第4話 豪華すぎる地下拠点!? 初めてのお肉でサバイバル開始!
「フェル! フェルってば!」
目を覚ますと、エマが心配そうに顔を覗き込んでいた。
「あ、あれ……?」
起き上がろうとして、少しだけクラッとする。
「急に鼻血出して倒れるから、びっくりしたよ!」
どうやら、クラフトの時に魔力をごっそり持っていかれたらしい。
別に、変なことを考えて鼻血が出たわけじゃない。
そう、絶対にだ!
「ぼくのイメージを、エマの魔法を合わせると、すごくエネルギーを使うみたいだ」
その後、僕たちは色々と試した。
何度も、鼻血を出し、そのたびに意識を失った。
でも、繰り返すことでコツがわかってきた。
イメージの仕方、エマへのイメージの送り方。
そして慣れてくると、鼻血を出したり、意識を失うことがなくなった。
あと、分かったこともある。
一つの素材だけでは作れないものもあるし、作りたいもののサイズに応じて、素材の量も必要になる。
便利な能力だけど、制約があるんだ。
気を取り直して、今度は木を素材にして試してみることにした。
洞窟の外に出ると、雨はもう上がっていた。
二人で洞窟の近くに落ちていた木を集めた。
「う、水を吸って重い……」
文句を言いながら二人で、集めた木を洞窟へ運んだ。
雨が上がり、さっきよりも光が差し込んだ洞窟の隅に、燃えかすのような木の塊があった。
(誰かの焚き火の跡? まさかね)
「フェル! サボってないでちゃんと運んでよ」
エマの言葉に我に返る。
それからぼくたちは、何度も往復して、材料となる木を洞窟に運び込んだ。
(頭の中に構造を……)
エマと手を繋いで、イメージを送る。
「できた!」
木製のコップにお皿などの食器。
さらに少し休んで魔力を回復させてから、小さな机と椅子まで完成させた。
「すごい! なんかいい感じになってきたね!」
エマが、完成した椅子に座って嬉しそうに足をバタバタさせている。
「次は、罠だ」
獲物を捕まえるための木製の罠と、釣竿をクラフトする。
なかなかの出来栄えだ。
(糸もいるけど、草から作れるかな? 針は木で作るしかないか……)
安定して魚を取ることも、大事になるはず。
人が生きていくためには、食事は絶対に必要なのだ。
それから、僕たちは、雨が上がったのを確認して、森の入り口に罠を仕掛けた。
しばらくしてから様子を見に行くと、なんと本当にうさぎが罠にかかっていた。
「ごめんよ……。 でも、ぼくたちも生きるために必死なんだ」
ぼくが命に感謝していると、横でエマは「お肉!お肉!」と、はしゃいでいた。
捕まえたウサギを、焚き火でじっくりと焼いてみる。
洞窟の中に、香ばしい匂いが広がった。
「ん〜っ! おいひぃーっ!」
エマが目を輝かせて、熱々のお肉を頬張る。
「本当に美味しい……! お肉、最高!」
久しぶりのお肉の味に、思わず涙が出そうになる。
果物もいいけど、やっぱりお肉を食べると力が湧いてくる気がした。
お腹が満たされたところで、ふと、この洞窟の奥が気になった。
暗くてよく見えないが、もっと奥まで続いているように見えたからだ。
「ねえ、この奥ってどうなってるんだろう?」
「行ってみる?」
エマに小さな炎の魔法を出してもらい、それを明かりにして奥へと進んでみた。
しばらく歩くと、不自然な壁に突き当たる。
自然の洞窟にはありえない、人工的な石の扉があった。
「ダンジョン……?」
恐る恐る扉を開け、石造りの階段を降りていく。
「え……嘘だろ?」
地下一階に広がっていたのは、信じられない光景だった。
壁は石が煉瓦のように積み上げられ、綺麗な石畳の通路が伸びている。
通路の左右にはいくつも扉があり、ダンジョンというよりは居住区と言っていい造りをしていた。
「何があるかなー?」
エマが不用心に、入り口近い部屋の扉を開ける。
「え?」
ぼくたちは思わず息を呑んだ。
なんと、ベッドが置かれた部屋があったのだ。
さらに隣の部屋は倉庫のようになっていて、剣などの武器や装備がある程度揃っている。
「フェル、ここすごいよ! 普通に暮らせそう!」
「誰かが住んでたのかな……?」
(なんでこんなところが……。 誰か他に人がいるのか?)
変な緊張感が走った。
確かに考えてみれば、屋根付きの井戸もあったし、人が住んでいてもおかしくはない。
でも、人がいる気配や、生活の痕跡は感じなかった。
ひょっとすると、人が住んでいるのではなく、住んでいた、のかもしれない。
(だとすると、その人たちはどうなった? 脱出したのか? それとも――)
ぼくは首を左右に振って雑念を振り払う。
そんなことを、今考えても仕方ない。
まずは、今を生き抜かなくては。
なんか、都合が良すぎる気もするけど、今はありがたいと思うことにした。
一部屋ずつ調査していると、通路の奥に、さらに下へと続く階段を見つけた。
まだ調べきれていない部屋もあるけど、一旦後回しだ。
「もう一階、潜ってみる?」
エマと顔を見合わせ、コクリと頷く。
そして階段を降りると、地下二階の重そうな扉に手をかけた。
ギィィ……。
少しだけ開けた、その瞬間。
『グルルルゥゥゥゥッッ!!』
地響きのような、恐ろしい声が聞こえた。
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