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異世界を救えるなら  作者: オシダサユキ
異世界
7/13

疑い

 

 「あれ・・・?」

 気が付いたら真っ暗なところにいた。


 どうやら捕まってすぐに気を失ったようだ。辺りを見てみると、隣で湊が横たわっている。

 石造りの所で、足元には鉄格子があった。 そして、俺の持ち物は無く、制服を着た状態。また、香がいない。

 あのデカい男が言っていたことと関係があると思っていいだろう。


 少し探ってみよう。


 


 探ってみると、俺が思っていたとおり通り、ここは牢屋だ。僅かな隙間をのぞいてみると隣にも同じ石造りの牢屋があり、さらに鉄格子から遠くを覗くと頑丈そうな牢屋が立っていた。そこから香のと思われる髪が見えたので、薫はそこにいると思っていいだろう。


 この建物自体、そこまで大きくないみたいだ。


 さて、どうしようか。このままでは俺たちは何もしていないのに罪人になってしまう。

 

 そう考えていると看守と思われる人物が、


 「おい、起きろ面会だ」


と俺と湊に伝えに来た。

 

 一体誰と面会なのだろうか?まあいい。それよりあの男もそうだったが、言葉は通じるらしい。話が通じるだけいいか。


 「とっとと出ろ!」

 看守がせかしてくる。


 ていうか、俺たちは今から誰に会うんだろうか?

 聞いてみよう。

 「なあ、今から誰と面会するんだ?」

 

 「この村で一番偉いお方だ。」

 看守が答えた。


 この村で一番偉いお方、つまり村長か。

 多忙なはずの村長がわざわざ来るということはよほど暇なのか、それか罪深い犯罪者と勘違いされたかのどちらかということか。


 これは早く誤解を解かなければならない。


 「湊、行くぞ」


 「痛たたたたた!」


 まだ寝転がっている湊を強引に引っ張り起こした。俺も悪いと思う。でも、看守が明らかにご機嫌斜めなんだもん。

 恐いからさ…


 「行くぞ‼」


 「分かった。分かったから!」


 湊を引きずりながら看守についていった。




 


 




 

 

 

 

 

 





 


 

 

 

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