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初主演 中編 その二

日常系って人気無いですよね、でもハートウォーミーな話が好きなんです

仕事中、ふとした時に思いつくシチュエーションにストーリーとキャラクターを

肉付けして背景を描写する、この手法しか今のとこ持ち合わせていないのですが

なるべく山あり谷あり、読み味のある物語になるよう努力してます

温かい目で読んでいただければ幸いです。

 

「準備出来ました~」

 ここは居酒屋「かっちゃん」

 健太が辞してからもうすでに13年になる、あれからなんだかんだと色々あり

 結論から言うと、真二とミキが結婚し、真二は店長に、ミキは若女将に

 そして竜一は板長、清美は相談役(?)といった体制になった

 今はこうして店内に久しぶりに全員が顔を揃えている

 そこへ斎藤監督、小幡、風岡、そして何故か若道信彦も同席していた

 「では、今度の映画「誤認逮捕」の脚本完成と夢原健太くんの初主演

 記念会の開催を宣言します」

 何故か竜一の一言で会が取り仕切られていた

 本来なら大スターである斎藤監督や風岡なのだが、健太が度々ここへ共に

 足を運んでいる事から、小幡や若道も含め、すっかり顔なじみなのであった

 「すみませんね、竜一さんも真二さんも…」

 小幡や斎藤は恐縮するのだが

 「な~にを水くさい、健太を育てて下さっている大

  恩人方の頼みとあらば喜んで!」

 「そうですよ!それに閉店後ならオフレコの話もし

  やすいでしょう」

 閉店後に無理言って一席設けてもらったのに嫌な顔

 ひとつしない

 健太が店を辞めた後も「かっちゃん」の皆は健太に

 とても良くしてくれる

 「で、わざわざ監督が足を運んできたって事は

  それだけの話な訳だな?」

 竜一はさすがに健太とも小幡とも付き合いが長い

 だけあって察しているようだ

 「それについては私から説明しましょう」

 竜一の言葉を受けて斎藤が口を開いた

 「実は一本の映画の脚本を書き下ろしました」

 「…」

 「夢原くんと風岡さんをイメージしたダブル主人公

  の脚本です」

 「おお!?それはすごい!!」

 竜一はとても喜んだ反応だ、真二も手放しで喜んでいる

 「台本を見てくれたのならもう分かってると思うけど」

 斎藤は勿体ぶって健太の方を向きながら言った

 「ダブル主人公を謳ってはいるが主人公は夢原くんだ」

 ハッキリと監督の口から告げられ健太は姿勢を正した

 「ただね、かしこまった演技や気張った演技が欲しい

  訳じゃないんだ、いつもの君の演技、それが活きる

  台本を書いたつもりだ」

 健太はこの機会にずっと思っていた質問を口にした

 「斎藤監督は何故そこまでオレを評価してくれるんですか?」

 これは常々健太が思い描いていた素朴な疑問だった

 「いやいや、正当に評価した結果だけどね」

 「そもそも今まで夢原くんに頼んだ役どころは大事なキャラ

  ばかりだったハズだけど、君はいつも期待に応えてくれた」

 言われてみれば、たしかに健太は脇役にしては存在感のある

 キャラを多く演じてきた、だがそれは斎藤作品に限った事では

 ないのだ、、、

 「ほかの監督も君の使いどころは心得ているようでね、作品を

  見てみても(ここだ!)ってところに配置されていた」

 「まぁつまり、君という俳優を活かした作品を書いてみたく

  なったって訳だ」

 健太の胸に、熱いものがこみ上げてきた

 (1人の監督が自分を主人公に映画を作ってみたくなった、と)

