第14話 仲直りの特製お風呂クラフト! ぽかぽか湯船でハプニング!?
息を切らして拠点である第二の小屋に飛び込む。
ベッドでは、エマがまだ苦しそうに荒い息を吐いていた。
「エマ、薬草をとってきたよ!」
僕は急いで、木のお皿の上で青い三つ葉の薬草を石ですりつぶした。
少し水に溶かして、エマの口元にゆっくりと運ぶ。
「……ん、にがっ」
顔をしかめながらも、エマはなんとか薬草を飲み込んでくれた。
しばらくすると、真っ赤だった顔色がみるみるうちによくなり、荒かった呼吸も落ち着いてきた。
「……フェル?」
ゆっくりと、エマが目を開ける。
「よかった……っ! 本当に、よかった」
僕はホッとして、ベッドの横にへたり込んだ。
「フェルが一人で薬草をとりにいってくれたの?」
「うん。 湖で巨大なカエルと戦って、なんとか勝てたんだ」
「ふふっ。 頼りなかったのに、少しは頼もしくなったんじゃない?」
エマが弱々しく笑う。
僕は首を横に振った。
「ごめん。僕、自分のことしか考えてなかった」
「フェル……」
「エマもちゃんと療養しないとだし、環境のいいここでもっと力をつけよう」
僕がそう言うと、エマは嬉しそうに頷いてくれた。
それから数日後。
すっかり元気になったエマは、自分の服の匂いをクンクンと嗅いで顔をしかめた。
「うーん……熱でいっぱい汗かいたから、お風呂に入りたいなー」
「よし。じゃあ、この拠点を増築して、最高のお風呂を作ろう!」
僕は森から木材や石、そして余っている鉄鉱石をかき集めてきた。
「エマ、手伝って」
「うんっ!」
二人でぎゅっと手を繋ぐ。
女の子の柔らかい手。
少しドキドキするけど、すぐに頭を切り替えて構造をイメージする。
(小屋の横に新しい部屋を増築! 木の立派な湯船と……お湯を沸かすための金属パイプだ!)
外の焚き火でパイプを熱して、そこを通る水が温められて湯船に注がれるシステムだ。
僕の知識と設計図を、エマの魔力に流し込む。
「……えいっ!」
ピカーッ!
強烈な光が弾け、次の瞬間には小屋の横に立派なお風呂部屋が完成していた。
「わああっ! フェル、すごい! 本当にお湯が出てるよ!」
「へへっ、これでいつでもぽっかぽかのお風呂に入れるよ」
エマは大喜びで、すぐにお風呂に飛び込んでいった。
僕は外の焚き火の番をしながら、薪をくべる。
ちゃぷん、と気持ちよさそうな水の音が聞こえてくる。
「ふぁ〜……最高。生き返るぅ……」
「エマ、湯冷めしないようにちゃんと温まるんだよ」
「はーい!」
(エマが元気になってくれて、本当に良かった)
自分が、エマを救ったんだ。
そう思うと、なんだか心がスッと晴れた気がした。
エマとの言い争いも、記憶喪失のことも全部忘れちゃうくらいに。
(……あれ? 急に静かになったな……。 湯加減大丈夫かな)
おかしい。
水の音一つしない。
嫌な予感がした。
ひょっとして、また倒れたんじゃ?
(お風呂部屋なんて、大きなクラフトしたからまた体に負担がかかったのかも……!)
「エマ!」
気がついたら、僕はお風呂のドアを開けていた。
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