第85話: 「休日に話すこと、話さないこと」 (日曜日)
仕事から少し離れた時間の中で、ふたりが“言葉にならない気持ち”や“仕事との距離感”について静かに語り合うような構成にしました。
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静かな待ち合わせ
日曜日の午前。 リンコは、駅前の小さなカフェで遥を待っていた。 休日にふたりで会うのは久しぶりだった。
遥が少し遅れて現れる。 「ごめん、ちょっと寝坊して」 リンコは笑って答える。
「休日だもん。 …寝坊するくらいがちょうどいいよ」
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カフェの会話
ふたりは、窓際の席で紅茶を飲みながら話していた。 話題は、最近の社内報の反響や、次のコラボ企画のこと。
遥がふとつぶやく。
「リンコちゃん、はっきり聞くけど、先輩とどうなの?」 リンコは、紅茶を吹き出した。
「ほんとにはっきり聞くね?まあ私としてはやぶさかではないというか…」だんだん声が小さくなって行くリンコ。目が泳いでいるようだ。
遥がうなずく。
「ごめんごめん。こんなに面白い反応すると思わなくて」
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歩きながら
夕方。 ふたりはカフェを出て、駅ビルでウィンドウショッピングを楽しんでいた。 街は賑やかで、ハロウィーンの装飾が目をひく。
遥がふと問いかける。
「もし先輩が広報部に来たら、どう思う?」 リンコは、少しだけ考えてから答える。
「…仕事がしやすくなる、かな。 いや、しづらくなる、どっちだろう」
遥は笑う。
「ま、決まる前から考えてもしょうがないよね」
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リンコの余韻
夜。 リンコは、社内報の下書きを開いた。 今日のことはまだ言葉にならなかったが、冒頭文に一行だけ加えた。
「休日に誰かと話すことで、仕事の中にある気持ちが少しだけ輪郭を持ち始める。」
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次回は第86話、月曜日編。 広報部でコラボ企画が本格的に動き始める一日。




