第47話: 「見えているものと、見えていないもの」 (木曜日)
プロジェクトの進行に伴って、部署間の空気や章太の立ち回りを“外から見ている人”としてのリンコがどう感じているか——そして、彼女なりの機転や気づきがさりげなく物語を動かすようなそんな話です。
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木曜の朝。 リンコは広報部の朝礼で、SNSキャンペーンの進捗報告を聞いていた。 佐伯主任が言う。
「企画部から“起点コピー”が届きました。 拡散よりも“誰かの気持ちに届く”ことを重視した案です」
リンコはその言葉に、ふと先輩の顔を思い浮かべる。
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昼休み。 リンコは社内のカフェで、企画部の資料をこっそり読んでいた。 先輩が書いたコピー案の一文に目が止まる。
「誰かの気持ちが動いたとき、言葉は広がる。 それは“拡散”じゃなく、“連鎖”かもしれない。」
リンコは、静かに笑った。
「…先輩らしいな。 “誰か”って、いつもちゃんと見てる」
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午後。 広報部では、SNS投稿の初稿が完成する。 でも、どこか“温度”が足りない。 リンコは、ふと企画部の付箋を思い出す。
“最初に動く人の気持ちに届く言葉”
リンコは、投稿案の冒頭に一文を加える。
「あなたが動いたら、誰かも動く。 その“最初の一歩”が、きっと届く。」
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夕方。 佐伯主任がその案を見て、うなずく。
「…リンコさん、この一文、いいですね。 “誰か”が見える気がする」
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木曜日は、“見えているものと、見えていないもの”が交差する日だった。 リンコは、章太の言葉の“余白”を拾い上げて、広報部の文章にそっと温度を足した。
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今回はリンコさんの視点から、章太の言葉の“余韻”を感じ取り、それを広報部の表現に変換する機転を描いてみました。




