表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DANDY  作者: kagari
14/17

タイトル未定2025/11/19 08:42

  大晦日の夜、外は凍てついて今にも雪が降りそうだった。

 両親が海外旅行に行ったので、若菜は流花を家に呼んだ。

 流花は、泊まり道具一式を持って、若菜の家にやってきた。

 昼間からおでんを仕込み、大人がいない家で、若菜と流花は楽しく話をしながら晩ご飯のおでんを食べた。

「シロちゃんは、なんでもできるね」

 おでんを作ったのも、ほとんど流花一人で作ったようなものだ。

「スイは、手先が器用じゃない。ピアノが弾けるし。私、ピアノなんて弾けないよ」

「それは、小さい頃から弾いていたから。シロちゃんだって、ピアノ習えば絶対弾けるって」

「そうかなぁ?スイは、四月から短大生だよね。将来は、保母さん?」

「うん。小さい頃から、保母さんになりたかったんだ。シロちゃんは、大学生だよね」

「うん」

「推薦で行くから、やっぱシロちゃんは凄いなぁ」

「運が良かっただけだよ。奨学金で行くから、しっかり勉強しないと」

「四月になったら、シロちゃんとこんな風にのんびりできないのかな?」

「どんなに忙しくても、お互い連絡し合って会おうね」

「もちろん。ねっ、食べちゃったら、神社に行かない?」

「そうだね」

 

 小さい神社のせいか、神社には数人の参拝客しかいなかった。

 小銭を賽銭箱に投げてお参りした後、除夜の鐘を鳴らして、境内で振る舞っていた甘酒をもらった。

 甘酒を飲んでいると、少しずつ体が温まっていく。

 甘酒を飲みながら、流花は若菜に聞いた。

「あれから、マスターとはどうなったの?」

「どうって……どうもしないよ。あれ以来、お店に行っていないし」

「未成年だから、行けないよね」

「覚えてる?ちはるさん」

「うん」

「マスターと、何かあったかな?良いなぁ社会人は!アタシも早く社会人に、なりたい」

「えっと……ちはるさん以外に、もうひとり女の人がいたよね。メガネをかけた」

「パパの秘書ね。北神さんが、どうしたの?」

「北神さんって、言うんだ。心配するのは、ちはるさんより、北神さんの方じゃないの?」

「どうして?」

「北神さんも、マスターのこと好きみたいだし」

「そっ、そうかなぁ?」

「なんとなく、そんな感じがする」

「やだぁ、ライバル多い!!」

「背が高くてかっこいいし、やさしく接してくれるもんね。職業柄だろうけど」

 甘酒をゆっくり飲みながら、流花の言葉を聞いていた若菜は、じっと流花をみつめて言った。

「……もしかして、シロちゃんも、マスターのことが好きなの?」

「えっ?」

「シロちゃんが、男の人のことをかっこいいって言うの初めてだから。ねっ、マスターのこと、好きなの?アタシに遠慮して、ごまかしたりしないで。好きなら、正直に言って」

「マスターが好きとか……そんなことわからない。男の人に、興味なんてないよ」

「でも、マスターのことかっこいいって言ったじゃない」

「それは、そう思ったから言っただけ」

「シロちゃん……何かあったの?」

「何もないよ。それより、今年も後少しで終わりだね。年内に進路が決まって良かった」

「うん。後は単位を落とさないで、卒業を待つばかりだね」

「寒いね。そろそろ帰ろうか」

 若菜と流花は、手にしていた甘酒が入っていた紙コップをゴミ箱に捨てると、寒さをしのぐよう寄り添うように、歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