丸善京都
(短歌ハ首)
水のなか
からみあげてる太陽が
眩しすぎるし目を閉じ沈もう
京都には
レモンを置いてもよいという
洋書のお店がまだあるという嘘
涙なら
ずいぶん昔に棄てました
夢でも泣かないことにしている
夕焼けが
ミラーガラスを染めるころ
眩しさのなか寂しさを視る
あなたへの
想いを伝えてしまいたい
この雷鳴とどしゃ降りのなか
一歩二歩
進んで止まれ、クロックス
その優しさに、抱きつきたいけど
月の目が
ふたりを愛でてくれている
なんて気がする、晩夏真夜中
木の枝が
千切れんばかりの風が吹き
飛ばされそうなほどの、その愛