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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
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第75話: 「並ぶことで、見えてくるもの」 (木曜日)

イベント前日。広報部と企画部の展示が完成し、ふたりの文章が“隣に並ぶ”ことで、言葉にならないものが静かに輪郭を持ち始める一日。


広報部の仕上げ

木曜日の朝。 広報部では、展示用の文章がすべて整い、印刷と配置の最終確認が進んでいた。 未来がパネルを並べながらつぶやく。


「これ、企画部のコピーと並ぶと、しっかり迫力あるね」 遥がうなずく。


「文章って、単体よりも“隣にあるもの”で変わるんだなって思う」


リンコは、先輩のコピーと自分の文章が並ぶパネルを見つめていた。 言葉の“間”が、どこか似ている。 でも、響き方は違う。



交差する空気

午後。 企画部から陸とひよりが広報部にやってくる。 展示の設営を手伝いながら、ひよりがふとつぶやく。


「章太さん、今日ちょっと緊張してましたよ。 “隣に並ぶ”って、意外と勇気いるんですね」


陸が笑いながら言う。


「でも、リンコちゃんの文章が隣にあると、“安心”するんじゃないかな~」


未来が小さくうなずく。


「ふたりの文章、並べると“言葉にならないもの”が見えてくる気がします」


リンコは、展示の最後の調整を終えながら答える。


「…言葉にしないまま残っていたものが、 誰かと並ぶことで、少しだけ輪郭を持ち始めるんですね」



静かな確認

夕方。 章太が広報部に立ち寄り、展示の最終チェックをする。 リンコとふたり、並んでパネルを見つめる。


「…明日、誰かがこの“間”に気づいてくれるといいな」 章太がそう言う。


リンコは、少しだけ笑って答える。


「気づかれなくても、残ればいいと思ってますよ。わたしは 」


章太は、何かを言いかけて、でも言葉にはしなかった。 その沈黙が、ふたりの間に静かに残った。



広報部の余韻

夜。 リンコは、社内報の文章を考えていた。


「うーん。いつもはもっと自然に思いつくのに~」


遥がそれを見て、ふとつぶやく。


「…明日、何かが始まる気がするね」 未来がうなずく。


「でも、それは自然に進んでいく気がする」


次回は第76話、金曜日編。 イベント当日。ふたりの文章が並ぶ展示を通して、誰かが何かを感じ取る一日。

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