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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
52/101

第52話: 「火曜日の報告と、静かな約束」 (火曜日)

プロジェクト完了の報告が社内に広がり、ふたりの“ご飯の約束”が少しずつ現実味を帯びてくる一方で、ひよりがその空気を敏感に察する場面も含めて、火曜日らしい静かな余韻と動きのある一話に仕上げてみました。



火曜日の朝。 社内ポータルに、秋のキャンペーンプロジェクト完了の報告が掲載された。 企画部と広報部の連携による成果として、章太の名前が“企画設計責任者”として記されていた。


リンコはその報告をスマホで見ながら、静かに紅茶をひと口。


「…終わったんだ」


でも、心の中にはまだ“言葉の余韻”が残っていた。



昼休み。 広報部の資料棚を整理していたひよりは、社内報の草案を見返していた。


ひよりは、その文を見つめながらつぶやく。


「なんか章太さん、仕事に全力なんですね」


声に出した瞬間、自分の胸の奥が少しだけざわついた。 それは、自分でも説明できない、“気づいてしまった”感情だった。



午後。 章太は自席で、報告メールの返信を整理していた。 藤村部長からの一言が目に留まる。


「よくやった。 ‘‘言葉‘‘漬けだったからな。ちょっとのんびりしてこい」


章太は、ふとリンコとの約束を思い出す。 “終わったら、ご飯でも”——その言葉が、今は少しだけ現実味を帯びていた。



夕方。 リンコから章太にメッセージが届く。


「お疲れさまでした。 先輩。ご飯、今週の金曜とかどうですか?」


章太は、すぐに返信を打つ。


「ぜひ。 “言葉のない時間”、楽しみにしてるわ」



火曜日は、“報告”と“気づき”が重なる日だった。 ふたりの約束は、まだ静かだけれど、確かに動き始めていた。 そして、誰かの気持ちがそっと揺れたことも、また物語の一部になっていた。



週の始まりの余韻と、静かな進展がより自然に描けた気がします。

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