見知らぬ所
「いいか、これからお前は、使命を背負って生きていくことになる。
それは、『世界の危機を救う』ことだ」
この言葉だけは忘れない。絶対に。
俺はこれから先、起きる『危機』。それは一体何なのだろう。
辛いものなのか? 苦しいものなのか?
全く分からない。
それでも、出来る限りのことはしよう。
そう心に誓った。
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気が付くと、深い森の中にいた。
辺りを見回すと鳥、植物などがみえる。どれも見たことがない。
遠くの方を見てみると、近くに湊、香が倒れていた。
近くに行ってみよう。
見たところ二人に傷はない。よかった。
「おい、起きろ」
湊によびかける。
「…」
反応がない。
湊と香の周辺を見て危険がないことを確認ししておく。
ここが『終わってしまう世界』か。終わりを迎える世界とは到底思えないくらい豊かなところだな。
二人には悪いが、先にこの辺りのことを調べることにした。
「全部見たことがないな」
俺たちはずっと植物を眺めている。眺めるだけだ。
触れたものが毒かわからないうちはそうしておく。
何かあると困るしな。
「お、いたいた!」
「探したよ~」
ようやく目を覚ましたようだ。
「悪いな。先に見てて。」
「調べてたんでしょ~気になるもんね~」
香も気になるようだった。
「それもいいけどさ、まずここから出ない? いつまでも森にいたくないんだけど!」
確かにそうだ。今は昼間だから危険な動物がいてもすぐに逃げることができる。
それに、湊が言うことはもっとだと思ったから、
「そうするか」
賛成した。
「そうしよー」
どうやら香も同意見らしい。
「その前に話ておくことがある」
やはり湊たちにも言っておいた方がいいと思ったから事情を話しておく。
でも、『終わってしまう』話はしないでおこう。
きっと今ある落ち着きを乱すことになるはずだ。
俺は湊、香に言った。
ここが異世界であることを。
「へえ~すごい!私たち違うせかいにいるの?」
「すごいな!」
二人がポジティブで助かった。事情が話せて良かったと思う。
「これからどうするんだったか?」
「森をでようって言ったじゃん」
湊と香が話しているのが聞こえる。
俺たちはまず、森を抜け出すことにした。




