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ミカミ艦長の航行日誌  作者: 双子亭
第1章
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『宇宙戦艦アイガイオン』第2話

    戦艦『アイガイオン』、メイン・ブリッジーーーー









 メイン・ブリッジにいると、入り口の方からいくつもの足音が聞こえてきて、扉が開いたと思ったら、自分と同じ白い制服に身を包んだ女性が30人程入って来て、俺に向かって敬礼した。



「艦長、私達ブリッジ操縦要員、ただ今より着任します」

「うぉっ、おぉ」



 数の多さと容姿端麗な様に驚いたが、彼女たちは敬礼するとそれぞれの席に着いてキーボードを打ち始めた。



「すごいな。壮観な光景だな、これは」

「彼女たちはバルドゥーイン・テクノロジー社が制作したパイロット・ガイノイドでこの艦のメイン・ブリッジでの操縦は彼女たちが主に行なってるのよ」

「そうか、それにしては………」



 俺は彼女たちに目を向けると、目の前のガイノイドたちは何というか、妙に色っぽかったり、可愛かったりと違和感を感じた。



「バルドゥーイン・テクノロジー社は愛玩用ガイノイドのシェアが広いことでも有名な会社よ。だから彼女たちも"無駄に"可愛かったり、"無駄に"官能的だったりするの。だけど艦長」



 アイはこちらに向くと寒気のする笑顔で、



「手を出したら、だめよ」

「は、はい………」



 背中に冷たい汗を感じているとまた入り口の扉が開いて3人の人影が見えた。1人は黒い衣装を着たミコトで、もう1人は身長190cmはある長身で、全身を濃緑と黒のアーマーで包んでおり、頭もフルフェイスのヘルメットを被っているので性別は分からなかった。もう1人も身長190cmで、濃青と黒のアーマーで包まれていて、その上から濃青のローブを着ていた。



「艦長、ただ今帰還しました」

「ありがとう、ミコト。それと………」



 俺は隣りの長身のフルアーマーと濃青ローブに向き直った。



「艦長、ただ今より戦闘部司令(コマンダー)、アレス。着任します」

「艦長、ただ今より戦闘部要人護衛課司令(コマンダー)、イリアス。着任します」



 2人はこちらに向き、敬礼した。



「コマンダー・アレス、コマンダー・イリアス、両名とも艦長が若干の記憶障害を起こしているという通信は受けていますか?」

「「イェス、マム」」

「では、それぞれ自分の職務説明をしてください」



 そう言うと、フルアーマーが一歩前へ出た。



「はっ、ではまず自分が……… 自分は戦闘課司令、アレス。階級は大佐です。我々の役目は主に強襲、占拠、防衛などを主にとしています。艦長との任務は初ですが、これからも全力で任務にあたっていきたいと思います」



 次に前に出たのは濃青ローブが一歩前へ出た。



「次は自分ですね……… 自分は戦闘課要人護衛部司令、イリアス。階級は大尉です。アレス大佐の指揮下ですが、我々の役目は艦長の身辺護衛を主にしています。ここにいるミコトも私の指揮下の兵です」



 そう言うと、ミコトは一礼した。



「要人護衛課は少数の部隊ではあるけれど、なかなかの精鋭が揃ってるの。艦長に一番関わりのある部署だから、よく覚えておいてね」

「分かった。2人もお、私はさっきも言った通り、記憶が曖昧な部分がある。いろいろと迷惑をかけると思うがよろしく頼む」



 ザッ、と2人が敬礼するとイリアスはメイン・ブリッジを出ていった。



「さて、まだほとんど役職との顔合わせが済んでないけど、艦長、そろそろ食料補給に向かいましょうか」

「そうだな。補給地点なんかはもう分かってるのか?」

「ここから北東へ10km行った所に湖のような所があるからそこで水の補給をしたいと思うの」

「そうだな、じゃあそこへ向かおう、艦を湖に向けて発進させてくれ」

「「「了解!」」」









    無人星、とある湖ーーーー









 アイガイオンは荒れ山から離れ、数分で湖に着いた。今は兵士たちで湖の水質を調べ、どうやら合格だったみたいで、今は補給作業を行なっている。俺は正直暇で、アイに聞きながらキーボードを使ってデータベースにアクセスしてこの艦の勉強をしていた。しかし、ここにきて疑問に思うことが この艦はいったい何のためにこの星にいるのか、そもそもこの戦艦はどこの軍に所属するのか、とかいろいろな疑問が浮かんできたが、どうやらこの艦は『国際連合宇宙航空軍』という軍に所属していて、そこには見慣れた旗が載っていた。



(って、これ国際連合の旗じゃん!!)



