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前世は大工女子の異世界生活  作者: 森林木林森
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おっ宝お宝~

 会議室に集合したメンバー、今からカタストロフダンジョンのドロップ品の鑑定をする事になった。


 回収係のネロがドロップ品を仕分けする、素材関係とアイテム類に分けて鑑定をする事にした。


 ネロのアイテムバッグが空になる頃、会議室の床一面にドロップ品がずらりと並んだ、その数100以上、同一種もあるので種類としてはその半分以下、魔石は大小構わず別にしているからカウントには入らない。


 カタストロフダンジョンでは魔物のエンカウントが多かった為、魔物関係の素材の方が圧倒的に多く、アイテム関係はたまたま見つけた宝箱とゲートキーパーからドロップした宝箱だけだ。


「んじゃまず少ないアイテム関係を先にやっちゃおうか」


 神眼先生をオンにして鑑定開始。


 ~煌めきの指輪~


 魔物達の注目を集め装着者から目が離せなくなる、魔力により効果のオンオフが可能で、オフの場合は美しい指輪。


「これはタンク職に良いわね、ヘイトを集めるって時にオンにすれば魔物が注目するみたい、ネロとジューンに1つずつ、後は売るか状況判断次第だけどマーチに予備を持たせるのが良いかも、素早さのあるメイちゃんが着けても良いかもね。」


 ~パワーベルト~


 装着者のパワーを3割上昇させる。


「前衛用ねベルトだからオクトかしら、マーチのパワーを補うって目的で着けても良いかもね」


 ~反射の腕輪~


 使用回数10回まで魔法を跳ね返す、ただし回復魔法、補助魔法も跳ね返すので注意が必要。


「これは使い所を迷うわね、多分戦闘よりも要人なんかに着けさせるのが良いかも知れないわ、実戦向きじゃないもの、5個もあるから誰か有力者……ここで言ったら王様辺りに献上するか」


 ~魅惑の髪飾り~


 装着者の敵対者に一定時間幻覚を見せる、幻覚を見ている間は身動きが取れない、瀕死のダメージを受けても時間内は正気に戻らない。


「怖いわねこれ、敵対者だから私の作る害意感知みたいな物かしら、欲しい人いる?発動条件が書いてないから常に発動してるのかも、着けるならジューンかしらね」


 ~万毒の刃~


 この刃で傷を付けると回避不能の毒によりダメージを与える、毒無効に対しても有効な毒を選び必ず毒に犯される、ただし使用者には無効であり、安心安全に毒ライフをおくれる。


「毒ライフって……ってかこれで傷つけられたら私でも毒状態になるみたい、めちゃくちゃ厄介じゃない?誰が持つ?私はレーラに持たせたらその突出したスピードで先制出来るんじゃないかと思うけど、どうかな?」


 ~テンカウント~


 装着者の打撃数をカウントして、10回目の攻撃にそれまでのダメージを上乗せする、単体にしか有効では無いが、打撃カウントは常にしており、別個体に10回目のダメージをぶつける事も可能。


「腕輪かしら、これはもうマインかオクトね、私はマインの方が良いかなって思う、簡単に言うと10回目の攻撃が必ずクリティカルになるんでしょ?なら一撃の重いオクトより、手数勝負のマインの方が発動回数も多いから戦闘もしやすくなるはず。」


 ~イージスの盾~


 神話時代の伝説の盾、神の一撃すら防いだと言われる、装着者に様々バフを与え、その中でもオートリジェネは強力で常に体力を回復する、魔法耐性がそれほど高く無いが物理最強の盾。


