このスキル万能すぎるようです。
「じゃあ行こうか」
そう声をかけて、スキルを使いミカンには2人で入る。
「さっきも来ましたけど、本当に不思議な空間ですね。商品は当たり前ですが、空間その物がとても凄いです。
この明るいのは光は魔石ですか?凄い数ですね。
あとこの中だけとても涼しいのも何か魔石による効果ですか?」
そう聞かれて、ふと、私もそこに気づく。
そういえば、照明のライトもついていればエアコンもついている。セルフレジだって良く考えれば電気だもんな…。
そういえば、冷蔵庫や冷凍庫商品もあるんだがこれなら大丈夫そうだと思いながらも一応そこも、確認しておこう。
「ジンくん、ちょっとその答えを話す前に、もう少し私も確認したいから色々見ていい?」
ジンくんは不思議そうな表情をしながらも、頷きついてきてくれる。
そして、冷蔵庫と冷凍庫を確認する。どちらも冷たく、温度通りになっている。
「うわぁ、これは凄い…氷の魔石ですね。でも、こんなに冷えるものあるんですね。凄いな」
「これは魔石じゃなくて、電気っていう力を使って食品を冷やしてるんだ。この上の光ってるのも空調が涼しいのも全部電気を使ってるの」
「魔石じゃない??でんき?とは凄いものですね…とても不思議です。こちらの世界は魔石を使って同じような物はありますが、それがでんきというもの1つで賄えるなんて」
「魔石ってのにも今後詳しくならなきゃね、私も。
うん。私の世界では正直電気なしの生活は考えられないくらいだよ。
でも、よくよく考えたら私にとってはこうして電気のこともあるし、ミカンの空間ごとがスキルでよかったけど、皆にとってはミカンの販売だけできればいいんだから、空間なんて必要無いはずなのにどうしてだろう。この空間に意味があるのかな?電気を売ったりもできないしなぁ。」
「うーん、俺も確実な答えを持ち合わせてる訳では無いのですが……。
スキルってものは元々その人にとって最も必要としているものだったり努力してきたものが与えられるという説明を父がしたと思いますが、我々にとって救世主となるスキルの持ち主というのがサクさんだったんですけど、それは確かに[ミカン]の商品と考え間違いないと思います。ですが。サクさんにとっては、ミカンの商品の販売だけでなくこの空間自体が必要だっんではないかと…。やはりこちらの世界では環境なども違いますからこの空間自体で休息もとれますし、でんき?とやら程便利なものを用意するとなると魔石が相当必要になりますしね」
ジンくんにそう言われてなるほどと、腑に落ちる。
努力したものは言わずもがなではあるが、必要か。なるほど。
確かにこの空間があるとないとでは全くもって利便性が変わってくる。
実際、休憩室には冷蔵庫や手洗い場などもあるし、そこのソファーは近所の家具屋が閉店する際にくれた中々良いもので余裕で寝れるもので、休憩中仮眠を取る事もあったくらいなので、お風呂がないだけで正直住めるレベルだと思う。
最初も、めちゃくちゃ便利じゃん。なんて思ったし、この空間に感謝していたが、まさか電気までとは。てか、そうなるとパソコンとか…あっ、スマホとかもどうなんだろう?もしかして、この空間にいる間は使えたりするのだろうか??
電気が通ってるということは、ありえなく無い気がする。
「…やっぱり使える」
スマホを開き、適当に検索をかけると普通にスマホも使えた。
メッセージもうてる。
まさかの異世界にいても、あっちの世界との連絡手段があるなんて、これは思ってた以上に便利すぎるスキルかもしれない。
まさかのまさか。電気もあればスマホも使えちゃう事が判明。
異世界なのにスキル使用でミカンの中なら向こうの世界とも連絡取れちゃう新しい展開です。