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無限図書館

無限図書館

作者: 星野☆明美、chatGPT
掲載日:2025/10/16

本に使用されている紙の独特な匂いがした。

古い匂い、新しい匂いが混在している。

懐かしいような、不思議な場所に来てしまったような気がした。


どこまでも、どこまでも本棚が続いている。

背表紙は色とりどりで、見上げれば霞んだ天井の奥まで、果てのない空間に積み重なっていた。


「ここはどこだろう……」

思わず声に出したとき、背後から落ち着いた声が響いた。

「迷子にならないように、あまり奥まで行ってはいけません」


振り返ると、そこに立っていたのは背広を着た中年のおじさんだった。

少し古びた帽子を目深にかぶり、落ち着いた灰色の瞳でこちらを見つめている。


「あなたは……誰ですか?」

思わず問いかけると、おじさんはやわらかく微笑んだ。


「私はこの無限図書館の館長です。

 ここは、訪れた者が探し求める答えを映し出す場所。

 そしてあなたは――進むべき道を迷っているようですね」


女子高生は胸の奥を見透かされたようで、驚いて言葉を失った。


館長は片手をゆっくりと上げた。

すると、空気が震え、本棚の間から一冊の分厚い本がすうっと浮かび上がった。


「これは――司書の本」

館長の声とともに、本は目の前でぱらぱらとページをめくりはじめる。


光が漏れ、やがてその中から人影が現れた。

丸眼鏡をかけた女性の司書だった。手には山積みのカードと蔵書票を抱えている。


「ようこそ。私はこの図書館の司書です」

そう言うと、女性は苦笑を浮かべながら肩をすくめた。

「夢に見たような仕事だと思うでしょう? でも実際は、蔵書整理で一日が終わってしまうんです」


女子高生は目を丸くして聞き入り、そして小さくつぶやいた。

「それでも……こんな図書館で働けたら、素敵だな」


その瞬間、図書館全体がふっと揺らいだ。

気づけば女子高生は学校の図書室の机に突っ伏していた。

目の前には、いつのまにか一冊の本が開かれている。


『図書館司書入門』――タイトルを見て、彼女は息をのんだ。


窓の外では放課後の光が傾いている。

夢だったのか現実だったのか、確かめようもない。

けれど彼女の胸の奥には、確かに新しい憧れが芽生えていた。


「いつか、本当にこんな図書館で働けたら……」


彼女はそっと本のページに手を触れた。





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