「これはジューンね、最前線にいるジューンに使ってもらうのが良いと思う、今ジューンが使っている大盾をネロが使う感じにして、これはジューンが持つってどうかな」


 ~一閃~


 かつて勇者マーチ・ライカストが使った名剣、切れ味が凄まじく、その斬撃は風の刃すら生み出す、祖の魔王ジューン・カタストロフとの戦いでその行方が不明になった。


「あ~これはマーチかな、いやマーチだな、見覚えある?ジューンとジュライがめっちゃ嫌な顔してるじゃん、2人ともマーチに渡して良いかな?」


 アイテム関係は以上かな、後半ヤバいのが続けて出たけど、まぁ上手く分配出来たんじゃないかな。


「マーチよ、妾にソレを向けるでないぞ忌々しい、どれだけソレに手こずった事か、ジューンよ叩き折ってしまえ!その刃で傷つけられた痛み、今でも鮮明に蘇ってくるわ!」


「何言ってんのさ、ジューンが持つその盾は元々ジュライが持ってた物じゃないか、どおりで何度もボクの攻撃を軽く防ぐ訳だよね、しかも体力回復なんて付いてるんだから反則だよ。」


「え!?イージスの盾ってジュライが持ち主だったの?」


 イージスの盾はジュライが魔王時代に使っていた盾で、実際に神の一撃を防いだと言っていた、一閃はマーチがその神から受け取った武器だった、所謂盾と矛みたいな感じらしい。


「そんな因縁のある物なら使うのやめる?」


「それは嫌よ、私の身体の一部みたいな物だったのだから、今はマーチとも仲間だし、それがこちら側にあるならこの上ないくらい頼もしいわ」


「そうだね、ジュライの盾を貫いたと思ったら折れたんだけど、今こうやって復活した剣を見ると色々感慨深いよ、幾つもの戦いを共にして来た相棒だからね」


 ジュライはまだフーフー言ってる、まぁ自分を傷つけた因縁のある物だからそうなるわな。


 素材関係も鑑定したがそれほど目立って突出した物は無かった、次はマイン達が量産した宝箱の中身だ、こっちはマーチが回収していたので取り出した。


 数は7でアイテムが3つ、属性魔石が2つ、そのうちの1つは珍しい雷属性魔石、滅多に出ない物らしい、その他は門番だったイービルタイガーの毛皮と大きな牙だった。


 私はアイテムの鑑定に入る。


 ~雷撃の杖~


 所持者は属性関係なく雷撃を放つ事が出来る、クールタイムがある為連発は出来ないがその威力は絶大、ダメージは勿論、雷撃を受けた者はしばらく動けない、クールタイムは90秒、受けた相手の行動不能時間も90秒。


「実質連発も可能って事よね?誰に持たせるのが正解かしら、ジュライの護身用に持たせても良いかもね、腰に杖のホルダー作ってあげるから、ジュライがこれを持っててよ。」


 ~真実のベル~


 このベルの前ではいかなる嘘もつけない、このベルがなると嘘と判断され、嘘をついた本人はその音により真実を話し始める。


「ヤバいのが出たわね、異世界版嘘発見器じゃないのよ、自白付きとか犯罪者にしたら悪夢でしかないわね、これは迷うわ~ちょっと保留ね。」


 ~召喚の指輪(イービルタイガー)


 属性関係なく幻獣イービルタイガーを呼び出す指輪、言葉を理解し非常に従順で主を最後まで護る、敵意、害意に敏感でそれ等をいち早く察知する。


「う~ん、マイン達があんまり強くないって言ってた気がするけど、どうなの?誰か知ってる?ダンジョンの65階層以降の魔物だからそこそことは思うけど……」


「イービルタイガーは闇属性の幻獣で、ボク達精霊からしたら簡単な相手だけど、普通の冒険者なら悪夢だね、街に出たら壊滅的なダメージだよ、強さだけならベヒモス以上かな、ただ本当に精霊との相性が悪すぎる、精霊のマイン達だから簡単に勝てたんだよ、ボクらには闇属性が効かないから。」


