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前世は大工女子の異世界生活  作者: 森林木林森
20/49

ドワーフ姐さんと呼ばないで。

 翌朝、いつも通りに目覚めた私はキッチン小屋に入り朝食の準備を始める、メイちゃんと今日は珍しくジューンが手伝ってくれて、一段落した頃マーチ達も起きてきた、昨日は遅くまでゲーム部屋に居たみたいだが大丈夫か?


 ガトー達が起きてくるまでネロの特製ハーブティーを淹れて待ってると、外から馬の蹄音、ディレイと数人が馬で入って来た。


「おはようございますっす、ちょっと早かったかも知れないっすけど増援連れて来たっす、今後の説明があるっすから皆さん集まってほしいっす。」


 メイちゃんにガトー達を起こして来るように言って、私はギルドの職員にお茶を配る、朝はまだ冷える、温かいお茶を身体に流し込み一息ついていた。


 ガトー達も起きてきたので、ミーティング小屋に入った、全員が座るのはキツイので、真ん中にテーブルを置いて囲む形で話をする。


 ディレイの話だとこの後ドワーフ250人の大職人団が来るらしい、何故か増えていたドワーフ達を動員出来たのは幸運だったとエリックが喜んでいたようだ、木材等は全く足りないため、他領から買い付けし持って来る、ドワーフ達は既に一部がこちらに向かっているんだと、まぁいつものアイツらだろう。


「グランドマスターが昼前に到着予定っすから、ダンジョンアタックはその後っすね、彼らは右から「オルテッガ」「マーシュ」「ガイアー」っす、王都のギルドでグランドマスターの下に居た人なんで仕事はバッチリっすよ。」


 なーんか聞いた事ある気がする名前だ、服装も黒一色で悪人面……思い出した、確か昔見たロボットアニメに出てきたキャラ「黒い三年生」の名前にソックリだ。


 一先ず挨拶を済ませて朝食をとり施設案内、驚きの声は上がるが構ってらんないので割愛、使い方の説明と男女別れているので、絶対に間違えないように釘を刺す、ラッキースケベ撲滅委員の私。


 その後、城壁に登ったり、監視塔内を案内したり、地下のギルド出張所予定地では入念にチェックを入れていた。


「これなら予定より早くダンジョンに冒険者を呼べそうです。」

「あの照明は地下全てに設置予定ですか?」

「あの地下フロアの穴は一体……」


 その辺の説明はディレイに全て丸投げをした、同じ事を何度も説明したくない。


 ダンジョンアタックに向けて各自装備品や、アイテムのチェックをしていると大統領と別の馬車が入って来た。


「グランドマスターと領主様っすね」


「エリックも来たの?あの人忙しいはずなのに。」


 2台の馬車は外壁を見て回ってからこちらにやって来た、エリックともう1人、熊なのかと間違う程の大男が降りてきて私達を見る。


「エレメント、灰色の剣、私はギルドのグランドマスターのクワットローだ、色々詮索するなとラルク様に言われているから聞かんが、短時間でここまでよく仕上げてくれた、感謝する。」


「今からダンジョンか?無理をせぬ様にな、グランドマスターへの説明は私がやっておこう、気をつけてな。」


 熊男じゃなくてクワットローさんとの顔合わせも終わり、説明はエリックがしてくれる、後はダンジョンに行くだけだ。


「ディレイさん、私達がダンジョンにいる間にドワーフ達が来たらこれを渡してください、ヨーコからの宿題って言えばわかりますので、一応宿屋とホテルの図面です、宿屋は木造2階建て、ホテルは鉄筋コンクリートの4階建てにしてあります、使用する素材と配合方法も詳しく書いてあるので、ドワーフならわかると思います。」


「うわぁ、責任重大っすね、わかりました、渡しておくっす。」


 鉄筋コンクリート造りはまだこの世界に無い、煉瓦造りでも良いけど、あの積み方だといつか事故る、コンクリートの材料は比較的安価で代用出来る素材があったので、新たな知識として教えておく、後は応用して色んな物を作るだろうし。