 「今回の映画は君の実直なキャラが際立つストーリーになって

  いる、なんの迷いもいらない、「夢原健太」のままで挑んで

  欲しい」

 斎藤は多くは語らなかった、だが健太も、風岡も分かっていた

 何故なら今回の台本は本当に健太を主体に考えられていたから

 「こないだも言ったがな、オレがついてる、何の心配も気負いも

  要らん」

 風岡が冷静に言い放った、役の上でも、役者としての先輩として

 も、風岡は健太の師であり、友であった

 「本当に頼もしいです、改めて、至らない部分も多々あるかと思い

  ますが、よろしくお願いします」

 「さてと、かたっ苦しい話は終わりにして、楽しく祝い酒と

  いこうか」

 「ハイ、とっておきの焼酎出してきましたよ!」

 「いいね~真二クン!じゃあ飲も飲も!」

 くだけた調子での飲みが始まった、監督に映画の概要を聞か

 され竜一も、真二も、清美も、食い入るように聞き入っている

 健太は風岡とお互いの主役観について語り合った

 楽しい時間は過ぎるのが早い

 「あ、もう2時か、さすがにお開きにしましょうかね」

 斎藤の言葉で宴も終焉を迎えた

 「それじゃあ皆さんおつかれさま~」

 なつかしいかつての職場での終業時のような感覚に襲われつつ

 帰路につく

 今回の映画への意気込みも新たに、家路を急ぐ健太 

 だったが

 思いもよらない事態が待ち受けているのだった


 23時過ぎ、健太が帰宅すると美晴がまだ起きていた

 「ただいま」

 「おかえり、思ったより早かったね」

 スッキリした内容の話だったのと主演映画のあれこれを美晴に

 説明する

 「せっかく良い話なのに、、、」

 なんだか歯切れの悪い美晴の言葉に悪い予感を感じつつ健太は

 尋ねた

 「何かあったの??」

 美晴は重い口を開き始めた

 「実は今朝、健太くんと子供たちを送り出した後の事なんだけど…」

 ……………

 話を要約するとこうだ

 健太と子供たちを見送った後、いつものようにリッキー

 を連れてリリーフアニマルに出勤しようとしたところ

 リッキーが突然走り出してしまった

 慌てて追いかけた美晴だったが、リッキーは車道に飛び出してしまい

 あやうく車に轢かれかけた

 ドライバーに詫びを入れ、なんとかリッキーのリードを確保したが

 その後もリッキーは車に乗るのをイヤがり、何とか車に乗せて

 職場まで行った後、獣医の診察を受けたのだが、、、その結果は

 「まだ症状は軽いけど、どうやら認知症のようなの…」

 「リッキーが認知症…??」

 健太にとっては寝耳に水のような出来事だった、あのリッキーが…

 「今はもう寝てるけど、とにかく会ってやって」

 寝室の襖を静かに開けると、千晶と健助の布団の真ん中にリッキーは

 伏せの状態で寝ていた、ちょうど三人川の字の状態だ

 健太は音を立てず歩み寄るとリッキーの頭を撫でた

 「ワフッ」

 小さな声を発しリッキーが目を開いた

 「ゴメンなリッキー、起こしちゃったか…」

 抑えた声で健太が話しかけると、ややおぼつかない足取りで健太の

 元へ歩み寄ってきた

 子供たちを起こしてしまう前にリビングへ移動する事にした

 当然のように健太の後をついてくるリッキーに違和感はなかった

 リビングのソファーでリッキーに膝枕をしながら美晴と話した

 「何も普段と変わらないようだけど??」

 「今はまだ、症状が出たり出なかったり、らしいわ、でも所見では

  これからもっと症状が悪くなるかも…と」

 健太は少し思い悩んだが、心を決めた様子で

 「リッキーがこれから認知症を患っていくならオレ達で可能な

  限りフォローしてやるしかないね」

 「うん、アタシも先生から対応策を色々と聞いておくから…」

 「子供たちにはオレから明日説明するよ」

 リッキーの頭を愛おしそうに撫でながら健太が言った

 「オレはお前の飼い主だ、最初から最期までずっと一緒だ…」

 健太の膝の上に顔を伏せて、リッキーは気持ちよさそうに

 寝息を立てていた

 

 

 





  






 






 






 






 

ドリームドッグは実は部分的に実話で、作者が見た夢を題材にキャラクターや

ストーリーを肉づけした物です

ある日私が見た夢、それは犬を飼う夢、平凡だけど変わった夢、子犬から成犬

、そして死の間際まで、夢の中で一匹の犬の生涯に触れ、目を覚ました時、私

の頬は涙で濡れていました

作者はその当時犬を飼っていましたが、どうやら彼は夢の犬とは違ったようで

す、でも、もし今後の人生で夢の犬に出会ったら、そんな思いを、物語に載せ

て描いてみました、私が人生で初めて綴った拙い文章です

無駄な表現、セリフ、分かりづらい部分、読み苦しい部分も多々あるでしょうが

なにとぞ、生温かい目でご容赦下さると幸いです。

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