 確かに宝箱をポップする小部屋の門番なんだから強いよね、サーベルタイガーの上位版でしょ?私が自由にして良いなら教会の2人の切り札としてあげたいけど、もしくはメルティかな、ダンジョン攻略して行けば必ずピンチには出くわすだろうし、ペットにするならジュライが1番似合いそうね。


「ヨーコが持ってると良いわ、良い番猫になるから」


「番猫って、そりゃぁ戦闘に関してはみんなよりまだ弱いけど」


「ボクもその方が良いかな、多分それ初回特典だから、かなり珍しい品だと思う、それに多数の敵に襲われた時には心強い味方になるはずだよ」


 過保護過ぎじゃない?まぁチャミーに食いつかなきゃ別にいいけど、モフモフはちょっと苦手なのよね……この時の私は甘かったと後で反省する。


「んじゃ私からも、ちょっと武器を作ったんだけど、90階層から狭くなるって聞いたからさ」


 オクト、ジューン、メイちゃん、の分は出した、マーチは新しい相棒が手に入ったからさ


「ヨーコ?ボクには?」


「いや、マーチの分も作ったけどそれがあるじゃない?」


「これはこれ、それはそれだよ、寂しいじゃないか、ヨーコの1番はボクなんだよ?」


「わかったわかったよ、はいコレ」


 泣きそうな顔すんなよ、男だろ?


「ヨーコ!これ良いな、長さもいい!俺の魔力がよく馴染む、これ魔剣か?よーし俺色に染めてやるぜ!」


「お姉ちゃん、ナイフありがとう!メイこれで魔物シビビッてしちゃうね!」


 メイちゃん「シビビ」の所で自分まで痺れなくて良いのよ?可愛いなぁ本当に。


「ヨーコ、これは反則だわ、私を蛮族にしたいのね?喜んでなるわ~ダンジョンだから素材気にしなくて良いんだものね、ヨーコの作る武器は独創性があって良いわね、使っていて楽しいもの」


 ジューン!蛮族になっても良いけど、サイコパスにはならないでよ?


「へぇ、これはあまり見た事のない形だね、素材はオクトと一緒なんだ、どう育てようかな~」


「それは投擲武器としても使えるからその辺も考えて育ててみて」


「なるほど、確かに重心が先の方にあるから投げやすそうだね、うん、参考にするよ」


 それぞれが自分の武器やアイテムを確認している、ネロとマイン達には新しい洋服とか作ってあげると約束した、カタストロフダンジョンで魔物の皮が結構ドロップしたから、新しいブーツとか小物も作ろう、オクトあたりは結構ブーツが傷んで来てるし。


「さて、問題はこのアイテム2つね、反射の腕輪に真実のベル、反射の腕輪は王族に献上してもいいけど、真実のベルは扱いに困るわね、もし私の事を聞かれたら全部話さなきゃならなくなるし、もうこの際だから異世界人って喋ったとしても、マーチ達も質問されたら正体バレちゃうし弱ったなぁ」


「ボク達はバレても平気だけど、ヨーコは面倒かもね」


「そんなものヨーコが出さなければ良いでは無いか、馬鹿正直に全てをさらけ出すのが正解とは言えんじゃろ」


 確かにアイテムバッグの肥やしにするなら問題ないか、うん、私達が必要な時に取り出して使えばいっか。


「ダンジョンの宝箱はガトーとボク達で分ける予定、鑑定できるけどしてないから、こういうのは平等にしなきゃいけないでしょ、とりあえず8個くらいアイテムがあるから鑑定する時は呼ぶね」


