表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/84

スマホの貸出。

そしてひとしきり話終えると覚悟を決めたようにタニアが「では、サク。リリアンヌと母さんを頼む」と言葉を私にかける。



「うん。こっちは任せて。

でも本当に大丈夫なの?」



「ああ、リリアンヌと母さんがここにいる今弱みはない。

むしろ、母さんがいないと気づかれる前に行く方が良い。対策をとられるほうが余程恐ろしいからな」



「そうね……良く考えれば先程タニアがリリアンヌを誘拐したという話をしにルイーザ様が私の離宮まできたのは貴方を匿っていないかきっと確認しに来たんだと思うの。人をよこせば良いのにあの方が直接来たって言うのはそういうことね。

あそこは旦那様の魔法で旦那様と貴方以外は転移魔法は入れないし、扉から入る時も護衛がつくし、全て旦那様に報告もされますからね。

だから、先程1度確認しに来た所をみると、夜もシドかルイーザ様本人が来るつもりでしょう。とはいえ、あまりに多いと旦那様に何か言われるでしょうし。そうなるとやはり夜までの間が勝負になるわね」



「なら、やはり母さんが居ないことに気づかれていないなら今行くのがいいだろう。

捕縛後、父さんに事の顛末を話して月の塔に入れる事は可能だろう。だけど、問題はその後だな……」



「そうね……、きっと無罪を主張するでしょうね……物的証拠をというでしょうね」




月の塔というのは、月の欠片と魔法で造られた彼ら種族の力を封じる特別な牢だそう。

所謂死では裁けない貴族や王族などを封じる場所でカイザーだけしか使えない魔法で閉じ込めるそうなのでそこに封じる事が出来させすれば一旦は彼らとしては安全らしい。


が、しかし、その後が問題だと2人は言っていた。



「なんか、録画しとける魔法とか道具とかこっちの世界にはないの?」




物的証拠と言えば、動画が1番だと思って聞くと2人とも、難しい表情を浮かべる。





「あるにはある。月真鏡というもので魔力を流し続けている間を写っている物を記録出来るものだ。

だが、国宝でありルイーザ様が管理している可能性が高いな」




「高いではなく、ルイーザ様が管理なされてるわ。

そういった、国宝の中でも重要な物は元妃の頃からルイーザ様が管理されていたと聞きます。

エルフではなくハイエルフでしたら、時の魔法を使える者がいるかもしれないとは聞いた事がありますがその人物を探し呼ぶという事も出来ないですしね」




「物的証拠がなくとも、魔力測でシドから魔法を受けたこと程度はわかると思いますし」



「貴方に攻撃を受けた反撃と言うでしょうね。実際、ルイーザ様に関しては腐羽病のウィルスをあなたにかけただけなのでしょう?」



そう、チェリーナさんに言われてタニアは唇をかみ締めながらも「それでもやらねば」と言い切る。




「あの、録画とかだけでよければこれで出来るんだけどさ、流石にこんなの向けてたら怪しまれるよね?」



そう言って私はスマホを見せる。

録画だけならぶっちゃけこれで出来るんだけど、流石にこれを相手に向けてたらどう考えてもおかしいよね。

小型カメラとかあればよかったんだけど、流石にミカンでは取り扱ってないし。



「「それは本当()」」




声を揃えて驚いたようにそう言う2人に、スマホの見せながら説明して録画してみせる。




「こんな感じなんだけど、どうだろう?使えたりする?」




そう私が聞くと、それはもう目を輝かせて頷く2人。



「こんな小さな物がまるで月真鏡と同じ効果があるなんて……しかも魔力は使っていなかったがどういう仕組みなんだ?」



「いやー、もうどういう仕組みとかはわからないんだけどまあそういう便利な物だと思って貰えれば。これは異世界の物だから人間界だからってある訳じゃないんだけどね。ただ、小さいとはいえこの機械(スマホ)のカメラを向けて撮ってないといけないからさ……首にぶら下げる道具とかあるんだけどそれでもめちゃくちゃ怪しいよね?」



「サクちゃんそんな貴重なもの使わせてもらっていいのかしら。これだけ凄い物なら貴方にとっても大切な物でしょう?」



「勿論、大切は大切なので壊さないで貰えると助かるけど。

一応これがスマホネックレスストラップっていってこれをつければ首からぶら下げてられるんだけど……まあ、でも何?とはなるよね……」



そういって、私は自分のロッカーから私物のスマホにつけるネックレスストラップをつけ渡す。



「いいえ、この小ささで、魔力が通っていないなら透チーフで隠せます」



そういってチェリーナさんは首の部分から何かを取る仕草をする。



「使いなさい、タニア」



そう言ってタニアに何かを手渡す。

タニアが受け取った瞬間そこにはまるてスカーフのようなものが現れる。


びっくりして聞くと、それは透チーフと呼ばれるもので、使い方としては自分の魔力を使い傷跡を隠したりするのに使われるものらしい。


それに覆いかぶせられるものなら透明化出来る代物らしい(正直めちゃくちゃ使えるじゃん!むしろ武器とか隠せば?と、思って色々聞いてみたけど彼(女)達種族は基本的魔法社会なので、魔力を使った武器しか効かないし、魔力を纏わせたものは透明化できないらしいので本当に傷隠しにしか使われていないような物らしく、チェリーナさんも実際腐羽病の後遺症で首にも傷跡があったからそれを隠すのに使っていたらしい)

だけど、今回私が渡したスマホは魔力も使っていない物なので隠せるからむしろ好都合らしい。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