その3
魅惑の魔女「そういえば、あなたの得意技だったわね」
側近(何が起きた…?)
魔王「ぐっ…すまない命拾いした」
勇者「僧侶!魔王の治療を!」
僧侶「はい!…大丈夫です見た目ほど重傷ではありません」
魔王「驚いたぞ側近、あんな術を使えたなんてな…」
側近「いぇ…私も初めて知りました」
魅惑の魔女「瞬身の法はあなただけの特別な魔法…でも昔はもっとスマートに使ってたわよ?」
側近「瞬身の法?」
勇者「さっきの瞬間移動か?側近さんすげえな!」
側近(さっきの…ダメだわからない、どうやって)
魅惑の魔女「う〜ん…お互いブランクがあるみたいね、そっちの子も攻撃魔法は一切使わないし」
魔王「お前、攻撃魔法も使えるのか?」
僧侶「そ、そんなはずは…」
魅惑の魔女「好都合ね…まだ力は使い切れてないみたいだし、楽しみが無くなるのは勿体無いけど」
勇者「くっ…」
魔王「勇者、防御魔法を最大ではる…魔力を貸せ体勢を立て直す」
側近「魔王様もうお身体は?」
魔王「問題無い、礼をいう僧侶」
僧侶「いえ、ですがマズいですね…魔力がさらに膨れ上がっています!」
魔王「これほど…とは…」
勇者「くっそぉ…せめてあと一年!二十歳にはなりたかった…」
魔王「お前…こんな時になんだが、同い年だったんだな」
勇者「え?見えねぇ…苦労してんのか?」
魔王「ぬかせ、貴様はもう少し慎みを覚えろ」
魅惑の魔女「あら、二人共まだ二十歳にもなってないの?」
勇者「なんだよ、やるならとっととやれ!」
魔王「ああ、残念だが貴様の勝ちだ魔女…その魔力をどうこうできるとは思わん…側近すまんな」
側近「あなたと一緒なら…」
勇者「僧侶、なんとか逃がしてやりたいけど無理っぽいな…ハハッ」
僧侶「逃げるくらいなら最後までお側に」
魅惑の魔女「はぁ…やめた」
魔王「なに?」
魅惑の魔女「今は見逃してあげるっていってるのよ、勿体無いしね♪」
勇者「え?」
魅惑の魔女「ふふっ女神として、封印を解いてくれた勇者様の願い叶えてあげるわ」
勇者「一年…俺たちを生かそうっていうのか?」
魅惑の魔女「そのかわり、一年後またここにいらっしゃい私のモノになるためにね」
魔王「それを拒んだら?」
魅惑の魔女「わかるでしょ?無駄な努力はせずに最後の一年謳歌しなさい…そのあとはちゃんと大事に使ってあげる」
勇者「もしそうなったとして、僧侶と側近さんは」
魅惑の魔女「知らないわ、欲しいのは貴方達二人…生かしてあげるのは一年ね…ほら女神様の気が変わらない内にさっさとおいき♪」
側近「いきましょう皆さん」
勇者「でも!」
魔王「勇者…ここは退くぞ、魔女よこれから一年…信じていいんだな」
魅惑の魔女「えぇ、私は手を出さないは…私はね」
僧侶「勇者様…いきましょう」
勇者「くっ…情けない話だ…」
魅惑の魔女「それじゃあまた来年、楽しみにしているわ」
・・・
魅惑の魔女「さて、この宝玉は邪魔ね…これでよしっとまずはこの魔界から始めましょうか」
・・・
魔王「ふぅ…参ったな」
勇者「あぁ」
僧侶「力の差は歴然…」
側近「魔王様、これから…」
魔王「勇者、お前の国にいくぞ」
勇者「え?俺の?」
魔王「あぁ魔王城の書物はもう調べられん、あとは中立国と人界最大の国にしか手がかりは無いだろう」
勇者「手がかりってあの魔女を倒すか?」
魔王「いや…たぶん倒せん、1000年前封印するのがやっとだったのだろう」
僧侶「そうでしょうね…最後に見せたあの魔力、勇者様と魔王さんの10倍…それ以上にも感じました」
側近「ですが魔王様、封印していた白い宝玉はもう…」
魔王「使えんだろうな…ならばその変わりになる物を探すしかない、あと」
勇者「あと?」
魔王「古の伝承について調べようと思う」
側近「古の伝承ですか…」
魔王「あぁ…側近、そして僧侶には酷かもしれんな…だがこれが一番重要かもしれん」
勇者「魔女は二人を知っているようだったしな…もしかすると1000年前の勇者と魔王って」
僧侶「でもそんな話は今まで一度も…」
魔王「あくまで可能性の話だ…だがそう考えるのが自然だな」
勇者「じゃあとりあえず人界にいくか!中立国は船の予約で時間がかかるし、ここからなら4日もあれば俺の国に着くさ」
側近「少し長旅です魔界の東の国で物資を整えましょう」
魔王「ゆくぞ(さらばだ魔王城…)」
僧侶「あの…勇者様に魔王さん一つよろしいですか?」
勇者「ん?どうした?」
魔王「なんだ?」
僧侶「いえ、お二人とも…もちろん資金はありますよねなんて…」
勇者・魔王「…え?」
ご覧頂きありがとうございました
セリフだけなんでサクサク進みますね