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①アイドルの顔面ストッキング

 アイドルグループ「プリズムスターズ」のセンター、涼花は運動神経抜群で、グループ内でもその地位を誇示していた。YouTubeチャンネルの人気企画「アイドル運動会」の撮影日、涼花は自信満々にカメラに向かって笑顔を振りまいていた。

メンバーには美香、志帆、咲希、美波がいて、それぞれが運動会種目で競い合う中、涼花は「私が負けるわけないよね」と余裕たっぷりに宣言。観客はいないスタジオでの撮影だったが、カメラの向こうにいるファンを意識して、いつも以上に気合が入っていた。


 今回の運動会の罰ゲームは、スタッフが提案した「顔面パンスト被り」。パンストを頭に被り、顔が歪んだ状態でカメラに映るという、アイドルにとっては屈辱的なものだ。しかし、涼花はそれに飽き足らず、「ただ被るなんてつまらない罰ゲームじゃ面白くないでしょ?パンスト被ったままトラック1周走るってのはどう?」と提した。

メンバーたちは一瞬驚いたが、内心では「どうせ涼花が勝つんでしょ」と冷めた目で見ていた。普段から態度が大きく、他のメンバーを小馬鹿にするような発言を繰り返す涼花に、4人はうんざりしていたのだ。


 運動会は順調に進み、涼花は障害物競走やリレーで圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、総合得点でトップを独走していた。そして最終種目、100m走。涼花はスタートから飛び出し、他のメンバーを大きく引き離してゴール目前に迫る。カメラが彼女の勝利を捉えようとしたその瞬間――靴紐が解けた。

足に絡まり、バランスを崩した涼花は派手に転倒。必死で立ち上がろうとするものの、後続の美香に抜かれ、志帆、咲希、美波も次々とゴール。総合得点でまさかの最下位に転落した。


「え、うそでしょ……?」涼花は呆然と立ち尽くすが、スタッフが容赦なく近づいてくる。「罰ゲームを受けるのは~~~、涼花ちゃん!」。メンバーの冷ややかな視線とスタッフの笑い声の中、涼花は渋々パンストを被せられた。顔がぐにゃりと歪み、鼻が潰れて豚のような形に。普段の美貌が跡形もなくなり、モニターに映った自分の姿を見た涼花は絶句した。


「うわっ、豚みたい!」美香が最初に声を上げた。「ねえ、涼花ってこんな顔だったんだ。センター失格じゃん」と志帆が追い打ちをかける。「いつも偉そうにしてたけど、これが本性だね」と咲希がニヤリ。

「豚って二本足で歩かないよね~ほら、四つん這いになんなよ!」と美波が提案し、他の3人が拍手で賛同した。涼花は「冗談でしょ」と抵抗したが、4人の「やれやれ!」という声に押されてしまう。


 結局、涼花は四つん這いでトラック400mたっぷりとひきまわされる羽目に。パンストを引っ張られ、まるで「豚の散歩みたい」と美香が笑いものにし、他のメンバーも「ぶひぶひ~って鳴いてみてよ!」と容赦なくからかった。涼花の顔は真っ赤になり、悔しさと恥ずかしさで涙目だったが、カメラはそんな姿をしっかり捉えていた。


 数日後、アップされた動画は「春の大運動会!~ビリの罰ゲームはまさかのアレ~」というタイトルで公開された。メンバーの悪口は流石にカットされていたが、肝心の涼花の惨めな変顔は全て使われていた。

パンストで歪んだ顔、四つん這いでトラックを這う姿、そして悔しそうな表情まで、編集で強調される始末。

普段からスタッフにも横柄な態度を取っていた涼花に同情する者はいなかった。コメント欄は「センターとは思えないブス顔」「態度悪いからざまぁw」とアンチにより大炎上し、涼花のプライドはズタズタにされた。


 その後も、メンバーからは時々ライブのMCで顔面ストッキングのことがネタにされ、「涼花ちゃん、またパンスト被る?」と美波が無邪気に振ると、観客の笑い声が響き渡る。涼花は笑顔でごまかすしかなく、その度に内心で悔しさを噛み締めるのだった。一方、4人の結束は強まり、「次は別の企画で涼花をまたビリにしようか」とひそかに笑い合う日々が続いた。



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