第6話 迫る冬と食料ピンチ! 謎のダンジョンへいざ出発!
うさぎが獲れなくなっただけではなかった。
近くの木を見上げても、果実がほとんど残っていない。
奥の方には、まだ残っているけど、それもいつまで保つか。
それに心なしか、寒くなってきた気もする。
「エマ、ちょっと相談があるんだ」
拠点である地下一階のベッドルームに戻り、エマに声をかける。
「どうしたの、フェル? そんな難しい顔して。 そうそう、魚釣れたよ! 見て見て」
エマは木で作ったバケツから、自分が作った魚を自慢げに見せてきた。
(言いにくいけど、ちゃんと言わないと)
「エマ、大事な話なんだ」
ぼくは、気持ちを奮い立たせて口を開いた。
「この島、すごく狭いだろ? だからその……、うさぎみたいな小動物もう取り尽くしちゃったみたいなんだ。 果物だって、いつまで保つか……」
「……え?」
エマから笑顔が消える。
「今はまだ暖かいからいいけど……。もし、この島に冬が来たらどうする? 魚を釣りに行くことも難しくなるかもしれない。 冬が来るまでに、魚が大量に捕れて保存すればなんとかなるかもしれないけど。 でもやっぱり、それだけでは厳しいと思うんだ」
その言葉に、エマがごくりと息を呑んだ。
「このままじゃ、ぼくたちは死んでしまうかもしれない。 だから――生き残るためにダンジョンを調査してみない?」
「ダンジョンって……地下2階のこと?」
ぼくは黙って頷く。
「前に扉から聞いた声。 魔物か、それに近い猛獣がいるかもしれない。 でも、食べられる獣だったら? ダンジョンの奥に何か、脱出できるヒントがあるとしたら?」
(もちろん、何の確証もない。希望的観測だ)
でも、背に腹は代えられない。
このまま黙って飢え死にする前に、潜るしかないのだ。
「……わかったわ」
エマも真剣な表情でコクリと頷いた。
(本当はエマに危険なことはさせたくない。 でもぼく一人の力じゃ限界がある)
ぼくは、自分の無力さに唇を噛んだ。
「とりあえず、倉庫にあった武器や装備を使わせてもらおう」
二人で倉庫へ向かい、ホコリを被った剣や革の防具を手に取る。
「これ、着てみてもいいのかな?」
「持ち主には悪いけど、借りよう」
ぼくは革の鎧を身につけ、剣を腰に下げてみた。
エマも、動きやすそうな服と短い杖のようなものを手に取っている。
「うん、サイズも問題ないね」
エマが、くるりと回転して動きを確認している。
(……よし、こっちのサイズもぴったりだ)
「よし、準備はいい? エマ」
「うん。いつでもいけるよ!」
覚悟を決めて、地下二階へと続く階段を降りる。
見えてきたのは、重くて冷たい石の扉。
前に開けた時は、恐ろしい声が聞こえて逃げ帰ってしまった。
(怖いけど……やるしかない!)
ぼくはエマと顔を見合わせ、ビビりながらもゆっくりとその重い扉を押し開けた。
地下二階は、居住区だった一階とは全く違い、ひんやりとした空気が漂っていた。
石造りの壁には松明すらなく、エマの小さな炎の魔法だけが頼りだ。
(いきなり猛獣とか出てきませんように!)
へっぴり腰で剣を構えながら、ジリジリと進む。
「フェル、気をつけて。 何かいる……!」
エマが杖を構え、緊張した声を出した。
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