第13話 湖畔の魔物! 決死の薬草ハンティング
今はそんな違和感を気にしている場合じゃない!
この情報に頼るしかないんだ。
「待ってて、エマ。絶対に薬草を見つけてくるから」
苦しそうに息をするエマの頭をそっと撫でて、僕は立ち上がった。
剣を腰に下げ、鉄の盾を左腕にしっかりと固定する。
(……一人でダンジョンを探検するのは、これが初めてだ)
エマの明るい声も、頼りになる炎の魔法もない。
小屋を一歩出た途端、周りの全てが急に恐ろしいものに感じられた。
膝がガクガクと震えそうになる。
(しっかりしろ、僕! 一人でなんとかするんだ! エマを助けるために!)
両手でパンッ!と自分の頬を叩き、気合を入れる。
(待ってて、エマ……)
僕は、メモに書かれていた湖畔を探して、僕は地下三階の森をひたすら走った。
鉄の鎧と盾が、走るたびにガチャガチャと重い音を立てる。
しばらく進むと、木々が開け、透き通った大きな湖が現れた。
(青い三つ葉の薬草……青い三つ葉……!)
湖の周りを這いつくばるようにして探す。
すると、水辺の岩陰に、ひっそりと生える青い植物を見つけた。
「あった! これだ!」
思わず声に出して、薬草に手を伸ばした瞬間。
バシャァァッ!!
ものすごい水しぶきを上げて、湖の中から巨大な影が飛び出してきた。
「うわあっ!?」
現れたのは、牛くらいある巨大なカエルの魔物だった。
全身からヌルヌルとした粘液を垂らし、ギョロリとした目でこちらを睨んでいる。
『ゲロロロォォッ!』
巨大カエルが、ムチのような長い舌を勢いよく伸ばしてきた。
「くっ……!」
僕は素早く、左手の鉄の盾を構える。
ガギィィンッ!
ものすごい衝撃で、腕がビリビリと痺れた。
足を踏ん張っていないと、そのまま吹き飛ばされそうになる。
(重い……っ! やっぱり、一人だとキツい!)
いつもなら、ここでエマの炎魔法が飛んでくるはずだ。
僕が防いで、エマが魔法を当てて敵を怯ませる。
でも、今は僕一人しかいない。
大好きなエマの「ジュウウッ」という援護はないんだ。
『ゲゲァッ!』
カエルが再び、太い舌を鞭のようにしならせて撃ち出してくる。
(僕が、エマを助けるんだ!)
僕は盾で防ぐのをやめ、横に大きく飛んで攻撃をかわした。
ベチャッ!
カエルの舌が地面に激突し、一瞬だけ動きが止まる。
その隙を見逃さなかった。
「いっけえぇぇ!」
地面を強く蹴り、一気に距離を詰める。
右手に握った剣を、渾身の力で振り下ろした。
シュパンッ!
ブシャァァッ!
強化された鋭い刃が、巨大カエルの体を深く切り裂いた。
『ギギャアアッ……』
カエルの魔物は不気味な鳴き声を上げると、ドサリと崩れ落ちて動かなくなった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
肩で大きく息をする。
膝が笑って、その場にへたり込みそうになった。
(勝てた……。一人でも、やれたんだ)
でも、喜んでいる暇はない。
エマの熱を下げるのが最優先だ。
僕は震える手で、岩陰に生えていた、青い三つ葉の薬草を丁寧に摘み取った。
(エマ、待ってて……!)
僕は薬草をしっかりと握りしめ、エマが待つ拠点に向かって全力で走り出した。
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