「ヨーコ、それはその……平気なやつなのだな?」


「平気の意味がわからないけど、大丈夫よ。」


 エリックの質問を軽くあしらい装備品を装着した。


「領主様、グランドマスター、それでは行ってまいります。」


 ダンジョンアタックの開始だ。


「今日は5階層から入る、昨日のおさらいを兼ねて、基本配置は初日と同じで行くがジューンとガトーを入れ替える、ガトーもそれ早く使ってみたいだろ?」


 オクトがガトーの腰の剣を指差して笑うと


「やっぱわかるか?あぁ早く試してぇ!」


 ガトーも笑って返す、良いコンビよねこの2人。


 今回5階層~10階層までは最短で進む、ゲートキーパーを撃破して昨日不参加組も10階層までは転移出来るようになった。


「8階の宝箱リポップしてなかったね、宝箱って復活するの?」


「リポップはするよ、一定期間過ぎたら同じフロアの別の場所に、中身も変わるし罠が無かった宝箱に罠が付いたりもする、最初は比較的良い物が出るから、このフロアからは宝箱も取って行こう。」


 昨日の話では魔物は徘徊型と固定型がいて、固定型はマッピングに記載される所から動かないが、徘徊型は場所がコロコロ変わるそうだ、特徴として固定型は何かを護っていたり、単に動かない植物系だそうで、必ず固定型の魔物は倒した方が良いとマーチが言っていた。


 ちょいちょいエンカウントする魔物をサクサク倒し、小部屋の前にいる固定型の魔物を倒しに行く事にした。


「小部屋に何かあるかもね、初回特典で良い物なら良いなぁ。」


 マーチが楽しみにしている様だ、私もGUNを握りしめ向かう。


「コイツは厄介だ、しかも2匹いる」


 ガトーの声の先にはライオネルとサーベルタイガーという魔物がいた、ライオネルは魔法攻撃無効持ち、一方サーベルタイガーは物理攻撃無効を持っている、2匹共にスピードがあり、弱点属性が無い。


「あはっ!歓迎されてるねダンジョンに、この子達ゲートキーパーでもおかしくないのに、ボクらはラッキーだよ。」


 マーチが笑いながら前に出る、意外と好戦的なのよねあの子、そして始まるバトル。


「マーチ待ちなさい、後ろからも何か来たわ、グール6体、私とメイが後ろをやるから前よろしく。」


 挟み撃ちかよ、私とメルティとドムがサーベルタイガー、ガトー、マーチ、オクトがライオネルに別れた。


「ヨーコ牽制するよっ!左に誘導するから!」


 メルティが指示を出してすぐファイヤボールとフレイムロッドからファイヤアローが放たれた、しかしヒラリと躱すサーベルタイガー、私は着地点を狙って撃つが空中でサーベルタイガーの方向が代わりこちらに突進、それをドムが魔法盾で防ぐ、下がった所にメルティのファイヤボール。


