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第94話: 「気配が重なるとき」 (火曜日)
今回は、章太さんとリンコさんが仕事の中で自然に並ぶ場面が増え、周囲もその空気に気づき始める一日。
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広報部の並び
火曜日の朝。 広報部では、章太とリンコが並んで資料を確認していた。 コラボ企画の進行表と、社内報の構成案。 ふたりの視線が、自然と同じページに重なっていた。
未来がふとつぶやく。
「最近、章太さんとリンコちゃんって、よく並んでるよね」 遥が静かにうなずく。
「でも、並んでるっていうより、なんか重なってる感じ」自然と笑みがこぼれる。
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言葉の調整
午後。 章太は、リンコの書いた文章にコメントを添えていた。 言葉の“間”を少しだけ広げるような提案だった。
リンコがメモを見ながら言う。
「先輩の“間”って、広報部の文章にすごく合いますね」 章太は笑う。
「きっとそれは、氷川の文章が“間”を受け止めてくれるからだな」
未来がそっと言う。
「それ、ふたりの文章が並んでるってことですね」
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沈黙の共有
夕方。 ふたりは、社内報の見出し案を並べていた。 言葉を交わすことは少なかったが、沈黙が心地よかった。
遥がふとつぶやく。
「沈黙が心地よくなるのって、信頼関係だよね」
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次回は第95話、水曜日編。 章太さんがリンコさんの文章に触れ、自分の言葉の使い方が変化していることに気づく一日。