「役立つ物があるかも知れないじゃない、今からガトー呼びに行く?まだ起きてるでしょ?」


「まぁ起きてるとは思うけど、ガトーが迷惑じゃなきゃそうしようか、オクト一緒に呼びに行こうか」


 マーチとオクトがガトーを呼びに向かった。


 しばらくして、ガトーとドム、メルティまで来た、ネロがお茶を準備しに席を外す。


「嬢ちゃん夜分に悪ぃな、コイツらも興味があるみてぇでよ、大丈夫か?」


「大丈夫よ、こっちから気になって呼びに行かせたんだもの、逆に遅くにごめんね」


 それで始まりましたお宝鑑定大会、取り出したのは宝箱に入っていたもの、魔石や素材はこちらに譲ってくれたけど魔石はお金になるから半分に分ける。


 ~眠りの杖~


 魔力を込めて振ると相手を眠らせる、レイス、ゾンビ系には効かないが、場合によってはゲートキーパーですら眠らせる事が出来る、込めた魔力量によりその効果は幅広い。


「優秀なアイテムだとは思うけど、この込めた魔力次第なのは微妙ね、使い過ぎていざと言う時魔力切れじゃ仕方ないもの。」


 ~太陽の指輪~


 暗い場所でも太陽の様な明かりを照らす、照らす範囲はダンジョンならワンフロア、屋外だと疑似太陽が出現し熱も出る、屋外の範囲は狭く半径1キロ。


「これは使えるわね、と言ってもダンジョン内だけでしょうけど、豪雪地帯とかなら別の用途にも使えるかな、基本ダンジョン用ね」


 ~死霊王(リッチー)のオーブ~


 使用する魔力によるが最大で2000体の死霊を召喚できる、一定時間で死霊は消滅するが意思疎通が出来るため強力な軍勢となる。


「これ強いけどどうなんだろ、一定時間がどれくらいかよね、戦争とかなら強力かもだけどダンジョンでどこまで?って感じね」


 ~復活の指輪~


 死んだ者を1度だけ30日復活させる、この時は思考その他生前と同じになる、クールタイムは500日、別の者であれば使用可能。


「また厄介なのが出てきたわね、これは王族行きかな、突然死とかの時に使ったり、わけも分からず死んだ場合、自分の死に対して準備するとか、あとは跡取りの居ない人が子作りするとか?生前と同じなら出来るよね?」


 ~ガンダルフの弓~


 英雄ガンダルフの使用した弓、敵の急所に百発百中で当たる、弓の才能が無くても使用可能。


「これは使えるわ、後衛向きかしら、ガンダルフさんの事は知らないけど余程腕が良かったんでしょうね」


 ~隠者の書、中層~


 50階層~100階層までの魔物を記した書。


「前もなんか出たよね、確かホーク殿下にあげたんだよね、一冊目だから保管しておく?」


 ~採掘王のピッケル~


 どれだけ硬い岩盤も砂を掘るように採掘出来る、希少鉱石等に反応し掘り当てるナビゲーション付き。


「便利そうね、ナビゲーションの精度が気になるけど、ダンジョンの壁も掘れるのかしら、まぁ希少鉱石はお金になるし、自分達で装備を作る時にも役立ちそう、ドワーフとかなら喉から手が出るほど欲しい名品ね」