 直撃したかに思えたけど、サーベルタイガーにさほどダメージは通っていない、ヤバい私が足を引っ張ってる、私はGUNのモードを連射に切り替える。


「メルティ今度は私が誘導するからデカいのお願い。」


「了解だよ!」


 サーベルタイガーの足元に数発連射、タップダンスの様にそれを躱すサーベルタイガー、段々とその身体を左側に寄せていく。


「離れてっ!フレイムバースト!!」


 メルティの声に後ろに飛んだ私、その脇を赤黒い閃光が走る。


「やったか!」


 メルティそれフラグゥゥ!当たっていたけどまだ動いている、私はGUNを構えた。


「アースニードル」


 その声が聞こえた瞬間無数の巨大な土の針が下から飛び出す、流石のサーベルタイガーも呆気なく串刺しにされ粒子となって消えた。


「「メイちゃん!ありがとう!」」


 私達がメイちゃんに駆け寄ると同時に、マーチがライオネルの首筋に槍を突き刺しあちらも終了。


「ごめん、ちょっと焦った、あんなに速いなんて」


「本当!全部避けられたよ、私の魔法、ってかメイちゃんの魔法えっぐいね!あれじゃ避けらんないよ」


「お姉ちゃん達が弱らせたからだよ、当たって良かった、グールはジューンが1人でゴツンしてるから暇だったし。」


 暇だったであの魔法、凄まじい威力だった、ジューンは普通に魔石拾ってるし、これは私のレベルアップが課題だな。


「お疲れさん、中々楽しめたな、魔石とドロップ品の毛皮と牙だ、ライオネルは魔石しか落とさなかったな」


 オクトの手には魔石と毛皮と立派な牙が2本、毛皮はあれだ、金持ちの家にある大の字した虎の毛皮だ。


「んじゃ小部屋を覗いてみっか」


 私達が小部屋に入ると宝箱が3つ。


「3個もあるよ!やったぁ!」


 宝箱を見てはしゃぐメルティ、メイちゃんとマーチが宝箱罠をチェックする。


「罠は無いね、安全だよ。」


 既にメルティが真ん中の宝箱の前にしゃがんでスタンバイ、マーチとガトーが残りを開けた。


 神眼先生お願いします。


「まずマーチのが「風纏の外套」中々凄いわよ、外套の周りに風の障壁を作り一定の温度に保つ、防御力とスピードもアップするみたい、毒攻撃や遠距離からの矢なんかは防いでくれるみたい、でも魔法攻撃には耐性がないのね。」


「メルティのは「聖人の盾」装備すると聖属性の盾がオートで展開するみたいよ、物理防御に加えてレイスやリッチー、ゾンビ系なんかには特効武器としても使えるみたいで、聖属性の盾に触れただけで浄化しちゃうらしいわ。」


「ガトーのは「氷結の牙」氷属性のついた短剣ね、振るだけで一定範囲を氷漬けにするのと、氷をどこでも作り出せるみたい、あとは火属性の魔法攻撃無効だって、これも当たりね!」


 話し合いの結果「風纏の外套」をガトーが、「聖人の盾」をドムが、「氷結の牙」を私が貰う事になった。


 その後も順調にダンジョンアタックは進み、15階層のゲートキーパー戦となった、ゲートキーパーはゴブリンロード2体とゴブリンキング、何故かさっきのライオネルやサーベルタイガーよりも戦いやすかった、属性無効とかがないだけでこんなに違うとは、結果楽勝だった。


 今日はこのまま20階層のゲートキーパー戦まで行く事になった、16階層からはスケルトンナイトやレッサーデーモン、レイスやゾンビ系系がメインでドムが大活躍、歩く傍から魔石がポロポロ落ちていく、多分あそこで「聖人の盾」が出たのはこれを意味していたのだろう。


 20階層のゲートキーパーはリッチー、多彩な魔法攻撃とスケルトンやゾンビ等を召喚する厄介な敵なのだが、ドムが前に出たら「ジュッ」と音を立てて消えた、不憫で仕方ない。


 ドムは上機嫌で、ずっとここで無双していたいとか言い出すし、最近活躍してないもんね、地味キャラだったから嬉しさもわかる。


 ドロップ品は魔力アップの指輪と即死魔法無効のアミュレット人数分、強力なアイテムじゃないけど、あればとても便利なアイテムだった。


「帰る前に21階層を少し覗いてみるか」


 オクトが私達に言って来たので、軽く覗きに行った。


「うおっ!これダンジョンか?ダンジョンの中だよな?」


 ガトーが驚きの声を上げた。私達の目の前には森が広がっていて、空もあり、上空には鳥型の魔物が旋回している、マッピングによれば至る所に宝箱があるが、マーチ曰く半分以上罠の可能性があると言っていた。


「んじゃ戻ろっか、また準備を整えて明日潜ろう。」


 全員で地上に戻る事にした。


 ダンジョンの入り口に着くと、フロアの方から何かを叩く音、多分ドワーフ達が着いたのだろう、フロアの明かりも見えるから照明の取り付けも終わっているようだ。


「うわっ、むっさ苦しいわ~」


 見渡す限りドワーフ、まじでキツイでもみんな真剣だ、既にギルドのメインカウンターや買取りカウンター、カウンター裏の個室の棚まで出来上がっている、仕事が早えな、なんか私もウズウズして来た。


