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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
99/101

第97話(後編): 「沈黙の中にあるもの(夜の席)」 (金曜日)

章太さんの“好き”という気持ちが静かに滲み出し、リンコさんもその空気を受け止めるような構成にしました


飲み会の席


金曜日の夜。

駅近くの小さな居酒屋。

未来、遥、リンコ、章太の4人が並んで座っていた。


未来が乾杯の音頭を取る。


「章太さん、広報部へようこそ。

そして、懇親会お疲れさまでした!」


グラスが軽く鳴り、静かな夜が始まった。



◆ 会話の間


未来が笑いながら言う。


「章太さん、広報部に来る前からずっと一緒に仕事してましたよね。あっさり馴染んで」

遥がうなずく。


「そんなに誰かのことが気になるんですか?」

章太は笑う。


「…たぶん、かなり気になるかも…」


リンコは、何も言わずにグラスを傾けた。

でも、その言葉が自分に向けられたものだと、静かに感じていた。



◆少しだけ個人的な空気


料理が運ばれ、会話が少しずつ緩んでいく。

未来が席を立ち、遥がそれに続く。

ふたりが席を外した瞬間、リンコと章太が並んで残った。


章太が、少しだけ声を落として言う。


「…氷川、ちょっと明日か明後日会えないかな、休みのところ悪いんだけど」

リンコは、少しだけ笑って答える。


「どうしたんです、先輩。あらたまって。もちろんリンコはいつでもOKですよ〜」


「氷川。酔ってるな」

酔ってるフリなのか、酔ってるのか。お互い曖昧な時間が心地よかった。



帰り道。

4人は駅まで並んで歩いた。

未来と遥が少し前を歩き、章太とリンコが並んで後ろを歩く。


リンコがふとつぶやく。


「明日連絡しますね」

章太は答える。


「了解、じゃあ明日な」 

二人は少し頬が緩むのを感じた。

次回は第98話、土曜日編。

リンコさんが“仕事”ではなく“章太さん”を選びたいと思い始める一日。

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