう、変わった形の杖だなぁくらいにしか思ってなかったんだけど、ヨーコ魔法も使えたんだね」


「メルティ、実は私魔法使えないのよ、これは師匠の技術の結晶、GUNっていう武器、師匠が魔法の使えない私のために作ってくれた大切な武器なの。」


 マーチの助言で何か聞かれたら「ダンジョン産」か「師匠」でゴリ押ししろって言われていた、嘘なんだけど嘘つくとなんかドキドキしちゃう。


「そっかぁでも凄い人がお師匠様だったんだね、ヨーコの為に凄い武器を作ってくれて一度お会いしてみたかったなぁ」


 嘘をついた罪悪感が押し寄せるけど仕方ない、こんなもの作れると知ったら今の関係は続かないだろうし、命の危険があったから出したけどあまり戦闘はしたくないな。


「ヨーコ様ご無事で何よりです、このダンゴもいざとなったら刺し違える覚悟でしたが皆さんのおかげでそうならずに済みました、感謝を。」


 野盗連中は最初にイキって来た奴と私が無力化した2人しか生きていなかった、メルティの魔法は高威力だから生かすなんて器用な事は出来ないらしい。


「ムッ!この顔はバルザード一味のボスバルザードではないですか?コチラは人斬り隊長マチューですね、これはお手柄ですよ、この二人には生死問わず懸賞金が掛けられていましたから、確か2人合わせて金貨300枚だったかと」


 懸賞金なんてあるんだ、まぁコイツらには何人も犠牲になってるんだろうな、じゃなきゃ懸賞金なんてつかないだろうし。


「臨時収入だな!懸賞金は護衛が受け取るのがルールだからよ、雇い主が怪我とかしてりゃ別だが今回は無傷だ、有難くいただくぜ。」


 へぇ、そんなルールがあるんだ、野盗の懸賞金は危険手当て的な扱いか?ダンゴもうんうんと頷いている。


「そこでだ、今回はウチと嬢ちゃんで折半しようと思う、異義はねーよな?」


「「異議なし」」


「いや異議ありでしょ、私は途中参加の拾われ者なんだから、いらないよ。」


「ヨーコ様、それではガトーの面子を潰すことになります、どうか受け取ってくださいませ。」


 ダンゴが説得してきた、でもなぁ……


「んじゃ四等分で、そうじゃなきゃ受け取らない、私絶対折れないからね。」


 ガトーは顎に手を当て仲間を見る、メルティは両手を広げてダメだこりゃポーズ、ドムは大きく頷いてガトーを見てる。


「はぁ、わーったよ負けた、有難く四等分させてもらうわ、ギルドで懸賞金もらったら打ち上げすっからそん時ゃぁオレらがもつ、それで良いな!」


「うん、ありがと、お言葉に甘えてめっちゃ食べさせてもらうね。」


 その後、野盗二人を生かすか殺すか話し合いの結果生かす事にした、人斬りの方は片足がちぎれていたがポーションをふりかけ傷口自体は塞がっている、私が無力化したバルザードは傷は同じく塞がったが目が全く見えなくなったようだ、フラッシュグレネードかなりヤバいんだね、使い所間違えないようにしなきゃ。


 生かして連れて行ったところで結末は一緒、死罪になるのは確定で他の野盗への見せしめに使われるのだそう、そういった意味合いもあり、生かして連れていくと場合によっては一割ほど懸賞金が上がるらしい、今回は中々のビックネームっぽいのでガトーは上乗せに期待していた。


「今夜は少し緊張して眠れませんね、こんな時の為に酒でも持って来れば良かった、明日にはティンダーに着くので徹夜でも構いませんが、明日の大店周りは止めておきましょう。」


