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龍の牙〜Gods is playing the game〜  作者: こばん
第三章 獣人の里
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# 37 旅

ここ数日読んでくれる人が増えてきています。とても嬉しいです、ありがとうございます!ご意見ご感想等ありましたらどうか気軽にお願いします。全てやる気に直結します^^ もし評価やブックマークを貰えたらさらにバフがかかるので良かったらお願いします。

フォートナイトの街を出て、俺とニアは獣人の里を目指している。

途中何度か魔物にも襲われることがあった。この辺の魔物はおなじみゴブリンをはじめ狼みたいな姿をしたものや、小ぶりのくまのような姿をした魔物が多い。


「平野とか、草原とかにはケモノ型の魔物が多い・・・でも食べられるからいい」


ニアの言葉だ。さっき現れた牛っぽい魔物を、攻撃をそらしている俺の後ろから一撃で首を飛ばした。そしてすばやく血抜きにかかる。


・・・たくましいなぁ。傭兵やってたらこんな事も覚えるのか?

それを眺めながら俺が戦慄していると、内臓だけ先に出して皮は剥がないまま食べられる部位だけ切り取っている。


「食べられるとこってそれだけ?」


思わず聞いてしまうほど少なく切り取っている。


「ん。・・魔物だから、毒がある部分がほとんど・・・。素材を取るつもりなら皮を剥いでから切る。・・荷物になるから食べられるとこだけ」


見た目がちょっといかめしいだけの牛に見えるが、やっぱり魔物は魔物って事か・・元の世界の食用の牛だといらない部分がほとんどないって聞くけど、肩から胸にかけてのほんの少しの部位しか食べられないようだ。


というか、魔物って食べられたのか・・・そっちのほうがショックだわ。


ニアは切り取った部位を布にくるんで、背負っている背嚢に入れた。きっと今日の晩飯になるんだろう。


「・・ん。」


あ、それ俺が背負うのね。・・・まぁ重いしね。若干ニオイも・・・


気にしないようにしよう。食料は大事だ。フォートナイトの街を出てから、もう三日がたった。現実は厳しくて、まず二人で持てる食料の量がいくらもない事にびっくりした。この世界では一般的に携帯食といっても乾燥肉や硬いパンしかない。

それでもほかに旅をするのには必要な荷物も多いし、もって行ける食料なんてほんのわずかだ。


ゲームや小説なんかでの旅を想像していた俺はまずそこでつまづいた。さらに一番必要で、なおかつ一番容量をくってしかも重たいのが水だ。動物か魔物か知らんが、その皮で作られた水袋に入れて準備していたんだが、あっという間になくなった。

川を見かけたらすぐに補充しないと、その辺になっているまずい果物を食べてのどの渇きをごまかしながら水辺を探すはめになる。


「はあ・・甘くみてたよ・・・旅なんて簡単なもんじゃないよな。ごめんなニア、いきなり大変な思いをさせちゃって・・・」


思わず弱音を吐いてしまった。やっぱだめだね、文明に慣れきった現代人は。


俺の言葉を聞いたニアは少し首をかしげて言った。


「・・?。普通ならもっとたくさん、食料を積んだ馬車とか。でも街道しか通れない。少人数の人だけで旅をするのなら、これが当たり前、と思う・・・」


・・・当たり前か。ただ車輪をつけただけの馬車は衝撃を吸収するものがないから。平坦な街道以外を走らせたらすぐに壊れる。人が持てるだけの荷物で旅をしようと思ったら、行く先々で食料や水を調達する前提でいくのか。


少し楽になった。当たり前ならいいんだ、ニアに辛い思いさせているんじゃないかと気が重くなっていたからな。


俺はどちらかといえば、あまりきちんと食事をとらなくても平気な方だ。元の世界にいた頃から、あまり食に興味がなくて面倒くささが勝つとよく抜いていた。よほどじゃない限り、一日一食でぜんぜんいける。