 ~流水の短剣~


 綺麗な水を大量に作り出す、1度の使用で樽10個分まで可能、遊牧民や旅人の必須アイテム。


「これは便利ね、ダンジョン内でも水を持ち歩かないで済むのは助かるはず、その分食料やポーションなんかを持てるから、長期滞在にも平気ね」


 アイテムに関しては以上かな。


「配分はどうするの?半々?」


「いや、何言ってんだ、俺しか一緒に潜ってねぇんだ、そんな配分あるかよ、俺たちが貰えるのは精々1つだ」


 1つか、それはちょっとなぁ


「んじゃ真っ先に欲しいものを選びなよ、ボク達はそれに関して一切文句も何も言わない、それでどうかな?」


「良いのか?俺ぁキャリーしてもらってる様なもんなんだぞ?」


「何言ってんだ、俺はガトーが横に居るから安心して前衛張ってんだ、ジューンにしたってそうだ、俺たちはガトーがいてくれっから機能してんだ、だから遠慮すんな!」


 ガトー大好きだもんねオクトは、私もそう思ってるよ、ガトーが居るから上手く行ってるって。


「わかった!ありがたくその権利をもらう、ちょっと話し合っても良いか?」


「大丈夫よ、今お茶のオカワリと……お酒にしようか、ナッツ類でも出して、うん、そうしよう。」


 お茶の準備をしていたネロがちょっとカクッとなった、ごめーん。


「マイン、レーラは大丈夫だからお風呂入っちゃいなよ、ネロもそれ出したら後は平気だから、自分の事しちゃいなさい」


 軽~く晩酌をしながら私もアイテムを見る、見るのは一択なんだけど、隠者の書だけ、これ面白いんだよね、結構詳しく書かれてて、ワイン飲みながら読書も嫌いじゃない。


「よしっ!決まったぜ!俺たちが貰うのは流水の短剣だ、水はどうしようもねぇからな、ジューンみてぇに水魔法に秀でたメンツがいる訳じゃねぇし、水が嵩張るのは言わずと知れた事、それがこの短剣で済むなら俺たちには最良だ。」


「うん、ボクもそう思うよ、水が切れたら引き返さないと行けないからね、良い考えだと思う、因みに何と悩んだ?」


 マーチがそんな質問した。


「ガンダルフの弓だ、英雄ガンダルフって獣人なんだよ、狩人のクセにめちゃくちゃ強かったらしい、ずっとずーっと昔の話だけどな」


「ヨーコ、弓はウチで誰が使う?」


 あ、コイツら私になんか言わせようとしてんな……。


「弓使える人居ないからそれもガトーが引き取ってよ、ウチにあっても宝の持ち腐れだし、ガトー達ならほらディレイさんとかなら使えるんじゃない?メルティはダメ、何となくフレンドリーファイアしそうだから」


「私フレンドリーファイアしないも…はず!ヨーコの意地悪なんだ~良いもん練習するもんフレンドリーファイアの」


 ブフッ……ワイン吹き出したわ!いやそれ練習すんな!フレンドリーファイアの意味わかってんの?本当にウケる。


「と言うことで、ウチのヨーコ姫様が弓の引き取りをガトーにお願いしてるんだけど頼めるかな?」


「ったくお前らは~わかった!有難く使わせてもらう!本当にあんがとな嬢ちゃん、このお礼は必ずするからよっ!」


 自分のアイテムポーチに弓と短剣をしまいこみ、ガトー達はクランハウスに帰って行った。


「マーチわざと言わせたでしょ!なーにがヨーコ姫様よ全くもう、それより厄介なのが入ってたわね、何よ復活の指輪って、厄介の塊じゃない」


「そういうのは政で使えるから王様に献上したら良いよ、ああいう世界は足の引っ張り合いだから、切り札として使えるはずさ、お友達に相談してみなよ、多分同じ事言うから」


 エリックに相談するか、厄介の種はあの人に任せとけば何とかするでしょ。


「思い出したぞ!ガンダルフとはマーチ貴様の仲間では無かったか?」


「そうだね、一緒にカタストロフダンジョンに潜ってくれた数少ない仲間だね」


「ちょっと!マーチそんな大切な物あげちゃって良かったの?」


 友達かどうかは知らないけど仲間の武器をあんなに簡単に、頭イカれたたのかな?


「ガンダルフがね、ボクに言ってたのさ、自分は獣人のために生き獣人の為に死ぬってね、それなのにカタストロフダンジョンの帰りに死んじゃったんだよ、ボクとジューンが相討ちになった後、ボクの亡骸を帝国に持って行くって言うガンダルフと聖国、今の聖皇国の勇者って名前の詐欺師が対立しちゃってね、ガンダルフは殺されたのさ、それを見た他の仲間に勇者は殺されたけど、ボクはそれを風の神様から聞いたんだ、ボクに出来ることは英雄ガンダルフを知っていたガトーに、その形見を使ってもらうのが彼への恩返しになるんじゃないかと思っただけだよ、それにしてもよく覚えてたねジュライ」


