表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【マイルド】異世界 きまぐれぶらり旅~奴隷ハーレムを添えて~  作者: さとうねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

226/401

6-25 夜

霧降りの里の隠密と接触し、協力することになった。


まずやることは、彼らが持っている情報をより詳細に共有してもらうことだ。


あちらも完全にこっちを信用しているわけではないだろうし。

そしてこっちはこっちで、彼らの事情に引っ張られすぎないように注意する必要がある。

情報のやり取りからして、ちょっとした駆け引きだ。疲れる。


最優先で確認したのは、この洞窟のこと。

霧降りの里の隠密であるヒースタによると、この洞窟が気付かれる可能性は極めて低いとのこと。


もともと偵察時の拠点や非戦闘員の避難場所として使われている洞窟で、感覚の鋭い魔物であっても中にいるヒトの気配に気付くことはないという。

はっきり言われなかったが、どうも普通の洞窟ではなさそう。

何らかのスキルで認識阻害されているとかありそうだ。

俺たちも、アカイトの案内がなかったら辿り着けなかったのかもしれない。


まあ、襲われないのであれば拠点として便利だ。

森で見つけた小鬼族の子ども、ジグはここに居てもらうのが良いだろう。

最悪、俺たちが戻ってこなかったら自力で里に戻るか、里を攻めているポロード団に投降するしかない。

俺たちが通りかからなかったら森で死んでた可能性が高いわけだし、それくらいは呑み込んでもらう。


そして、この辺を移動したという魔物の情報。

ヒースタも「年に数回、こういったことはある」と言ったが、今回の波は収まりつつあるようだ。

ヒースタ達はこの洞窟のような避難場所をいくつも用意しており、やり過ごすこととポロード団の状況の把握を優先したため、詳しい分布までは分からないという。


次に、ポロード団の情報だ。

人数は、ヒースタの見立てだと50人前後いる。

そのことは既に聞いたが、問題はどういう配置かだ。

アカイトが向かった拠点のように小さな拠点も置いているので、全てがまとまっているわけではない。

本隊として正門前に陣取っているところに半数近くがいる。

つまり、この本隊を引き寄せてしまうようなことがなければ、多数に囲まれるリスクは少ない。


最後に、これも訊かなければなるまい。


「そもそもだが、なんで奴らは里を襲うんだ?」

「何故だと?」

「里を攻撃するのは、何か狙いがあるからだろう。事前に何か要求があったのか」

「……そういったことは、里長が判断することなのでな。知らん」


本当に知らないのか、あるいは部外者にそこまで話すことはできないのか。


「じゃあ、仮に奴らに降伏したら、里はどうなる? 推測で良い」

「略奪された上で、支配されるだろうな。あるいは里は破却されるやも」

「オウカの里みたいに、か?」

「……どうだかな」


奴らの目的は略奪か? だが、それなら魔物の襲撃に耐えてまで粘っているのはやや不自然だ。


「ポロード団の後ろにいるのは、どんな勢力だ?」

「……」


ヒースタは、トカゲ顔の大きな目を、こちらに静かに向けた。


「分かっていて言っているのなら、いささか意地が悪いね。クダル家に決まっている」

「クダル家か」


どこやねん。


しかし、やっぱりか。

これだけリスクの高い里攻め。里によっぽど貴重なお宝があって、それを狙っているとかでなければ、他にあり得るのは「里と政治的に対立している」とかだろう。

であれば、その背後には傭兵団の雇い主である政治勢力がいるはずだ。

……などと偉そうに分析してみたところで、そもそもポロード団って傭兵団って話だったものな。

誰かに雇われているというのは、誰でも考えることか。


「何故クダル家と対立している?」

「何故……? あの傲慢な拡張主義を知っていて、言っているのか?」


傲慢な拡張主義。

クダル家が勢力拡大のため、霧降りの里を下そうとしているってことか。

しかし、そのために里を滅ぼしてしまうってのは、なかなか勿体ないな。

手に入らないなら、消してしまおうってとこか。


「クダル家が相手なら降りるなどと言うまいな?」

「言わん。こういうのは多角的な意見を聞くのが常道だろう」

「なら良い。それで、私からも良いか? 君たちは何者なんだ。ポロード団に組する者ではないことは信じたとしても、素性が分からないのは不安だ。仮にも手を組むのなら、教えてくれても良いだろう」


