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お題シリーズ6

物を隠すマジック

作者: リィズ・ブランディシュカ




 とある人物がマジックと称して物を隠した。


 隠された物は何の変哲もない財布だった。


 けれど、その財布は、なぜか不思議な力によって時空を超える。






 とある異世界、お腹を空かせていた少女がいた。


 もう何日も食べていない少女は、このままだと空腹で倒れていただろう。


 そこに、何の変哲もない財布が落ちてくる。


 少女は喜んだが、その財布のお金では何も買えなかった。


 その世界の貨幣ではなかったからだ。


 しかし、珍しい物質の硬貨があったため、それを売って、お金に換える事ができた。


 少女の飢えは改善された。


 少女はその後、その財布を家宝として丁寧に扱ったが、いつのまにかなくなっていた。






 とある異世界、キラキラ好きの魔物がいくつかの硬貨が入った財布を見つけた。


 自分の巣に持ち帰った魔物は、その財布を大事に保管し続けていた。


 そこに、魔物に連れてこられた人間の子供がやってくる。


 自らの子供を亡くしたばかりの魔物だったので、迷子で彷徨っていた人間の子供を育てる事にしたのだった。


 人間の子供はすくすくと育つ。


 やがて大きくなって、巣立ちを行う時、親の魔物はその子供に財布を持たせた。


 中身はよく分からなかったが、よく磨かれた硬貨がキラキラして美しかったので、お守りのように持たせただけだった。


 しかし、その財布を持っていたおかげで。魔物に育てられた人間の子供は、人間の社会に戻ってとけ込む事ができた。


 財布はいつの間にか消えていた。







 とある異世界。


 戦いが終わらない小国で、財布が発見された。


 その財布の中には、その国から消え去った鉱物が存在していた。


 その鉱物を解析した国は、複製する事に成功。


 複製鉱物を使って、国はどんどん豊かになった。


 やがて、貧しさから争いが絶えなかったその国は、平和になっていった。


 国を救った神聖な物質として、財布は崇められていたが、いつの間にか消えてなくなっていた。






 もとの場所、元の世界に戻って来た財布。


 マジックを終えた後、財布を提供した人物は中身を確かめる。


「あれっ、中身がなくなってる!」


 財布の中身は、数分前と比べると、すっからかんになっていた。




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