「当たり前じゃ、彼奴の矢は必ず妾の急所を狙って来た、お主と相討ちになったのも彼奴の矢が妾の視界を奪ったからじゃ、お主1人になんぞ妾が遅れをとる訳なかろう」


 ジュライの物言いがマーチが一閃を手に入れてから辛辣、それだけ嫌な思い出なんだね。


「それは本当にその通りだね、あの時ガンダルフのあの一矢が無かったらボクは簡単にやられてただろうね」


「殺らんわ、精々ダンジョンの外に放り投げて終いじゃ、妾は情け深い魔王じゃからな、元々貴様らを殺すつもりなんぞなかったわ、勘違いするな、あの時も貴様が勝手に死んだのじゃ」


 人類が勝手に敵と定めていただけで、ジュライにしたらいい迷惑だったのね、ってか昔っからあの国はどうしようも無かったのがよく分かったわ。


「うわぁ~ボク無駄死にって事かい?」


「その通りじゃな、思えば貴様も良いように踊らされたのぅ」


「そうだね、ジュライそろそろ機嫌直してくれないかい?ボクは貴様呼ばわりされたくないよ」


「うむ、それは済まなかった、ちと熱くなった、悪かったマーチ」


 昔の事だからね、いつまでも思い返したって進歩はないのさ。


「んじゃお開きね~明日からのダンジョンで使えるのもあったみたいだし、私はこの厄介品をしまっておくね、あとこれ少し借りて良い?」


「隠者の書か?構わねぇよ、俺ももう一杯飲むかな」


 オクトと隠者の書を読みながら飲んでると、マーチ、ジュライ、ジューンにメイちゃんまで飲み始めた。


「明日大丈夫?みんな」


「へーきだよ~、ねっ!ジューン」


「そうね、男性陣に頑張ってもらうから平気よ」


 オクトがうへぇって顔してる、マーチも若干苦笑い。


「それなら安心ね!」


「そうじゃな、マーチはそれを持てば中々手強いのじゃ、まだまだ妾には勝てぬがのぅ」


「わからないよ?ボクだって成長してるんだからね、今は10回やったら1回は勝てるよ?」


 1回だけかよ、ジュライってそんなレベルなの?


