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DANDY  作者: kagari
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8/17

タイトル未定2025/11/19 07:56

 翌日、出社したちはるは社内で亮を見かけ挨拶をした。

「おはよう」

「おはよう、友光さん」

 課こそ違うがお互い同期入社で、顔と名前くらいは知っている。

 しかし亮が秘書と言うせいか、必要以上に親しく話をしたことはない。

 ちはるは亮の側に行くと、さっそく昨夜のことを切り出した。

「ぱっつんって、独りでbarに行くのね。さすが~」

 亮は思わず、ちはるをみつめた。

「barから出てきたぱっつんを、見ちゃったのよ。素敵なお店ね」

 亮は、何も言わず黙っていた。

「ねぇ、アタシをあのbarに連れて行ってよ」

「えっ?」

「今日、仕事が終わったらさぁ。いいででしょ」

「きょ……今日は、ちょっと用事が」

 亮はとっさに、でまかせを言った。

「じゃあ、いつならいいの?」

「いつと言われても……都合のいい日ができたら、お知らせします」

「ありがとう。楽しみにしてるわ」

 ちはるは、亮に背を向け歩きだした。

 

「おっは~友光!」

「わっ!も~びっくりしたぁ~」

 突然背後から馬場に声をかけられ、ちはるは飛び上がらんばかりに驚く。

「オーバーだな。北神ちゃんと、話をしていたじゃないか。珍しい」

「まぁね」

「珍しいな。何を、話していたんだ?」

「それは……女同士の話よ。馬場には、関係ないわ!それより、仕事仕事!」

 言いながらちはるは、急ぎ足で職場に向かった。


 亮が秘書室に入ろうとすると、社長の水田がやってきて亮に声をかけた。

「おはよう」

「おはようございます」

 亮は深く頭を下げた。

「早速だが、北神君に頼みたい。ちょっと来てくれ」

 水田に言われるままついていくと、亮は社長室に通された。

 社長室には大きな机の上に、デスクトップのパソコンが置いてあり、来賓用のソファーとテーブルが置かれていていた。

 水田は、大きな机の回転イスに座った。

 机を挟んだ水田の前に、亮は立った。

「社長、頼みたいこととは?」

「北神君と一緒に行ったbarに、娘と一緒に行ってほしい」

 頼みたいこととは、多分そのことだろうと、亮は察していた。

「私は、社長のお嬢様とお会いになったことはありません。初対面のお嬢様と店に行くなんて、荷が重すぎます」

「もちろん、私も一緒に行く。全て私に、任せてくれ。これは、業務命令だ」

……業務命令。

 この言葉を言えば、社長は私が動くと思っている……。

「わかりました。いつ、行けばいいでしょうか」

「早い方が、良いだろう。娘には、既に話をしてある」


 授業の間の休み時間。

 若菜は、窓側の自分の席に座っていた。

 流花は、若菜の席の窓際で、腕を組んで立っていた。

 流花は、若菜から聞かされた話に声を上げた。

「本当に、barのマスターと会うの?」

「パパが、どうしても会わせたいって。パパとパパの秘書と三人で、barに行くの」

「そうなんだ。マスターって、どんな人だろ。お父さんから、聞いていない?」

「パパは、いい男だとしか言わない」

「じゃあ、どんな人かわからないのね」

「ねぇ!シロちゃんも、一緒に来てよ!」

「ちょっと!冗談じゃないわよ!」

 流花が声を上げたところで、次の授業の始りを告げる予鈴がなったのだった。

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