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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
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第40話:「言ってないけど、それはもう言ってるみたいな空気」** (木曜日)

第40話(木曜日編)は、**陸が“天然っぽく見えて鋭いツッコミ”を入れてくる回**にしてみますね。ふたりの距離感に周囲が「じれったい」と感じ始める中で、**言葉にしない2人の空気を“あえて言葉にしてしまう”キャラ=陸**がぐっと場面をかき回してくれます。


---


木曜の午前。

企画部では、広報部との次回連携資料をまとめる作業が進んでいた。


章太が草案のチェックを終え、修正コメントを打ち込んでいると、

隣で陸が珈琲片手にふっとつぶやく。


「…“言ってないけど言ってる空気”って、最近めっちゃ出てるよ~」


「何の話だ?」


「いやいや、仕事だよ。というか、仕事の中の“人間味ゾーン”っていうか。

広報部の誰かとね? ほら、名前は出してないけど?」


章太は眉を動かさず、コメントの打ち込みだけを続ける。



昼休み。

広報部ではリンコが未来に小声で話しかけていた。


「…ひよりさん、資料の表現直してきた。“感情の粒度”って、使ってた」


「それ、完全にリンコの文章に影響されてるよね。

ひよりさん、たぶん“負けない調整”してると思う」


リンコは、紅茶のスプーンをカップの底でくるりと回して言う。


「…先輩は、気づいてるのかな」


未来は首を傾げながら優しく笑う。


「気づいてるんじゃない?でも、“言わない”って選んでる気もする」



午後。

資料の共有のため、広報部と企画部がまた軽く接触する。


リンコが直接資料を持参して企画席へ。

そこで、陸が隣の章太に声をかけながら、あえて広報部全体に響く声量で言う。


「もう“感情の粒子”とか“言葉の輪郭”とか、使いすぎだよ!

あのへんって、リンコさんの得意分野じゃない?」


リンコは微笑みながら資料を机に置いた。


「粒子、飛ばしすぎて誰に届いたかは不明ですけどね」


章太は目を伏せながら、資料の表紙をめくる。


「届いた先を確かめるのって、野暮だと思ってるので」


陸は目を丸くして、スッと手を挙げる。


「はい、出ました、“野暮を選ぶふたり”〜!

こういうとこがじれったいって周囲が言うんですよね〜」



木曜日は、“言ってないけど言ってる空気”が濃くなった日だった。

天然っぽいツッコミが、いちばん鋭く感情の中心に届いていた。


---

陸の鋭い言葉が、ふたりの“選んで沈黙している距離”に心地よく切り込む回になったと思います。

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