「おいっ!やっと来たヨーコ神様じゃっ!」

「ヨーコ神様じゃ!来たやっとおいっ!」


 おいおいうるせえなぁ、その声の後一斉に作業の音が止まり、ドワーフ全員集まって来た。


「おいっ!ヨーコ神様!俺達ヴィラーの子はヨーコ神様の為に働く、作る、飲む!」


 ドワーフ全員が手に持った槌を胸に頭を下げる。


「ドワーフの最上級の礼だ、ヨーコの言葉を待ってる。」


 えぇぇ~なんだよ、なんか言わなきゃ行けないのかよ、ん~仕方ない。


「皆、顔を上げて、私はヨーコ、同じヴィラー様を尊敬する者として言います、学びなさい、挑戦しなさい、失敗しても成功は離れない、必ず近付いて来る、真似る事は恥じゃない、自分の物にするくらい貪欲になれ、過去を語るな未来を語れ、創り出せ新しい物を、搾り出せ次に繋がるアイデアを、絶対に途中で諦めちゃダメ、最後までやり遂げた自分を誇りなさい、私は貴方達の可能性を信じてます、仕事が終わったらみんなで美味いお酒を飲みましょう。」


「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」


 ダンジョン内に雄叫びが響き渡る、そして全員が駆け足で作業に戻る、彼等の雄叫びは私の心をギュッと鷲掴みにした、何かを作りたい、そんな衝動に駆られた。


「ねぇヨーコはドワーフの身内とか神様なの?」

「違うっ!」


 メルティの質問に即答で否定する、ヤダよもう「ドワーフ姐さん」とか呼ばれたくない!!


 地上に出ると、既に配管が至る所に張り巡らされていた、数人のドワーフが漏れや割れがないかチェックしている。


 この配管は全て地下1メートル位の場所に埋められ、そこから地上に配管を出し上水道として使い、ティンダーと一緒で、道の脇に側溝を作りダストスライムを置く。


 エリックと話し合いで決めた事、ダンジョン街として機能させるのを優先したので下水道工事は無しにした。


 私は馬車に忘れ物したと言って馬車から工房に飛び込む、片っ端から私が作ったエールやワインの樽をリュックにぶち込む、本当はもっと寝かせたかったウイスキーやブランデーの樽も次々とぶち込んだ、これだけの量を持って行っても10日も持たないだろう、それでも無いよりはマシ。


 凡そ100樽分を持ち出し馬車に戻り何気ない顔で皆の所へ向かった。


 皆の所にはグランドマスターがいて、ダンジョン内の状況や、21階層の様子等を説明していた、グランドマスターの見解では、一般的な冒険者は20階層までがギリギリだろうと、それとは別に攻略パーティーとして、腕利きの冒険者を集める予定の様だ。


「赤のルビー公爵も非常に興味を示していた、攻略よりは軍の訓練の場として使いたいそうだ、お前らの話しを聞くと軍は21階層~25階層のフィールドエリアの方が良さそうだな。」


「発言を」


 マーチが手を挙げ許可をもらおうとしている。


「エレメントの槍使いなんだ?」


「はい、まだハッキリ言えませんが、21階層からダンジョンの雰囲気がガラッと変わります、魔物に加え大型の魔獣等も出るでしょう、訓練と言うにはあまりに危険かと。」


「それはわかっている、間違いなく人死も出るだろう、だが軍にもやらねばならん理由があるのだ、この国の北側に魔族領があるのは知っているな?」


 北の森を抜け黒き森「魔境」を抜けた先に魔族領があり、その最奥に魔王が居ると言われている。


「最近魔族領の動きが盛んになって来てな、ジワジワと王国領に近付いて来ているらしい、北側には帝国とエマール国がある」


「エマールは獣人の国で俺の故郷だ。」


 ガトーがボソッと呟く。


「エマールの民は身体能力が高く勇敢だ、そう簡単に攻められる事は無いだろう、だが西の大森林で魔族の目撃情報が多発しており、魔族の狙いが王国だった場合西を守るルビー公爵からしたら、対魔物、対魔獣を少しでも多く経験しておきたいのだろう。」


 確かに初見殺しなんてのもいるし、経験は糧になるからなぁ。


「エレメントの槍使いが心配するのもわかるが、目的あっての事だ、冒険者の領分を横取りするような事じゃねぇ、安心してくれ、お前らには迷惑は絶対にかけさせねぇ。」


「ありがとうございます」


「ところでお前ら、ドワーフに何言った?アイツら人の言う事一切聞かねぇで、なんか紙を見て納得して作業してんだが、いや、別に責めてる訳じゃねぇんだ、ちょっと気になってな。」


 皆が私を見る、こっち見んな!


