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ショートシーン  作者: 木村ユキムラ
2/50

第2話:「レンズ越し、ふたり」** (火曜日)

レンズ越しにふと見えた先輩の素顔——、ふたりの距離が少しだけ近づいた瞬間です。




昼下がりの社内。

共用スペースに差し込む陽が、柔らかく書類の端を染めていた。


広報部のリンコは、社内SNS用の写真を撮るためにカメラを構えながら、ちょっとはしゃいでいた。

「この角度…いいじゃん!めっちゃ雰囲気出てるかも〜!」


その時、背後を通った人影が偶然フレームイン。

レンズ越しに映ったのは、企画部の先輩だった


「あ、ちょ、先輩!今フレームに入ったし!」


振り返った先輩は、少し驚いた顔でこちらを見たあと、肩をすくめた。

「…悪い。広報部の“激写タイム”には注意が必要なんだな」


「ほんとそれっしょ!」と笑いながら、リンコはシャッターを切る。

モニターに映った彼の表情は、会議室で見るそれより、少しやわらかくて。


「…なんか今の笑顔、ちょっとレアじゃない?」


彼は視線をカメラから外して、机のドーナツを手に取った。


「レアかどうかは…そっちのカメラ次第だろ」


そう言って、ぽいっと一口。

コーヒーと甘さで、場の空気はなんとなく昼下がりの余韻に満たされる。


リンコは、撮った写真をスマホに転送しながらぽつり。


「…この写真、個人的保存しよっと」


先輩は、少しだけ固まった。

だが何も言わず、ドーナツの箱を彼女の方へ押しやった。


静かな、でも確かに少しだけ近づいた午後だった。


---

どうでしょう…火曜らしい“ちょっとした出来事”の中に潜んでいる、ほんのり甘い瞬間でした。

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