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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
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第73話: 「仕事の中に、約束が息づく」 (火曜日)

イベント準備が本格化し、広報部と企画部の空気が交差する一日。 章太さんとの“約束”が、仕事の中に少しずつ入り込んでくるような構成にしました。


午前:広報部の準備

火曜日の朝。 広報部では、イベント用の文章案が並び始めていた。 テーマは「言葉の外側」。 未来がモニターを見ながらつぶやく。


「これ、広報部らしくていいよね。 “伝えすぎないことで、伝わるもの”って感じ」


遥がうなずく。


「でも、文章の“間”が昨日より柔らかい。 っていうかちょっと曖昧じゃない?もっと思い切ってもいいんじゃない」


リンコは、少しだけ笑って答える。


「…はっきりしちゃうと、ちょっと怖いんだよね」



午後:企画部との交差点

午後。 陸とひよりが広報部にやってくる。 イベントの展示構成について、最終調整の打ち合わせ。


「章太は、今日ちょっと遅れて来るみたいです。 展示の並び順、広報部と企画部で交互にする案、通りましたよ」 陸がそう言って資料を広げる。


ひよりが補足する。


「“言葉の外側”ってテーマ、章太さんがすごく大事にしてて。 …リンコさんとのやりとりが、きっかけだったんですよね?」


リンコは、少しだけ目を伏せてから答える。


「…そうかもしれません。 でも、私も先輩の言葉に触れて、文章が変わった気がします」


未来が小さくつぶやく。


「それで、仕事が楽しくなるって言ってたの~」



夕方:ふたりの再会

夕方。 章太が広報部に顔を出す。 資料を渡しながら、ふとリンコに声をかける。


「どう? 展示の並び、広報部の文章が隣にあるってだけで、ちょっと緊張するけど」


リンコは、少しだけ笑って答える。


「…私もですよ。 でも、比較対象がある方がイベントっぽいし楽しいでしょ」


章太は、何かを言いかけて、でも言葉にはしなかった。 ただ楽しそうなリンコを見ていた。



広報部の余韻

夜。 リンコは、社内報の冒頭文に一行だけ加えた。


「仕事の中に、誰かとの約束が静かに息づいているとき、言葉は少しだけ柔らかくなる。」


遥がそれを見て、ふとつぶやく。


「…イイなぁ、楽しいのは仕事だけじゃないね」 未来がうなずく。


「展示よりも、空気の変化が楽しみかも」


次回は第74話、水曜日編。 イベント直前の空気が少しずつ高まる中、ふたりの距離が“仕事を通して”さらに近づく一日。

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