犬になりたい猫の人生 ムスコン
ムスコン
そう私はムスコンだ
自分の横で寝ている息子の顔を見ながら
自分への腹立たしさにむせかえる
母親とは何
どうしてあげればいいの
疑問に答えは出てこない
出てくる言葉はひとつあるとしたら
自分が母親を知らないのだから
わかるわけがない
ただ逃げ言葉のような
その言葉だけだ
きっかけは
小さい息子の言葉
ママの子供になんて生まれなきゃ良かった!
他のお母さんに生まれれば良かった!
私は息子はそんなことを言うの?
なぜ?
ママは大好きなのに
私は泣き崩れる
周りのお母さんが口を揃えて言った
息子は成長してきてるのだとか
甘えたいのだとか
そうなの?いいわよー
でもママいなかったら、寂しくない?
素直に言いなさいね
と抱きしめてあげればいいのよ
母親として成長を楽しめばいいの
ガラガラと何かが崩れる
何それ
そんな言葉かけたことない
考えてみたこともない
私は母親をやってきたと思っていた
自分の母親にされていた
暴力はしないように
大好きだよと伝えてきた
嫌だと思うことは押し付けられたくないだろう
何も言わないできた
気持ちを考えてあげているつもりだった
愛しているつもりだった
息子だってそうじゃないのか
寂しい時いつだってママは僕が守るからねと言ってくれていた
その言葉に救われて生きてきたんだ
なんだってしてあげるんだから
そう思ってしてきた
ムスコンじゃない?
息子を恋人のように思っている母親のこと
シングルママとか多いらしいよ
息子はママのために頑張ろう
ママを守ろうと一生懸命だったんじゃない?
今変わろうとしているのよ
突き刺さる
私のやってきたことは
思っている愛してるは
確かに絶対離れないと思っている
恋人のようだ
ただこのままではいけない
そんなこと
わかってる