ふむ。


「何者と言われても、通りすがりのナイスガイ。それ以外にないんだけどな?」

「どこの里にも組していないというのか?」

「そういう傭兵団だって、あるだろう。それの少人数版だよ」

「もちろん、そういう者も居るが……」


ヒースタはそう言いつつも、目を細めてこちらを見詰めた。

怪しまれているようだ。


「悪魔の証明、というやつだな。背後がないことの証明ってのは難しいものだ」

「悪魔の証明。なるほど、言い得て妙だな」


納得しきってはいないものの、切り上げてくれるようだ。渋々と。


「しかし、俺たちの素性が怪しいんなら、よく協力を申し込む気になったな。監視任務を中断してまで」

「……手段を選んでいる場合ではない。それに、君は短い時間でその有用性の欠片を見せた」

「アカイトを庇った件か」

「気配の消し方、スキルの展開、そこから逃げる判断速度と手口。いずれも並ではない」

「アンタほど、キレイに気配は消せていないと思うが」

「それでも、だ。君が隠密ではなく戦闘ジョブなら十分さ。まるでスキルを使っているようだった」


うん、使っていたしね。『隠密』ジョブの「気配希薄」スキルを。

なるほど、スキルなしでやるにしては隠密の技術レベルが高いと思われたのか。

残念ながら、誤解なわけだが。

早めに話題を変えておこう。


「で、具体的にどう動くかだが」

「うむ。少数で孤立している敵を狩っていくことをお願いしたい」

「断る」

「何?」

「断る」

「……協力するのではなかったのか?」

「主導権は俺にって言っただろう。あんたが言ってるのは、さっきの拠点みたいなところをこちらから奇襲するってことだろう? それは話が違うな」

「では、どうするというのだ」

「斥候を狩る。もともとそういう話の流れだったと思うが」

「……この辺の斥候はあらかた狩っている。残りは遠くまで出ていて、探すことは困難だ」

「では、そいつらが戻ってくるとこを狩ろう」

「悠長にやっていては、里が強攻されかねない」

「それはそれ、だろ。俺たちにやれるのは、外から嫌がらせすることまでだ」


古墓の連中はレベルもポロード団よりは低かったのだろうと思うし、何より敵の拠点の中に転移するというミラクルが起こったので完全に敵の防衛戦略の隙を突くことになった。

しかし、今回はそういったことはない。

仮に孤立している部隊を見つけて撃破できたとしても、その情報が伝わって警戒され、結局本隊まで綺麗に奇襲はできないだろう。

なら、そんな博打は打つべきではない。


ポロード団に取り入るよりはこいつらと組んだ方が利点が多いと思っただけで、霧降りの里のために特攻する気はないのだ。


「……」

「失望したか? だから、主導権は俺にって言っただろう」

「いや、失礼した。それで良い。私は奴らの拠点の監視を続けながら、敵の動きを探ろう」

「あんたの仲間はどこにいるんだ? 俺たちも合流した方がいいのか、それとも独自で動いた方が良いか?」

「……そうだな……。独自で動いてくれて構わない。外にいる仲間は散っていて、どうせ一堂に会することはできないのだから」

「了解した。斥候の場所が分かったら、この洞窟に来て教えてくれるか?」

「そうしよう。可能であれば君たちも、捜索してくれるか。ポロード団から離れた場所で良いから」

「ああ、そうだな。やってみよう」


この洞窟を拠点に、周辺を探ってみることにしよう。

『隠密』ジョブの良い実戦経験になるかもしれないしな。



ヒースタと情報共有方法などについて打ち合わせを続け、彼女は拠点の監視に戻っていった。

消極的な姿勢に失望されたかもしれないが、そこはあまり譲っても仕方ない。

あえて敵を俺たちに誘導する、みたいな荒業をされないかは気を付けないといけないか。


まあ、それが明るみに出たら俺たちまで敵に回すので、そうそうしないとは思うが……。



ヒースタとの話を従者たちとも共有したあと、作戦準備を進める。

その間に、ステータスを確認する。


今のメインが『魔法使い』+『魔剣士』の構成だ。


*******人物データ*******

ヨーヨー(人間族)