特別おいしい物が食べたい!って感情もないんだよね・・・友人なんかは、そんな俺を見て人生の半分くらい損してる。なんて言ってたが・・・


たとえば、兄弟なんかで冷蔵庫に入れていた何かを勝手に食ってけんかになるとかよくある話だけど、俺はまず冷蔵庫を開ける習慣がないからな。よく俺におやつを買って冷蔵庫に入れてくれていたばあちゃんが、俺に伝えるのを忘れてて期限を過ぎていたなんてしょっちゅうだったよ。


ニアは線が細く、体も大きくない。運動量は多いと思うけど食事の量は少ないほうだ。そんな二人だから、いくらかましなんだろうな。

健啖家の人とは一緒に旅をしたくないな。進むより狩りの時間が多くなりそうだ。


幸い今は国境付近にある川に沿って歩いているので、水の心配はない。さすがこの世界の川の水は澄んでいて飲んでもぜんぜん臭くなかった。

飲んで、水袋に補充して。天気がよければ水浴びして汗も流せた。あ、下流に住んでいる人の事を考えて水浴びする時は川に入らずに岸で浴びてたよ。洗剤を使うわけでもないし、たいした影響はないのかもしれんけどなんとなくね。


ただ、水浴びしようとした時、ニアが一緒に入ると脱ぎだした時はあせった。何も全裸になるわけじゃないが下着になるんだし、ぬれた後は洗って予備の下着と替えたりするんだから、もう少し羞恥心をもってほしい。

ニアが言うには別々に浴びると時間がかかって無駄だと。そんな問題じゃないからね?この世界では普通なんだろうか・・・わからないから、ここは俺のルールを適用させてもらった。


水浴びの時にはゴタゴタしたものの、出発してからは気候も良く、しばらく魔物も姿をみせてない。二人歩きながらではあるが、のんびりと色んな事を話した。ニアはいつもどおりポツリポツリではあるが、きちんと会話として成り立つくらいには話してくれる。

出会ったばかりと比べたら格段の進歩である。あの時は片言しか離せない外人と話している気分だったものだ・・・

今でも気に入らない奴や、興味のない奴には会話も成立していないほどだが・・・


俺はガルフから頼まれたのと、他にする事もなかったからかなり時間をかけて関係を築いたけど、ニアにとってはそれが良かったのかもな、他の人より信頼を得ているのは、慌てずにほんの少しずつ距離を詰めていったからかもしれない。

なんて事をぼんやり考えていたからだろうか。接近する気配に気づくのが遅れたのは。


気づいた時には少し大きな声を出せば聞き取れるくらいの距離にいた。


「・・・アスト!」


さすがにニアはすぐに気づいたようで、声に緊張の色が混じっている。

すばやく辺りの気配を探ると、近くにいるのは三人。明らかにこちらを窺っているな。


「相手が何者かわからない。すぐに襲ってい来るような感じでもないし・・・目的がわからないうちはこっちも旅をしている冒険者って事で知らん顔してよう」


声を潜め、ニアに伝えてかすかに首が縦に動いたのを確認して、気配を探り続けた。

相手はこちらからは見えない位置を計算しているように、俺達が歩く方向と平行に動き出した。


・・・面倒だな、何者かわからないうちはこちらから大胆な事はできないし。かといっていつまでもこのままってのもな・・・


そう考えていると、三つあった気配から二つが動いて遠ざかっていった。それはニアも感じ取ったようで、怪訝な表情を見せている。


・・普通に考えたら仲間を呼びにいった。かなぁ・・何者なんだろう、盗賊にしては動きが洗練されているし、巡回の兵士なんかだととっくに誰何しているはずだし・・・


結局それから日が暮れるまで、予定外の同行者は距離を保ったままついてきた。



長時間気ぃ張ったままってどれだけ疲れると思ってんだ!目の前に出てきたら文句言ってやる!





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