表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
57/101

第56話: 「余韻のある休日」 (土曜日)

前夜の食事をそれぞれが思い返しながら、休日を静かに過ごすふたりの姿を描いてみます。直接的なやり取りはなくても、互いの存在が“日常の中に残っている”ような、余韻のある一話を目指します。



午前10時。 リンコは、近所のカフェでノートを広げていた。 紅茶の香りが静かに漂う中、ペンが止まる。


「次はどこがいいかなあ?考えとくよ…って、言ってたな」


ページの端に、先輩の言葉をそっと書き留める。 その文字は、少しだけ揺れていた。



同じ頃。 章太は、自宅の本棚を整理していた。 ふと、以前リンコが話していたエッセイ集が目に留まる。


「…“言葉の余白”って、こういうことなのかもな」


本を手に取り、ソファに腰を下ろす。 ページをめくるたびに、昨夜のリンコの声がふと蘇る。



午後。 リンコは、スーパーで食材を選びながら、ふと立ち止まる。


「…先輩、こういうの好きなのかな。今度はわたしから誘ってみようかな」


手に取ったのは、昨日の店で出てきた前菜に似た食材。 買い物かごに入れるか迷って、そっと戻す。



夕方。 章太は、近所の公園を歩いていた。 ベンチに座り、スマホを開く。 メッセージ画面には、昨夜のやり取りが残っていた。


「…送るほどじゃないけど、 なんでもいいから伝えたいな」



土曜日は、ふたりが“前夜の余韻”をそれぞれの時間の中で抱えていた。 言葉にはしないけれど、 その静かな気配が、休日の空気を少しだけやわらかくしていた。



この一話で、ふたりの“関係の余韻”が日常に溶け込んでいく様子を、静かに描けたと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