表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UNNAMED  作者: 筆名
4/15

第一章【第三話】「電車の中であったような…」


 「―――彼女は、この紛い物のみたいな僕の人生に現れた、たった一つの光なんです!―――」

 「―――君はね、私にはなーんの影響も及ぼさない。でも、そこが君の良さだよ!―――」


 自身への影響を第一に考える二人が出会ったのは、まるで絵に書いたような理想のパートナーだった。

 紛い物の日々と作り物の事実を求めて、二人の関係は発展してゆく―――

 

 これはtrueENDを目指す、世にありふれた物語。

[とある生徒の手記]

 この学校には、悪魔がいる…。その悪魔の名は……分からない。でもなぜか知っていた気がする。と言うよりも彼女の何もかもが分からなくなっていく、そんな気がする。彼女?あれは女だったか?まあ良い。とりあえず、あれに会ったら、逃げること以外考えるな。さもなくば我々のように……。

    ◇◆◇◆◇

 少年は驚愕した。ここはガリ勉諸君が集いし学校じゃないのかなんでこんなイケイケリア充どもが繁殖してるんだちゃんと湧き潰ししとけよ、と。しかしその言葉を胸の奥に収納すると、自分の席を確認し席についた。

 「あ、【少年】くんだー。おはよー。」 

 何ということでしょう。周りに大勢人がいるにも拘らず、少女は少年に話しかけたではありませんか。しかも名前入りで。これではむしろ勘違いのしようがない。今まで空気であった少年の認知度が今、格段に跳ね上がった。そして、少年は口を開き言った。

 「えっ、あ、はい、その…おはようございます」

 少年は困惑していた。去年仲の良かった(つもりの)友人とは別のクラスになったことで、この材木座組では陽子さんばりのハッピーセットの玩具プレイ、もとい地蔵プレイを決め込むつもりでいたからである。というか『陽子さん、すがり●る』とか読者の皆さんはご存知なのだろうか。

     ◇◆◇◆◇

 いつもの現実逃避を終えると少年の脳は(比較的)正常な判断を始めた。 

 ((っつーか、誰だこの人? めちゃくちゃ「君すい」のヒロインっぽい…))

 仕方がない。仕方がないんだ!陰キャの巣窟であるコンピ研(偏見)にすら、入部届を出しに行けないチキンなんだから。休み時間は寝るか飯食うか本読むしかできない作者が作った、高レベル陰キャなんだから。

 「え、【少女】、この人、知り合い?」

 ((おお…恭●さんもいるのか… あれ? ガム君は?))

 「おお、【少年】君も【少女】ちゃんの知り合いだったの? カメレオンキャンディーいる?」

 ((ガム君までいる…だとっ))

 「なるほど。いや、いいよ。それより塵取り持ってきてよ」

 「え、いやいやいやおかしいだろ? 何で君は何も突っ込んでくれないの? てゆうか塵取り? ん? 何で?」

 ((ペロス●ロ君は「君すい」知らないのか。結構有名だと思ってたんだけどな…))

 「いや大丈夫。気にしないで大丈夫です。僕たちの世界じゃ常識だっただけだから…」

 「すげえ常識だな、こりゃ。で、【少年】君は異世界人なの?」

 「え?」

 「いやだって、俺らの世界じゃそんな常識聞いたことないし」

 ((いやほんとそーですよね僕みたいなクソ陰キャの会話つまんないですよねーなんかほんと申し訳ございません))

 「ちょっと、やめなよ。【少年】君、困ってんじゃん!」

 「ホントホント、かわいそうだよ!」

 ((なんかよく分からんが庇ってくれてる。【少女】さんも【親友】さんも良い人だなー))

 「いやまじゴメンね。ちょっと興奮すると詰問するみたいになっちゃうくてさ。」

 「い、いや。別に…。」

    ◇◆◇◆◇

 少年は直感した。この人たちは救世主だ、と。少年は信じて疑わなかった。彼女が、自分の人生を大きく変えてくれるはずだと。

ご精読ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