その7
勇者「いっぱいあるなぁ」
僧侶「あっあれやりましょうよ」
側近「射的ですか」
魔王「景品が数字書いた箱しかないが…」
射的屋「お二人さん羨ましいねぇ、そんな綺麗な彼女さんがいて」
勇者「いやぁ…」
僧侶「ただの付き人ですよ」
射的屋「あ、そう?それよりこの祭りは初めてかい?」
側近「そうですね」
射的屋「そうかい、この祭りは全部の店がこのポイントで遊べるようになっててな」
僧侶「ポイントですか?」
射的屋「あぁ、中央の交換所で現金と交換して祭りを楽しんでもらうようになってる、ポイントは換金できねえけど色んな店で景品交換できるし食いもんも食えるよ」
勇者「そういう事か、俺ちょっと交換してくるわ」
射的屋「おお待て待て、せっかくだ1ゲームやっていけちょっと取りやすくしとくからさ」
魔王「それはありがたいな、よしやるぞ私の腕前みせてやろう」
勇者「へぇ魔法の弾が出るようになってんのか、にしてもちょっと威力が弱くないか?」
射的屋「こんなもんだよ…ほら銀髪の姉ちゃんなんか3000Pも取ってるだろ」
僧侶「すごいですね側近さん、私なんか1000ちょっとでした」
側近「いえ、たまたまですよ」
勇者「くっそー…あと二発しかないのに700かよ、せめて僧侶には」
魔王「…」
射的屋「大丈夫か兄ちゃん…もうちょっと上狙ったほうがいいぜ」
魔王(なぜまだ一つも落とせん)
側近「魔王様、的にはあたっています…狙う場所さえ変えれば」
勇者「魔王…ちょっとダサいぞ」
僧侶「勇者様いい過ぎですよ、頑張ってくださいね」
魔王(くっ…これ以上の失態は…あの10000を狙えば)
魔王「当たれぇ!」
側近「魔王様…」
魔王「ふっどうだ側近、私は10000だぞ」
勇者「いや的貫いてるから」
射的屋「魔力込めちゃいかんわ」
僧侶「ありがとうございました」
側近「たまにはこういうのも良いですね」
勇者「結局800か…まあ」チラッ
魔王「…」ションボリ
勇者「元気だせよ…次いこうぜ」
側近「む、これは」
僧侶「綿飴ですね」
側近「あめ?これが…」
「おっ!お嬢さん達サービスするから買ってくれよ」
側近「ものは試しです…いただきます」
僧侶「私もください」
勇者「俺も」
「あんたはいいのかい?」
魔王「…あぁ」
側近「これはなかなか」
僧侶「甘くておいしい♪」
勇者「この千切れる感触がいいな」
魔王「」
勇者(魔王…しかたねぇ半分やるか)
勇者「ま…」
側近「魔王様、よろしければどうぞ」
魔王「そ、側近いいのか」
側近「はい」
魔王「側近…(これ間接キッスでは…)」
勇者(同情した俺がバカだったよ)
勇者「僧侶、それ交換してみないか」
僧侶「いやですよ、半分も無いじゃないですか」
勇者「次は…僧侶あれみてみろよ」
僧侶「占魚すくいですか、面白そうですね」
勇者「今日の運気もわかるんだってよ」
魔王「側近!」
側近「はい?」
魔王「あれをやろう」
側近「でも勇者さんたちが」
魔王「すぐ向こうにいけばよい、私はあれが今やりたいんだ」
側近「ポイントは…」
魔王「あ」
側近「はぁ、私のを使ってください」
魔王「助かるさすが私の側近だ」
勇者(よし!)
魔王(やはりそうくるだろうな、側近は)
勇者(第一関門はクリア…あとは)
魔王(側近は難しいが、僧侶なら勇者が押せば次の店に着いていくはず)
勇者(そうなればあとは見失った振りをして)
魔王(二人っきりになれる!)