「なんだエレメントのヨーコになんかあんのか?」


「何も無いですよ、ただ彼等が知らなかった事を教えただけです、特に何かした訳じゃないんです。」


「あ~領主様から聞いてる、エレメントは帝国の出だってな、んじゃドワーフ達は帝国の技術を学んでるのか?」


「グランドマスター、それは少し違います、帝国の技術を見てヨーコが手を加えた物ですので、帝国の技術よりも数段上です、この街に来て気付いたとは思われますが、全てヨーコの知識です。」


「領主様の言っていた、帝国の内情や技術は話せない呪いってのは本当なんだな、だがアレンジした物はそれに該当しないと、なるほどなぁ、わかったぜ。」


 その後ドワーフ達が仕事を終えて地上に戻って来た、私はリュックから酒樽を30樽程出して彼等に渡した、ぞろぞろとドワーフが集まって来て質問大会が始まった、グランドマスターの所に居るよりこっちの方が楽チンだ。


 質問に応えていると、自然と酒盛りが始まる、彼等はしばらくテント泊なのでそこらじゅうにテントが張られていた、私が用意した酒の他にも荷馬車3台分は酒が積んであり、1人1樽の勢いで降ろされていく。


「せっかくだからヴィラー様の像も出しましょ、ティンダーよりだいぶ小さいけどね。」


 1メートルサイズのヴィラー様像、出した瞬間歓声が上がる、ドワーフの1人が言っていた、ドワーフ達がヴィラー様を彫ったり作ったりしてはいけないと、何度か挑戦したが何故か作れないとも言っていた。


 ヴィラー様像の前にも盃を置き並々と酒を注ぐ、中身はウイスキー、至る所で神酒(ソーマ)だと声が上がる。


「あれ?空になった、ヴィラー様居るの?おかわりどうぞ。」


 空になった盃にウイスキーを注ぐと、あら不思議またなくなった、私は面白くなり空になったら注ぐを繰り返していると、ドワーフ達が静かだ。


「ヴィラー様だおいっ!我らが神と一緒に酒を飲んでるぞおいっ!」

「神も喜んでらっしゃるぞおいっ!」


「ヴィラー様どう?私の作ったお酒、美味しい?」


『美味い!何より我が眷族(子供達)が喜んでいる、ヨーコよ感謝する、美味い酒の礼にこれをやろう。』


 パッと光ると私の膝の上にドワーフがよく使ってる槌があった。


「おいっ!ヴィラー様の神具じゃ!」

「神具じゃ!ヴィラー様のおいっ!」


 槌を手に取り軽く振った、すると


「うぉぉ!力が込み上げて来たぞおいっ!」


 あちこちからそんな声が聞こえる。


「ヴィラー様、これは私が持ってちゃダメだよ、ドワーフ達に預けるよ、これをシンボルとしてさ、その方がこれから先の世の役に立つよ。」


『ヨーコの好きにすると良い。』


「わかった、んじゃ最後にもう一杯だけ付き合ってね、ヴィラー様」


 空の盃にウイスキーを注いで乾杯する、ドワーフ達も天高く盃を掲げた。


「意外と神様って近くに居るんだなぁ」


 ヴィラー様の槌はドワーフの代表に渡した、地震でも起きたのか?って思うくらいガタガタ震えていたけど大丈夫かしら。


 その後もコンクリの説明や、鉄筋の数なんか色々質問されて楽しい時間が過ぎて行く。


 3時間くらい過ぎたかな、マーチが呼びに来たからドワーフ達のキャンプから離れた。


「ヴィラー様来てたね」


「そう、ビックリしたよ、マーチ達にも見えたの?」


「うん、見えたよ、それからライカ様から伝言「今度は私も呼んでって」寂しそうだったよ?」


「あはは、今度ねって言っといて。」


 戻って来たらメルティが「お風呂先にいただいたよ」って言って来たので私も風呂へ、途中のゲーム部屋ではグランドマスターとオクトがリバーシで低レベルの争いをしていた、ギルド職員達も新しく教えたポーカーをやってる、横に銀貨があるって事は賭けてるのか、私も風呂後に参加するかな、ジューンはポーカーを見ながらワインを飲んでる、似合うなぁ。