 国連って、平和維持活動があるのは知っているが、軍隊って持ってたか? そういった疑問も浮かんだため、アイに尋ねてみた。



「なぁ、アイ」

「なんでしょう」

「このミカミ艦長は何のためにここにきたんだ?」

「そうね、まずは任務のきっかけを作った戦争のことを話さなくてはいけないわね」

「戦争?」



 今から100年前、地球に突如として謎の飛行物体が複数現れた。ワシントン、東京、北京、ロンドン、パリ、ベルリン、モスクワ等、経済的・文化的主要な都市の上空に現れた飛行物体は無差別な攻撃を開始した。死者は1000万人を上回り、各国の主要都市は壊滅的な打撃を受けた。だが、地球側もやられっぱなしというわけではなく、多国籍軍を編成し、空軍を主力とした反撃を行ったが飛行物体のシールドが堅固で、結果は芳しくなく、飛行物体、改め、侵略軍を撤退させるまでにはいかなかった。この攻防はこの後、10年続いた。



 そんな中、戦争の転機が訪れた。



 世界は長期戦争のため疲弊し、小国は地図上から消えつつある中、日本の研究機関が侵略軍の兵器の残骸から彼らのエネルギー源を突きとめ、同じ時、アメリカでは侵略軍の通信暗号の解析に成功、ドイツではシールドに対抗する兵器を開発。再び多国籍軍を編成し、侵略軍に対し反撃を再開した。結果からいうと、侵略軍を撤退ではなく、壊滅させることができたのだが、しかし彼らは厄介なものを残していった。通信解析の結果、彼らはある『新兵器』の実地試験を行おうとしていたらしいが、その兵器を使用する前に敗れてしまい、彼らの最後の通信によるとその兵器を回収しにまた戻ってくるみたいだった。



 再び侵略軍(やつら)が戻ってくる



 共通した考えが各国の代表たちの頭に浮かび、そこから宇宙開発事業は飛躍的に発展していった。正確には軍事面での開発だが、彼らが残していった残骸からいくつもの宇宙船が生まれては消えを繰り返し、人類は宇宙での活動範囲を広めていった。そして、人類が太陽系全体を手中に収めた頃、



 再び侵略軍(やつら)が戻ってきた。



 今度は太陽系に入った時点で敵影を捉えることができたので、対処を講じることができたが、その際、『国際連合宇宙航空軍』は彼らの残していった『新兵器』を太陽系の外に持ち出すという案が出ており、この頃ようやく『超長距離跳躍航行』の技術が確立してきてこの案を実現することは可能だった。



 早速、新型の艦船に『超長距離跳躍航行』の装置が積み込まれ、陽動のため同様の艦船が3隻用意され、同時に地球を飛び立った。その内の1隻が『アイガイオン』であり、『超長距離跳躍航行』でエネルギーを使い切ったので、この無人星の衛星軌道上に待機していたという状況だった。



「ちなみに、この宇宙船(ふね)にその『新兵器』って載ってるの?」

「いえ、載ってないわよ」

「……… じゃあ俺らってこれからどうするかって計画ある?」

「いいえ、特には。あまりに慌ててたので、その事はまったく考えていなかったの。だけど、しばらくは地球には戻れないし、食料が手に入ったらまたこの星の衛星軌道上で待機してればいいと思うわ」

「そう」



 何か、一気に萎えたな………………



 そんな、ちょっとブルーな気分になってると、通信が入った。



《アルファ01からブリッジ》

「こちらブリッジ」

《食料探索を行なっていますが、以前食料に適する物資を発見できません》

「そうですか……… どうしますか、艦長」



 そう言うと、通信士のガイノイドがこちらに振り向いた。



「どうするっても、俺、食料がないと生きていけないし」

「しかし、他の探索部隊からの報告も芳しくないのですが」

「う〜ん」



 艦長席で唸ってると、突然、メイン・ブリッジを警報が鳴り響いた。



「8時方向より国籍不明の小型飛行物体! 船体は炎上し、速度を上げてこちらに接近中!

このままだと艦に衝突します!」

「直ちに回避行動を取れ! 同時にシールドを展開!」

「了解!」



 アイの指示の下、ガイノイドたちは直ちに作業に移っていった。メイン・ブリッジ全体に緊張が伝わるのが肌で感じられた。






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