その8
「おかえりなさい勇者様!」
「おかえり勇者、ちょっと店よっていってよ」
魔王「道行く人ほぼ全員知り合いなのか?」
勇者「んなわけ、知らんほうが多いよ…」
僧侶「前大戦では英雄でしたからねー」
側近「さすがですね」
魔王(少し棘があるが、予想よりマシだな)
勇者(あぁ、よかったな魔王)
兵士「勇者様!僧侶様もよくぞお戻りに、そちらのお二人は?」
魔王「私はまぉ…」
勇者「あー!旅の途中仲間になったんだ」
兵士「さすがは勇者様、では王がお待ちしておりますので」
勇者「わかった」
魔王(なにをする勇者)
勇者(お前はいちよう魔王なんだから、立場を考えろ)
魔王(人界ではなにもしていないぞ)
勇者(世界征服の件忘れたのか?)
魔王(あぁ…そんな話あったな)
勇者(頼むよほんと…まぁあの王なら大丈夫か)
王「よくぞ戻った勇者よ!」
勇者「はい王様、無事に世界征服の件は解決しました」
王「そうか、よくやったそちらは魔界からの使者か?」
勇者「はい、それで少し…」
王「ん、わかった…大臣少し頼む勇者一行と話がある」
大臣「かしこまりました」
勇者「王もう大丈夫だぞ」
王「ん?だが使者が」
勇者「魔王とその側近だから気にしなくていいよ」
王「なんだじゃあ別に…は?ちょおま」
勇者「大丈夫だって世界征服まったくやる気ないから」
魔王「王よ騒がしてすまなかった、勇者を魔王城に招く為にしかたなくな」
王「あぁ、そうなの?なんだ焦ったわぁ…いやぁよく来てくれた、何も無いとこだけどゆっくりしていってくれ」
側近(なんだか軽い人ですね?)
僧侶(王様は勇者様と幼馴染みなんですよ、元々は西の国の村長の息子さんで…王になったのは成り行きといいますか…)
側近(大丈夫なんですかそれ?)
僧侶(大戦の時もみんなをまとめてたのは王様なので、たぶん大丈夫かと…)
王「そういえば女神様ってどうなったんだ?見たのか?」
勇者「それがだなぁ…」
王「お前…それやばくないか?」
勇者「かなりやばい」
魔王「とりあえず魔女の事を調べたいんだが」
王「あぁ、書物は昔からのが残ってるみたいだから好きに調べてくれ」
勇者「え、手伝ってくれないのか?」
王「いちよう王だぞ?そんな暇ないわ」
勇者「わかったよ、またあとで差し入れもっていくな」
王「頼む…みんなマジメだからなかなか息抜きができなくてな」
勇者「同情するよ、じゃあまたあとで」
側近「しかしすごい量ですね」
僧侶「伝説に関する本はこのへんかな」
魔王「ここだけでも100はあるな」
勇者「探すか…」
側近「どうですか?」
魔王「あまり有力なものは無いな」
僧侶「1000年前とはいえ、あれだけの力の持ち主です…もっとあってもいいはずなのに」
勇者「あの文献だけなんてな…白い宝玉の事もどれにも書いて無いし、あとは中立国か」
魔王「しかし問題は…あの女王か」
勇者「え?女王様なの?」
魔王「知らなかったのか?私も直に会った事は無いが…」
側近「貿易には友好的な国でしたが、それ以上の繋がりはありませんしね」
魔王「大事な書物を簡単に見せてくれるとは思えんなぁ」
王「それならもう手紙送っといたぞ」
勇者「うぉ!いつからそこに」
王「さっき」
僧侶「王様は女王様とは仲が」
王「そこそこいいぞ、たまに世間話しにいくし」
勇者「だからたまにいなかったのかよ…」
王「仲良くしてて損は無い国だしな、おかげで特産品が安く買えるようになった」
魔王「王よ、少し話が」
勇者「俺も聞きたい事ができた」
王「じゃあちょっと別室で飲むか」
勇者「で!どうなんだ実際?」
魔王「べっぴんか?乳はどうだ?」
王「期待してくれてかまわん!といっておこうか」グイッ
勇者「そんなにかよー!待ち遠しいなぁ」
魔王「性格はどうだ!」
王「なんていうかな…高貴な人って感じだな、でも偉ぶったりはしないし…正直好み」
勇者「いいな…それ」
魔王「お前はよくわかっているな王、さて一つはっきりさせたい事がある」
勇者「王は足だよな」
魔王「いや、胸だろ」
王「悪い、俺匂い」
勇者(第3勢力か…)
魔王(またマニアックな趣味を)
僧侶「もう何も言いませんね」
側近「いまさらですよ…中立国にいくには南の街から船に乗らないといけませんね」
僧侶「あ、もう王様が馬車と船は手配してくれたみたいですよ」
側近「ああ見えてマメですね」
僧侶「意外ですよね…」
魔王「まったくだ」
側近「あれ?なぜこちらに」
魔王「二人で昔話でもしているのだろう、少しは気を使ってやらんとな」
僧侶「そうですかぁ」
魔王「さて三人でもうひと飲み」
側近「明日の支度を済ましてきますね」
僧侶「手伝いますよー」
魔王「グスッ…」
ちょっと短いですね
ご覧いただきありがとうございました