「いや、今は妾の完敗じゃろう」


「そうね、もうジュライに戦いは不要だわ、好きな事をするのが1番貴女には似合ってる、代わりに私が頑張るわ」


 本当に仲良しなんだよなぁこの2人、お互い支え合ってる感があって、ちょっと羨ましい。


「うわぁ、ジューン相手なら絶対勝てないや、勝ち筋が見えないからね、リバーシなら良い勝負にはなるかも」


「あら、ならやってみる?」


 2人がリバーシを取り出した、それをオクトが羨ましそうに見ている。


「オクト、強くなったかメイが相手をしてあげる」


「よーし上等だぜ!吠え面かくなよメイ!」


 こっちでも始まった、ちょうどその頃ネロがお風呂から出てきた、肩にはチャミーが乗っている、一緒にお風呂に入ってたみたい。


「みんな真剣に何してるなり?」


「ゲームよ、チャミーも見てればルールがわかるわよ」


 チャミーはマーチの肩にちょこんと乗りリバーシを見ている。


「ほらヨーコ、グラスが空じゃぞ、もう少し飲めるか?」


「うん、もらうよ」


 ジュライと2人でチビチビやっていると、先に決着がついたのは予想通りオクトとメイちゃん、オクトは真っ白になった盤面を見て自分も真っ白になっていた。


「まだまだだねオクト、フッフ~ン!」


「くっそ~明日早く帰って来たらグランドマスターと勝負してくる」


「最弱決定戦って事?」


「ちょっ!ヨーコまでそんな事言うなよ~、そういやヨーコと勝負した事ねーなどうだ?今度」


 この世界での発案者に戦いを挑むかね?年季が違うのだよ年季が。


「グランドマスターに勝ったら勝負してあげるわ、フフッ」


 そして


「よしっ!やった!ジューンに勝てた!よぉ~しっ!」


 マーチが勝ったみたい、本気で嬉しそうね、負けたジューンはジュライにウインクしていた、あぁ~手を抜いたな。


「なんか悔しいわね、またやりましょマーチ」


「良いよ!やろう!」


 花を持たせる事も大切よね、これで仲良く出来るんだったらお安いもんね。


 みんなが満足して自室に戻って行った、さてここからが私の時間だ、読書も軽く終わったから少しずつピアノの部品でも作り始めるかな、多分本気になれば1度作っているから前回より早く終わるはず、明日は特に予定も無いはずだから、工房に籠っても迷惑はかけないだろう。


 作るものは明日の朝整理して、明後日は下着工房の引き渡しがある、午前中って言ってたから、それまでに出てくればいっか、あとアース様の像もドワーフ国に行く前に作っておかないと。


 あとメトロノームね、明日朝イチに教会行って図面貰ってくるか、それとコレ半ば強引に持たされたけど、イービルタイガーの召喚もやっとかないと、イザって時に使えないんじゃお話にならないし、今ちょっとやってみようかな。


「召喚イービルタイガー!」


 目の前の空間が歪み、中から黒い虎が出て来た、ちょっとかっこいいぞ?出て来たイービルタイガーは私の足元に来て頭を擦り付ける、触ってみたい衝動に駆られた私はその頭に触れてみた。


「アナタの毛ふわふわしてるのね、もっとゴワゴワしてるかと思ったわ、良い触り心地ね、でもちょっと大きいわ、小さくなれたら良いのに」


 私の言葉を理解したのか、前世の猫サイズになった、私はたまらず膝に抱えて全体を撫でる、毛も抜けない、変な獣臭もしない、オマケに可愛い、これダメなやつだ!戻す時どうやるんだろ。


「ねぇアナタを戻す時はどうするの?戻りなさいって命令すればいいの?」


 流石に理解できないのか首を斜めに傾けていた、ちくしょうソレも可愛い。


「戻す前に名前よね、真っ黒だしシャドウいや違うな、黒、ネコ、ヤマt違う!ん~男の子か女の子かわからないし、見せてもらうか……うん、わからん多分女の子だ、よし君の名はノアールにしよう、今日からよろしくノアール。」


 あれ?魔力が減らない、契約とかじゃないのか、指輪が媒体になってるから?まぁいっか。


「ノアールいらっしゃい、チャミーを紹介するから」


 ノアールを従えて自室に戻るとチャミーがベッドで程よいサイズになっていた。


「チャミー、起きてる?」


「起きてるなりよ?新しい仲間なりか?」


 ノアールがチャミーを見てちょっと怯えている、まぁ圧倒的な力量差があるからね。


「うん、彼女はノアール、召喚の指輪で呼び出した幻獣よ、元の名前はイービルタイガー、チャミーと一緒で小さくなって貰ってるの」


「幻獣なりか、ふむノアール、チャミーは上下関係はしないなり、仲良くするなりよ? 」


 チャミーに頭を擦り付けるノアール、1番の懸念点がクリア出来た。


「じゃぁノアール、今日は呼び出しに応じてくれてありがとう、戻って良いわ」


 そう言うとノアールの後ろの空間が歪みその中に入って行った。


 あれ?居なくなるとちょっと寂しいかも、あれれ?私そんなにモフモフ好きだったかな~なんだろ喪失感?あれれれ?おかしいぞ、なんか戻って行く後ろ姿がなんか……ダメだダメだ、今日は寝るんだから寝るよ!


 後ろ髪引かれる思いだったけど、そのままチャミーに抱き着き眠りについた。



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