ラッキーからの強制命令!3
「誰もお礼を言えって言ってないわよ! これって一つのセクハラ。分かっているの?」
綾音はノリ良くツッコんだ後にセクハラと言ってきた。
「いや、そっちがお昼にそんな格好しているのもどうかと? もしかして!?」
「何よ?」
「星原は人気のいない所で露出をする性癖があるのか!?」
「ちょっ!? 人を変な性癖を持っている扱いしないでよ! それより、下着を見たのだからクラスに言いふらしてもいいんだけど?」
綾音は幸樹に脅し始めると、慎司はおもむろに財布を出した。
「今月はピンチなんだ。金巻き上げるなら少し安くしてくれ!」
お札を取り出そうとする。
「そうじゃないわよ! 金で解決しようと考えてないけど。第一、私がそんなことをすると思う?」
「いや、今の流れ的に口止め料というカツアゲかなと思った」
「そんないじめみたいなことしないわよ!」
「安心したぜ。危うく飯が食えなくなるところだった」
お札を戻し財布を後ろのポケットにしまった。
「それで、何で屋上に来たの?」
綾音が屋上に来た理由を訊いてきた。
「原稿書き上げのため集中したいら来たんだ。そして、たまたま星原の下着を見れた」
「忘れなさい! 原稿って何の原稿?」
「小説。もっと詳しく言えばラノベだ」
幸樹はメモ帳と筆記用具を見せつけ嘘ではないと主張する。
「ラノベってオタクが見る本だよね?」
「まぁ、そんなものだ」
綾音の言葉に幸樹は言葉を濁して言った。
「ふ~ん。面白いの?」
「それは好みの問題だろ。まぁ、楽しく読める小説だと思ってもらえればいい」
「そのラノベを上谷君も書いているの?」
興味を持ち始める綾音。
「そうだけど」
幸樹は綾音がラノベに興味を持っているのかと考え始めた。
「じゃあ、さっきの下着見たことは許してあげるから、上谷君の書いたラノベを見せてよ」
「マジに?」
少し嫌がる幸樹。サイトには投稿していてもクラスメイトに見せるとなると躊躇う。