「あらメイちゃん待っててくれたの?」


「うん、今日はお姉ちゃんと入りたかったから」


 その後はメイちゃんとお風呂でキャッキャウフフしたよ、しっかし今日は焦ったなぁサーベルタイガー、多分あれが下層に行けば普通に出てくるんだろうな~対策しなきゃ。


 お風呂から出てゲーム部屋に行くと、勝ち誇ったオクトと真っ白な灰になってるグランドマスター、オクトに負けるとか相当ね、グランドマスターにブランデーをすすめると、真っ白な灰も血色を取り戻した。


 私もちょっと遊んでギルド職員達から大銀貨2枚稼いだぜ!あとはブラックジャックとか教えようかな~この後、リバーシとトランプを販売したいとグランドマスターから言われたから、持ってた50セットを渡し、生産は農村の冬仕事にでもしてくれたら嬉しいと言っておいたよ。


 翌朝、ドワーフのキャンプ中心になんか建っとる、何だあの立派な建物、あ、わかった神殿か、相変わらず仕事が早い、しかもちゃんと邪魔にならない所に建ててる偉いぞ、じゃなくて勝手に建てんな!


 でもちゃんと祈って、心の底からヴィラー様を尊敬し、敬っているのが伝わってくる。


 ドワーフ達を見ながら今日も朝食を作る、なぜかって?誰も作らないし作れないからだ。


 今日は朝から油っこい物が食べたくなったので、メニューはハンバーガー、文句は言わせない、私しか作らないなら私が食べたいものを作る、焦げ目をつけた分厚い丸ネギに、カリカリベーコンと魔牛のパテ、黄身までしっかり焼いた目玉焼きを乗せ自家製トマトソースとタップリチーズ、カロリー爆弾の出来上がり。


 流石に女性陣には1個、男性陣には2個にした、せっせと作る私、後ろでお皿を用意してくれてるメイちゃん、お茶を準備するジューン、付け合せにはピクルスとザワークラウト、ポテトは揚げる時間がないから、浄化済の卵を使ったマヨネーズとマッシュポテトにカリカリベーコンと丸ネギスライスをまぜたポテトサラダ、よしっ出来た。


「よう!いい匂いだな!」


 そうだグランドマスターもまだ居たんだ、追加で3つ作って出してやったよ。


「美味ぇな、食いごたえもあるし、これなんだ?なんて料理だ?」


「肉サンド、ハンバーガーとも呼べる。」


 グランドマスターの声で起きたのかゾロゾロとギルド職員とガトー達、パーティーメンバーもやって来た。


「あ、本当だ、美味いっすね、初めて食ったっす」


 ディレイが何か言いたそうにしていたので無言で1個追加、ガトーにも3個にした、美味い美味いとペロリと完食、朝からどういう胃袋してんだ?


 メルティもお替りが欲しそうにしている、仕方ないので私のをあげて新しく焼きましたよ、メルティ太るよ!


 さて私も1口……うんめぇ~久しぶりにハンバーガー食べた、パンはパサパサしてるけど肉汁が染み込んで丁度いい塩梅、口直しにピクルスをポリポリ、そしてバーガーをバクッ!たまんねぇ~最高かよ、ポテサラもネギのシャキシャキがアクセントになってて良い感じ。


「ヨーコ、めちゃくちゃ美味そうに食うよな、腹いっぺぇだけどもう1個行けそうな錯覚すら感じる。」


「もう作らないよ、私も食べてるんだから、作り方教えるから自分で作りなよ?」


 この時作ったハンバーガーが、後にリトルティンダーの名物料理になり、バーガーショップ「ドッムドム」が王国初のフランチャイズチェーンとして王国中に広がった、オーナーは誰かって?そりゃーこの中の誰かだよ、誰とは言わないけどね。




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