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第97話: 「沈黙の中にあるもの」 (金曜日)
第97話(金曜日編)をお届けします。 今回は、章太さんがリンコさんを仕事終わりにそっと誘う一日。
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広報部の静けさ
金曜日の朝。 広報部では、社内報の最終チェックが進んでいた。 章太はリンコの隣で、見出し案を確認していた。
未来がふとつぶやく。
「最近、ふたりの間の沈黙が心地よさそうだね」 遥がうなずく。
「いつまでたっても進展しないわね、どうなってるのかな」
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言葉にならない気持ち
午後。 章太は、リンコの文章にコメントを添えながら、ふと手を止めた。 “この余白、誰かの気持ちが入る場所ですね” その言葉が、自分の気持ちにも重なっていた。
「…言葉にしなくても、伝わることってあるんだな」
でも今日は、少しだけ言葉にしてみようと思った。
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仕事終わりの誘い
夕方。 広報部の仕事がひと段落した頃。 章太は、リンコのデスクにそっと声をかけた。
「氷川、今日このあと…少しだけ? …飲みに行かないか」
リンコは、少しだけ驚いたように笑った。
「…はい。行きましょう。先輩、お腹すいた~」
未来が遠くから見ていた。 何も言わずに、静かにうなずいた。
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“好き”という気持ちが、言葉ではなく“行動”として現れることで、ふたりの距離が静かに近づいていくような構成にしました。




