第46話: 「温度差と、ひとさじの機転」 (水曜日)
部署間の温度差による苦戦と、リンコさんのさりげない機転が光る回を描いてみます。章太が“言葉の橋渡し役”として悩みながらも、少しずつ前進する様子を丁寧に描きます。
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水曜。 広報部から戻ってきた章太は、企画部の会議室で資料を開いていた。 藤村部長が静かに言う。
「…広報部、急ぎすぎてるな。 “拡散”ばかりで、“読まれる体験”が抜けてる」
章太はうなずきながら、言葉を探していた。
「…“届く”と“広がる”は、似てるようで違うんですよね。 その違いを、どう説明するか…」
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その日の午後。 リンコがふらりと企画部に顔を出す。
「先輩、広報部の資料、ちょっと見せてもらってもいいですか?」
章太が渡すと、リンコは数分見つめてから言った。
「…この“拡散力”って、たぶん“誰が最初に動くか”が鍵ですよね。 だったら、“最初の人”に向けた言葉を、企画部が作ればいいんじゃないですか?」
章太は、はっとする。
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章太は広報部に新しい案を持ち込む。
「最初に動く人の“気持ち”に届く言葉。 それが、拡散の“起点”になる。」
佐伯はその案を見て、少し黙ってから言った。
「…それ、いいですね。 “拡散”の前に、“共感”があるってことか」
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水曜日は、“部署の温度差に悩む日”だった。 でも、リンコのひとことが、章太の言葉を少しだけ前に進めた。
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今回は“苦戦”と“機転”のバランスを意識して描いてみました。




