表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
草凪美汐.短め作品集  作者: 草凪美汐.
26/27

24.味噌汁の具

短編をこっちに移動しました。


明日も早いのに、悪いな。お前だってそうだろって、……いつもお前は優しいな。だから、お前に最初に聞いてほしい。まだ、お前にしか話せない、いや、話したくない。



 俺、引退しようと思うんだ、味噌汁の具。



 そんなにびっくりした顔するなよ、驚かせるつもりはなかった。でもずっと、ここ何年かぼんやり考えてたんだ……なんかさぁ…………便利使いされるの、ほとほと疲れちゃってさ。


 まあ、俺は味噌汁のバイプレーヤーに誇りを持っていた時もあったよ。どんなトリッキーな具材がこようと、俺がいればなんとかなる、俺がなんとかしてやるって……少し熱かったよ。



 その通りだって、ありがとう。お世辞でも、お前にそう言ってもらえて嬉しいよ。お前とはほとんど一緒だったからな、いや、お前を見ない日は無いよ。そこまでじゃないって、また謙遜する。みんなお前のことは、一目置いてるさ。お前がいないと締まらないって。


 俺も?俺は違うよ。


 お前は豚汁にも入るじゃないか、ネギ。



 誰とは言わないけど、出しゃばり過ぎじゃねって、話してんの聞こえてきてな。まあ、主役級だったけど、まだまだルーキーのひよっこが、テレビで何度か紹介されたぐらいで調子に乗って…………あっごめん、こんな事が言いたいんじゃなくて……そうだなぁ、俺のモチベーションの問題なんだよ。



 俺がいなくても、もう大丈夫なら引退して、余生はスープに専念して、ゆっくり過ごそうかと考えているんだ。


 そんな寂しい顔するなよ。お前とはいつでも会えるし、俺のスープにもお前は不可欠だ。これからも、よろしくな。




 あれっ、豆腐。お前、隠れて聞いてるなよ。どこから聞いてたんだ?最初からって、おいおい泣くなよ。俺はお前の最高のバディだって、俺もそう思ってるよ、これからだって……だからお前には、言えなかった、すまん。でも、ネギがいるから大丈夫だって。



 えっ、あおさが肩をぐるんぐるん回してたって、次回の好きな味噌汁の具ランキングの上位を狙ってる。海藻類じゃ、俺がいなくなれば、天下取ったも同然だって、そんな事言ってるのかあいつ。俺の前では、大人しく畏まっているのに……そんな。


 何っ、豆腐にも最近馴れ馴れしい。時々、ため口になるって…………そうか、舐められたもんだな俺たち――――。



 よし、今の話は無かった事にしてくれ。


 明日の朝食に備えて、もう休もう。




 長い付き合いのネギと豆腐は、わかめのモチベーションの上げ方を知っていた。



あおさも好きです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