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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
41/101

第41話:「同期の無茶ぶりは、空気を動かす」** (金曜日)

陸の“無邪気な週末プラン”が、章太との関係性を軽やかに映し出しつつ、リンコとひよりを巻き込む流れに。同期ならではの“遠慮のなさ”と“空気の読み方”が効いた一話にします。


---


金曜の午後。

企画部の資料整理を終えた章太が、席に戻るとすぐに陸が話しかけてきた。


「なあ章太、土曜って空いてる?」


「…何の話だ」


「いや、海行きたいなって思って。

でも男ふたりで行くの、なんか“青春の残り香”みたいでキツくない?」


章太は書類を閉じながら、無言で陸を見つめる。


「だからさ、リンコさんとひよりさん、誘ってみようよ。

先輩から声かけたら、自然じゃん?」


「自然じゃないだろ」


「いやいや、先輩が“空いてたらどうですか”って言えば、

“あ、章太さんも行くなら…”ってなるやつ。俺が言うより、絶対空気いいって」



その頃、広報部ではリンコが未来と話していた。


「…企画部の陸さん、なんか騒いでません?」


「うん。“海”って言ってた。たぶん、章太さん巻き込もうとしてるみたいだよ」


リンコは少しだけ笑う。


「先輩、そういうの断りそうだけど…断りきれない気もする」



夕方。

社内チャットに陸からの投稿が飛ぶ。


> “土曜、海行きたい人〜!

> 男ふたりはさすがに寂しいので、広報部の皆さんぜひ”


ひよりがすぐにスタンプを返す。


> 「海、いいですね〜!リンコさんも行きましょうよ!」


リンコは少し迷ってから、サムズアップ絵文字だけ返す。





陸が章太の席に戻ってくる。


「ほら、来た。リンコさんもひよりさんも。

これで“男ふたりの青春”は回避できました!」


章太は、画面を見ながら静かに言う。


「…おまえ、こういうときだけ空気読むのうまいな」


「同期ですから。“言わないけど行きたい顔”、見慣れてます」



金曜日は、“同期の無茶ぶり”が空気を動かす日だった。

誰も予定を立てたわけじゃない。

でも、誰かの声が、誰かの沈黙をそっと動かしていた。


---


陸と章太の“同期らしい遠慮のなさと信頼感”が、物語の空気を自然に揺らす回になったと思います。

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