第98話: 「選び直すという気持ち」 (土曜日)
土曜日の夜にリンコさんから章太さんへ“日曜日に会う約束”の連絡が届く場面を描き、次回へ自然につながるブリッジに仕上げました。
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静かな余韻
土曜日の朝。
リンコは、前夜の飲み会のことを思い出していた。
先輩が自分を誘ってくれたこと。
ふたりで並んで歩いた帰り道の沈黙。
「…あの沈黙、心地よかったな」
そうつぶやきながら、社内報の下書きを見直す。
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未来との会話
午後。
未来とカフェで待ち合わせていた。
懇親会の振り返りをしながら、未来がふと切り出す。
「章太さん、リンコちゃんのこと好きだよね」
リンコは、少しだけ驚いたように笑う。
「…そう見えた?」
未来はうなずく。
「でも、リンコちゃんも章太さんもお互いより、仕事を見てる気するな〜、遠慮みたいな?」
リンコは、少しだけ黙ってから答える。
「…たぶん、そうかも。踏ん切りつかないというか、
職場にいる先輩だからね。公私混同みたいに思われるかもしれない。ってなると線引いちゃうよね。」
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気持ちの整理
夕方。
リンコは、自宅で社内報の文章を整えていた。
でも、言葉がうまく並ばなかった。
「…誰かの気配が強すぎると、文章が揺れるんだな」
その“誰か”が先輩だと、もうはっきりわかっていた。
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静かな決意
夜。
リンコは、社内報の冒頭文を見直していた。
でも、言葉がうまく並ばなかった。
“先輩に会ってから、書こう”
そう思った瞬間、スマホを手に取っていた。
>「先輩、明日少しだけ時間くれません?
…お話ししたいことがあります」
送信ボタンを押したあと、胸の奥が少しだけ高鳴った。
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章太の部屋。
スマホが震え、画面にリンコの名前が浮かぶ。
>「もちろん。
…日曜日、楽しみにしてるよ」
章太は、明日の準備の為に胸が鳴るのを自覚していた。
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次回は第99話、日曜日編。 章太さんとリンコさんが静かに会う一日。2人の物語をここで一旦区切りにしたいと思います。また続きを書くことになったときは皆様に読んでいただけたら嬉しいです。