「お酒ありますよ?赤ワインですけど軽く寝酒しますか?」


 そう、私ワイン持って来てた。


「おぉぉぉ、お代はお支払い致します、是非ともお願い致します。」


 早速ヒップバッグからワインを取り出し、木をくり抜いて作ったワイングラス型の器に注ぐ。おつまみはチーズと腸詰、ミックスナッツを並べた。


「チーズと腸詰は焚き火で炙ってください、それじゃ乾杯」


 一番最初に夜番するガトー以外の二人も一緒に寝酒タイム、ワインの出来は~うん、ちょっと若いけどこの酸味がちょうどいい、荒っぽい味だけど中々、カドがとれてまろやかになったら一流のちょっと下くらいの味にはなりそう。


「美味しい、これ絶対高いワインでしょ、風味が凄いもんそれでいてちょっとスパイシーな不思議な感じ、私ワインにはうるさいんだけどこんなワイン初めて飲んだかも、そして~炙った腸詰に溶けたチーズを乗せて~」


 メルティが自分の世界に入っている、スパイシーか?香辛料なんて……あ、樽の香りかな?確かに風味としてちょっと感じるか…な?ドムも飲んでるけど僧侶って清貧の教えとかでお酒とか飲まないんじゃないっけ、でも世界には水代わりにワインを薄めて飲む地域もあったような無かったような。


「大変美味しゅうございます、もしもこのワインが市場に出たら買い占めてしまうほど、寝酒ではなく書斎でひっそりと楽しみたい一杯ですな、かの国はワインも一級品なのですなぁ」


 ナッツを頬張り味を噛み締めるダンゴ、ドムはボソッと「神の雫」などと口にしていたが聞かないふりをしよう。


「ヨーコもう一杯良い?多分私今夜は眠らないから、全力で魔法使うと興奮して眠れないの、でもこの幸せな一杯を飲めば心安らぐ気がするの。」


「うん、仕事に差し支えなければ平気よ、はいどうぞ」


 メルティが二杯目に行ったタイミングでドムが先に休むとその場を立ち去る、ダンゴももう一杯飲むことにしたようだ。


「転移する前ヨーコはダンジョンに1人で入ったの?」


 これも精霊と打ち合わせしてある。


「私を含めて5人で入ったの、今じゃバラバラだけど、転移した時に魔道具使って居場所はわかるようにしてあるから多分そのうち合流すると思うわ。」


「確かダンジョンってパーティーの人数制限あったよね、10人だったっけ?5人だったらキツかったんじゃない?仲間はみんな強いの?」

 