ジョブ ☆干渉者(27↑)魔法使い(27)魔剣士(18↑)※警戒士

MP 47/57

・補正

攻撃 E+

防御 F−

俊敏 E

持久 F+

魔法 C

魔防 D−

・スキル

ステータス閲覧Ⅱ、ステータス操作、ジョブ追加Ⅱ、ステータス表示制限、スキル説明Ⅰ、獲得経験値増加、サブジョブ設定

火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、魔弾、身体強化魔法、溶岩魔法

身体強化魔法、強撃、魔剣術、魔閃、魔力放出

気配察知Ⅱ、気配探知、地中探知、聴力強化Ⅰ

・補足情報

隷属者:サーシャ、アカーネ、キスティ、ルキ

隷属獣:ドン

*******************


良く使っているだけあって、レベルはじわじわ上がってきている。

各種魔法スキルと、強撃や魔力放出といった使い勝手の良い攻撃スキルを色々使えるのが便利だ。


今回は隠密ミッションになりそうなので、『魔剣士』を『隠密』と入れ替えながら使うことになるか。


*******人物データ*******

ヨーヨー(人間族)

ジョブ ☆干渉者(27↑)魔法使い(27)愚者(18↑)※警戒士

MP55/65

・補正

攻撃 F(+)

防御 F(+)

俊敏 F+(+)

持久 F+(+)

魔法 D+(+)

魔防 D−(+)

・スキル

ステータス閲覧Ⅱ、ステータス操作、ジョブ追加Ⅱ、ステータス表示制限、スキル説明Ⅰ、獲得経験値増加、サブジョブ設定

火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、魔弾、身体強化魔法、溶岩魔法

貫く魂、盗人の正義、酒場語りの夢

気配察知Ⅱ、気配探知、地中探知、聴力強化Ⅰ

・補足情報

隷属者:サーシャ、アカーネ、キスティ、ルキ

隷属獣:ドン

*******************


もう1つ、汎用性という意味では『愚者』も使うケースが増えてきた。

いまだに仕様が分からないが、お世話になったっぽい「貫く魂」、多人数戦で活躍する「盗人の正義」に、アンチスキルとして強力な「酒場語りの夢」。いずれも一癖ありつつも、状況がハマれば大活躍してくれる俺好みのスキルが揃っている。


ステータス的には平均的というか、『魔剣士』を入れる構成より見劣りするのだが、感覚的にはそれほど違いを感じていない。

おそらく「貫く魂」さんが仕事をしていると思われる。


従者組では、サーシャとキスティが最近レベルアップしている。


*******人物データ*******

サーシャ(人間族)

ジョブ 十本流し(13↑)

MP 16/18


・補正

攻撃 F

防御 G+

俊敏 F-

持久 F-

魔法 G−

魔防 G−

・スキル

射撃中強、遠目、溜め撃ち、風詠み、握力強化、矢の魔印、魔法の矢

・補足情報

ヨーヨーに隷属

*******************


ステータスはまだまだ微妙だが、スキルは各種揃ってきている。

威力不足は「溜め撃ち」がカバーし、さらに「遠目」や「風詠み」、そして持ち前の射撃センスでの命中率の高さで補っている。


「魔法の矢」は今のところ、あまり実戦投入できていない。

まだ習熟が不足しているというのもあるが、魔法に弱い敵は俺の魔法で叩けるので、サーシャの矢に頼るまでいかないのだ。


*******人物データ*******

キスティ(人間族)

ジョブ 狂戦士(29↑)

MP 15/15


・補正

攻撃 C−

防御 N

俊敏 F+

持久 F+

魔法 G−

魔防 G−

・スキル

意思抵抗、筋力強化Ⅱ、強撃、大型武器重量軽減、身体強化Ⅰ、狂化、狂犬、不屈

・補足情報

ヨーヨーに隷属

*******************


キスティは俊敏と持久がじわじわと上がってきた。

全体としては攻撃偏重には変わりないが。


「不屈」も今のところ戦闘で出番はないが、夜の戦闘で活躍している疑惑がある。

詳しいことはノーコメントだ。



俺個人のやれることも増えてきたが、味方の能力と組み合わせてやれることはもっと増えてきた。

今回は決して油断のできない相手との戦闘が予見される。

せっかく洞窟の安全が確認できたのだし、ここで存分に作戦を練ってから、索敵に移るとしよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ連載中!
コミカライズはこちら


小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