魔王(勇者よお前に命運を託す)
勇者(俺だっていくつもの修羅場を乗り越えてきたんだ、やれるはずだ)
僧侶「あ、私吉でしたよ」
勇者「俺は凶か…」
僧侶「さて」
勇者「あぁ!あれ見ろよ僧侶」
僧侶「あれも面白そうですね」
勇者「いこうぜ」
僧侶「でも」
勇者「大丈夫だよ、魔王が俺たちを見失う訳ないって」
僧侶「うーん…」
勇者「側近さんもいるしさ(魔王全然信頼ないな…)」
僧侶「そう…ですね、ちょっとだけなら」
勇者「おう!ポイント稼いで驚かせようぜ」
側近「魔王様、もっとこう手首のスナップを効かせて」
魔王(私は幸せだ、こういうスキンシップを待っていたのだ)
側近「こうするといいですよ、聞いてますか?」
魔王「あぁ…こうだなこの感触は忘れん」
側近「ここで少しは稼いでください…あれ?僧侶さんたちは」
魔王「さっき向こうにいっていたぞ」マタハズシタ
側近「占魚すくいと方向が逆ですけど」
魔王「本当だ、あの黒い髪を見間違えるはずが無い」マタカ…
側近「そうですか、そろそろいきましょう追いつかないと」
魔王「そうだな」10ポイントトレタァ
僧侶「見失いましたね…」
勇者「あぁ…とりあえず宿でまた合流できるだろうし、ふ…二人で回ろうか」
僧侶「そうですね、あっあのアイスたべましょうよ!さっ勇者様」
勇者「え?お、おう」
勇者(僧侶なんて大胆な…魔王、今日俺は勝負にでる…)
側近「はぐれてしまいましたね」
魔王「うむ、これはまいった」
側近「はぁ…まあ…いいですけど」
魔王「この人混みだからな、我々も注意せねばな…だからその、なんだ…深い意味はないんだが」
側近「はい」
魔王「え?」
側近「私とまではぐれてしまっては、魔王様なにも出来ないでしょうから…こうしていればその…大丈夫です、よ」
魔王「あ、あぁ…いっいこうか」
側近「はい…ちゃんとエスコートしてくださいね」
魔王(春は近いな)
・・・
勇者「全部使いきっちまったな」
僧侶「楽しかったですね、あっ!花火ですよ勇者様」
勇者「おぉー!」
僧侶「綺麗ですね…」
勇者(周りに人はいない…チャンスか!)
勇者「なあ僧侶」
僧侶「はい?」
勇者「これ…お前に似合うかなって思ってさ」
僧侶「わぁ…ありがとうございます勇者様」
勇者「ちょっとつけてみてくれないか?」
僧侶「はい!どうですか?」
勇者「さ、最高だ僧侶!すごく綺麗だ」
僧侶「えへへ」
勇者「(勝負はいま!)僧侶!」
魔王「疲れたな」
側近「はい、このへんで少し休憩しましょう」
魔王「少し離れた場所にこんな自然があるとはな」
側近「余韻に浸るには良い場所ですね」
魔王「あぁ…おっ花火か」
側近「綺麗…」
魔王「綺麗だな…(お前のほうが綺麗だぞ、なんていえない…)」
側近「勇者さん達にもこの場所教えてあげたかったですね」
魔王「そうだな、そうだ側近」
側近「?」
魔王「これを」
側近「これ…」
魔王「私からのプレゼントだ、側近の髪色に映えると思ってな」
側近「ありがとうございます…今つけても?」
魔王「もちろん」
側近「ふふ…似合いますか?」
魔王「ああ、素材がいいからな」
側近「御上手ですよ魔王様…」
魔王(いくしかない、いくしかないだろう魔王!)
側近「魔王様?」
魔王「そっ側近!」
「…ぅゎぁぁぁあああ!?」
魔王「ぐはっ!?」
側近「えっ?」ドサッ
チュッ
勇者「う…いってて…やっちまったかぁ」
魔王「あ、あぁやっちまったよ貴様は」
側近「」ワナワナ
魔王「まて側近、わたしは…」
・・・
勇者「なんで俺まで」
魔王「貴様が悪い」
勇者「僧侶もあそこまでやるこたないよなぁ」
魔王「どうせ雰囲気に任せて行動したのだろう」
勇者「あれは、いくしかないかなって」
魔王「まあわからんでもない」
僧侶「勇者様には本当に幻滅しました」
側近「でも顔が先ほどから緩んでいますよ?」
僧侶「側近さんもたまに頬が赤くなってますよ」
側近「そんなこと…ありますね…」
僧侶「はぁ…明日は中央の国ですね」
側近「何か分かればいいのですが」
僧侶「世界の危機が迫っているなんて…とても思えませんね、特にあの二人はもう少し」
側近「それがいいところなんですよ、きっと」
僧侶「そう…ですかね…」
勇者「で、どうだった?」
魔王「ふっ柔らかかったぞ」
勇者「くっそぉ!お前はぁ羨ましい!」
魔王「貴様もしたんだろう?」
勇者「ま、まあな…蹴りが飛んでくるまでの一瞬の僧侶は可愛いかった…」
魔王「しかしまた明日も機嫌をとらねばな…」
勇者「あぁ…朝からまたあの目が…」
魔王「ご褒美だろ」
ご覧いただきありがとうございました
そろそろ話を進めたいと思います