「そうね、私の知る最強のメンバーかな、個性豊かな私の仲間、揃ったら紹介するね。」


 みんなが揃ったら楽しいだろうな、それまでに世界の常識を覚えなきゃ、私の常識この世界の非常識って思ってないとね。


「ガトーっちとどっちが強いかな」


「わかんない、でもお互い得意不得意ってあるでしょ?得意分野だけなら誰にも負けないと思うよ。」


「ふーん、そっかぁそれじゃヨーコをウチに誘うのは無理かぁ」


 あぁ勧誘するつもりだったのか、でもごめんなさい。


「そうね、約束だから。」


 約束、精霊達の絶対のルール、それを私が破る訳にはいかない。


「でも私達もう友達だよね?」


「そうだね、友達だよ」


 メルティはワインを見ながらニヤッとしてこっちを見る。


「私もそろそろ休むよ、ヨーコも休むんだよ、おやすみ。」


 メルティがテントに向かうとダンゴが船を漕ぎ出した。


「ダンゴさん、ここじゃ疲れますよ、テントに行ってください。」


「はっ、これは失礼いたしました、そうですね、ワタクシも失礼させていただきます。」


 瓶の中にはあと2杯分くらいワインが残ってる、ガトーに声を掛けておつまみと一緒に渡して自分のテントに潜り込む。


 ~~~~~~~


「みんなお待たせ~ちょっと培養機見てきていい?多分外の時間であと2日もしたらみんなの体出来上がるから」


『メイも見に行く~』


『私も自分の体ですから見ておきましょう』


『俺は毎日見てるぜ!楽しみだよな!』


 私はジューンとメイちゃんで女子部屋に向かう、ホムンクルスのガワは完全に仕上がっている、後は内臓待ち、内臓だけではなく神経に関しても不備がないように細かくチェックしたい、3人ともコアになる心臓部分にはそれぞれの属性龍の魔石を使っている、精霊自体が魔力の集合体のような存在なのでそれを受け止める魔石も重要だ、多分明日にはオクト、翌日にはジューンとメイちゃんの体が仕上がるだろう。


 私が冒険者登録するのだからみんなも登録するだろう、事前に用意した洋服や武器防具を培養機の前に置いて仕上がりを待つ。


 そして私は自分の武器の手入れをする、今回は初めて実戦で使用したけど悪くなかったと思う、まだ有効射程その他が不明だけど魔力を弾丸に見立てて飛ばしダメージを与える事が出来た、サプレッサーも機能してる、外して撃つと凄い音だもんね。


 GUNには魔法陣を三十ほど展開している、陣を描いたミスリル板を薄く伸ばして何層にも重ねて作り出した、手間も掛かったけど手を掛けただけしっかりと機能してくれている、今後は実弾を飛ばせるように改造していくつもり、この世界には魔法を無効化する魔物や場所が存在するとマーチが教えてくれた、実弾も色々作ってみたい。


 頭の中のイメージがある間に馬車を作ろうと思う、靴のソールに使ったスライム素材でタイヤを作りホイールはオリハルコンを気持ちまぜてガッチガチの仕様に、ベアリングも車軸とタイヤ部分に組み込み車重の割にスムーズに動くようにする、一応重さ軽減の魔法陣も組み込んであるしその他魔法陣で出来ることは全て搭載した。


 サスペンションはバネにしようか迷ったけど板サスにしたよ、真似してもらうこと前提に作っているから構造は簡単な方がいい、その代わり車内は快適に過ごしたいから座席にはこだわった、リクライニングするキャプテンシートにして車中泊可能、魔石を使った冷暖房を取り付け換気扇を付けた、魔石コンロや蛇口等前世のキャンピングカーをイメージして作ってみた。


 ブレーキは御者席に二つ、フットブレーキとハンドブレーキ、乗用車と同じように前後輪分けた、色々詰め込んだせいか魔石の燃費が悪いのが欠点、クズ魔石十個使って一日もつかどうかで、最悪私の魔力を使えるように魔力回路の入口をを車内にも繋いだ、ここまでやっても多分改善点は出てくるんだろうな。


 馬車を組み上げているとマーチからタイムアウトの号令、あと十日あれば組み上がるのにちょっと残念、作業を中断してシャワーを浴びて仮眠を取る。

 

『お姉ちゃん時間だよ~』


 今回もメイちゃんに起こしてもらってスッキリお目覚め、メイちゃんからなんか出てるのかな、すっごく目覚めが良い、さすがうちの天使ちゃん最高だわ。


「おはようメイちゃん、さて今日も頑張りますか!」


 工房からテントに飛んで外に出た、メルティが焚き火にあたって暖を取ってる、明け方寒いもんね、すぐに私は温かいお茶の入った水筒を手渡した。


「今使ってるの回収しとくよ、こっちあげるから使ってね、中には温かい紅茶入ってるから」


「ありがとう~寒かった~」


 すぐに蓋を開けてコポコポと注いで口に流し込んでいた。


「はぁ暖まる、あの後すぐ寝ちゃってびっくりした、いつもは眠れないのに、寝酒って便利ね」


「あんまり飲み過ぎは効かなくなるから程々にね。」


 下手すりゃアル中になっちゃう、アルコールって不思議、毎日飲んでると段々酔わなくなって行くんだから、慣れって怖い。


 朝食は相変わらずのメニュー、これは仕方ないね、自分達が旅する時は食事が楽しみになるようにしなきゃ。

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